エピローグ
5月27日、火曜日。入学後初の定期試験が始まった。今までとは違う形式のテストなだけに新入生はほぼ全員緊張状態で臨んだ。翌日、緊迫した2日間の定期試験が無事終わった。
「あずみぃ、やっと終わったよ~」
教室でサンガンピュールが全ての力を出し切ったかの如く声を掛けた。
「うん、やっと終わったね」
あずみが優しく答えた。そこへ、
「うちは大丈夫っしょ!」
横から美嘉が乱入した。求められてもいないのに感想を言ってきた。またそこへ、
「国語の問題、少し簡単だったかな・・・」
春も会話に入ってきた。傍から見ても4人組の友達グループという印象が強まった感じだ。あずみはいわゆる「コミュ力お化け」で、1組はもちろん他のクラスにも友達がたくさんいる。だがサンガンピュールはまだまだこれからだ。
人間は一人だけでは生きていけない。多くの人々の支えがあって、今の自分がある。サンガンピュールが土浦の人たちに受け入れられるかは、彼女の努力次第だ。
皆さん、最後までご覧いただきましてありがとうございます。
今回のお話では自伝の要素が入っています。複雑な問題を表面的にしか見ることができない。他人を見た目で判断してしまう。支えてくれる人に対しての感謝がない。現実世界で陥ってしまうことが多いこれらの視点に、彼女がどう向き合うかを重視して書きました。
今回までは無名の犯罪者がポツポツと出てくるような流れでしたが、次回以降から大掛かりな組織が登場する予定です。果たしてそういった巨悪にサンガンピュールはどう立ち向かうのか!?どうぞお楽しみに。