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魔法少女物語~魔法の××× マジカル○○○~  作者: 庭野 ワニ
赤髭の三太 登場
25/54

第4新卒:『参上!お嬢様転校生』その5(終)




【黄島クリスティーヌ】




 ……やりましたわ!!!




 と、ワタクシも、丁度、あの赤髭の三太が大爆発(失職)してマジカル三姉妹スリーシスターズが喜んでいる頃にアルバイトの面接に合格致しましたわ。

 ……いや、あの赤髭の三太がマジカル三姉妹スリーシスターズにやられている事は本当に後になって知る形になったのですが、まあ、せめて、愛馬フィリップの件や、娘さんのお下がりの着ぐるみスウェットの件は助かりましたから、赤髭の三太にも心の中でお礼を言っておきましょう。

 あれならなんだかんだと大工やら漁師やらでもやれば、現場のエースでしょうし。




 いやはや、しかし、今のワタクシには、そんな事はどうでもよろしいのです!!


 バイトの合格ですわよ、バイトの合格!!

 ひとまず、高校に通いながらお仕事出来て、そのうえ給料そこそこで現物支給、履歴書不要、学歴不問、経歴・前科問わず、霊感のある方やエキセントリックな人物優先採用、アットホームな職場という、ワタクシにとって凄く好都合なアルバイトで助かりましたのでラッキーでしたわね!!

 ……まあ、「場合によっては命の危険もあります!」という一文が多少ネックでしたが、ワタクシはそこらの地球人と違って、魔法マジカルもありますし。


 えーと……ちなみにバイト先の名前は、なんでも「マッドサイエンス研究所」だとか。

 某大学の研究所らしいのですが、ここで様々な発明品や骨董品の管理をするのがお仕事だそうです。

 この研究所の主な事業・研究内容は「極秘」との事で、詳しくは知りませんし、ワタクシも少々怪しいとは感じているのですが、何しろ今では自衛隊やら警察やらと(裏で)提携しているようですし、それなら安全でしょう。


 まあ、おいおいこの研究所の研究内容などなども何となくわかるでしょうし、ワタクシはサンテグジュペリ学園に通いつつ、帰りにこの研究所でお仕事をして、夢咲家に帰ってテレビや漫画を見るという日々を暮らしながら、なんとかマジカル三姉妹スリーシスターズの力の源を見つける事にいたしましょう。

 ……え? 四足の草鞋で大変そうですって?

 ワタクシを舐めないでくださいまし。ワタクシは、この程度の労働で音を上げるほどひ弱ではありません。


 それでは、すぐに夢咲家に帰って、皆さんにこの事を報告いたしましょう。




◆ ◆ ◆ ◆ ◆




【夢咲いちご】




 ……さて。


 アタシたちも、ひとまずなんとか作戦勝ちで極悪帝国に勝てた。ちょっと特訓していたのが効いたのだろうか。

 結構派手に戦ったつもりだったが、自爆したのに案外変身前に戻ると痛くない。

 これまでも別に筋肉痛みたいな目には遭わなかったし、魔法マジカルでの戦いというのは、本来ここまで安全なモノなのかもしれない。

 ……前回、委員長が毒で殺害されかけた事や、そもそも暗殺目的の殺し屋がいる事を考えると、絶対に安全とは言えないのかもしれないけど。




 ――さて、あれから二人と別れて家に帰ると、夕方六時だった。


 両親は買い物に出かけているらしく、うちに帰っていたのはクリスだけだ。たぶん、クリスが帰ってきた事で入れ違いに買い物に出かけたんだろう(何しろクリスは家の鍵を持ってないから)。

 やっぱり、彼女は一人でも家にいてくれて、そのうえでのんびりと『うる星やつら』を開きながら、ソファに寄りかかってアニメの『名探偵コナン』を見て、特に悪い事をする様子もなく待っていてくれた。

 ……で、しかもアタシが帰った瞬間に、クリスは屈託のない笑顔でこちらに話しかけてきたのだ。


「あっ、いちかさん!! ……ワタクシ、やりましたわ!!」


「いちご!」


「失礼。

 ……ワタクシ、このたび、研究所のバイトに無事合格いたしました!!

 来週から遂にフリーターですわ!!」


「それはフリーターじゃなくて、

 単なるアルバイトしている高校生だと思うんだけど……」


「そうなんですの?

 ……ホームステイといい、わけわかんない言葉が多いですわね」


「うん。でも、良かったね、クリス。

 ちょっと大変かもしれないけどさ」


「ええっ!!

 でも、ワタクシもこれで無事、学費を払えますわよ!!

 このバイトできっと、億万長者になって、あの高校ごと買い取ってみせますわ!!」


 すごく嬉しそうなクリスだ。やっぱり言ってる事は色々おかしいんだけど。

 ……とりあえず、アタシは、クリスの快挙を喜ぶ事にした。

 海外経験が長くて、日本の常識をあまり知らないクリスだが、こうしてすぐに雇ってくれるところがあったんだ……。うん、それはよかった。

 その場で採用してくれたようだし、アタシは素直に嬉しい。


 これからしばらく一緒に暮らすクリスが、こうして喜んでいるんだし、何か祝う方法があればと思うんだけど、あまりすぐには考え付かないな。何をしたら喜ぶだろう。

 これは、あとで、委員長やミウにも相談しよう。




 ――――が、のんびりとそんな事を考えていると、アタシたちの目の前で、ずっとアニメを流していたテレビは、実写に切り替わり、唐突に思わぬ事を告げ始めた。




『――速報です。

 極悪帝国の地球侵略軍幹部・呪武者ヒラギィと名乗る人物から、

 当テレビ局にFAXが届き、あすの午後三時より、

 ヒラギィ氏が地球に来訪して、謝罪会見を開くとの情報が入りました』




 ……。

 ……。

 ……。


「……は?」


 クリスが、アタシの考えていた事を一言で言ってくれた。

 アタシも、「は?」と思っている。一度ニュースの意味がわからなかった。

 えっと、謝罪会見……?


 どうやら、極悪帝国が地球に来て謝罪会見をする気らしいのだ。いたずらじゃない事を願いたいが……。

 この話って、もしかして、円盤戦争の最終回みたいに、謝罪で戦争が終わるという事だろうか。

 しかし、テレビの中でニュースキャスターは続ける。


『ヒラギィ氏は、先月、極悪帝国側が、

 「地球のマジカル三姉妹スリーシスターズ」の

 マジカル委員長氏に対して行った暗殺未遂について、

 「きわめて卑怯で許されざる行いであった」と本文書の中で釈明。

 ……また、地球に対する謝罪が遅れてしまった事、侵略の目的などについても、

 近々改めて会見を行いたいとの事です。

 ただし、これは侵略戦争の終わりを意味するものではなく、

 あくまで今後の侵略戦争を続行する為のものであり――』


 ……どうやら、戦争自体は終わらないらしい。


 ……うーん。ただでさえ最近、テレビで色んな人の謝罪会見が多いと思ったら、今度は地球を侵略しに来た異世界の怪人たちが謝罪会見だ。

 この間、委員長が言っていた「ゲルショッカーコーポレーション」という会社も早速不祥事がバレて、謝罪して、凄く態度を叩かれてたけど、うん、一体、これはどうなるんだろう……。

 明日って、日曜日じゃん。

 リアルタイムで見た方がいいのかな……。それとも、現地に行った方が良いんだろうか?




 アタシはそんな事で悩みつつ、ニュース速報に『コナン』を中断させられてテレビの前で呆然とするクリスを横目に見ていた。




【第4話:おしまい】




◆ ◆ ◆ ◆ ◆


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