表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/300

07話 妹は計画通りと笑みを浮かべました

いつも読んでいただき、ありがとうございます。

※ジャンル別日刊ランキングで7位に入りました! たくさんの応援を頂き、感謝あるのみです。これからもよろしくお願いします。

<結衣視点>



 人前ではどう振る舞うか。どういう風に呼び合うか……などなど。

 今後のことを一通り決めたところで、私はリビングを後に……しようとしたところで、一度、兄さんを振り返ります。


「じゃあ、明日からお願いしますね、兄さん」

「ああ、わかっているよ」

「あと、彼氏面をして、あまり慣れ慣れしくしないでくださいね? 手を繋いだり肩を抱いたり、そういうことをしてはダメですよ? 絶対にダメですからね?」

「そんなに念押ししなくても平気だから。そんなこと、するわけないだろう」


 押すな押すな、の感じで言っているんですが、まったく気づいてもらえません……もう、兄さんのばか。


「じゃあ、おやすみなさい」

「ああ。おやすみ」


 今度こそ、私はリビングを後にして、自分の部屋に移動します。

 ぱたんっ。

 扉を閉めて、それから、ベッドに横になり……


「きゃあきゃあきゃあっ♪ ついに、ついにやってしまいました! 本当に実行してしまいました! 私、なんて大胆なんでしょう! そしてそして、成功してしまいました!!! 一世一代の大勝負、勝ってしまいました! 兄さん♪ 兄さん♪」


 私は枕を両手で抱えて、ゴロゴロと身悶えました。

 顔はにやけてしまい、とても人様に見せられません。なんとかしようとしても、どうすることもできません。


 だって、だって……


「兄さんが私の彼氏に……! そして、私が兄さんの彼女に……! 素敵です、素敵すぎますっ。ああぁ、これはもう夢でしょうか? ほっぺをつねってしまいます。痛いっ。でもでも、痛いということは夢ではなくて、現実……うっとりしてしまいます。兄さん♪」


 あくまでも『フリ』ではありますが……それでも、兄さんと彼氏彼女の関係になれたことは、とても嬉しいです。ニヤニヤしてしまいます。胸がキュンキュンしてしまいます。


「ふふふ……計画通り、ですね♪」


 告白されることに困っているから彼氏のフリをしてほしい……そういう話を持ち出して、仮ではあるけれど、兄さんと『彼氏彼女』の関係になる。

 以上が、私の計画です。


 これで、余計な告白を回避できます。さらに、『彼氏彼女』になったことで、兄さんとより深い、親密な時間を過ごすことができます。さらにさらに、『兄さんは私のもの』……と、他の女の子たちを牽制することができます。

 まさに、一石三鳥!

 こんなことを思いつくなんて、自分で自分が恐ろしいですね。

 もしかして、私、天才?


「兄さんが彼氏♪ 私が彼女♪」


 彼氏彼女の関係になったことを利用しない手はありません。

 これを機会に、兄さんと、て、手を繋いだり……

 それだけじゃなくて、ぎゅうってしてもらったり……

 さらにさらに、き、キスとか……


「ひゃあああっ♪」


 夢が広がります。バラ色の夢です。たまりません。


「明日から、兄さんと恋人なんですね……早く明日にならないでしょうか? うぅ、待ちきれないですね……いっそのこと、今から兄さんの部屋に行ってしまいましょうか? 恋人なら、それくらい当たり前ですよね……それで、そのまま一緒にベッドで! ……はぅ」


 妄想が加速して、思わず、鼻血が出てしまいそうになりました。

 危ない、危ない。

 こんな状態では、兄さんのところに行くことなんてできませんね。兄さんの目の前で、妄想するあまり鼻血を出してしまったら、私、羞恥のあまりどうにかなってしまいそうです。

 非常に、ひじょうううに惜しいですが、今日はやめておきましょう。

 代わりに、たくさん妄想しておきましょう。


「兄さん……これから、ずっと一緒ですよ」


 『妹』という関係だけではなくて、さらに一歩進んだ、『恋人』という関係……それは、とても強い絆があるはずです。

 離れ離れになることなんて、絶対にないような、強い絆……私は、それを求めてやまないのです。


「……もう、一人になんてなりたくありません」


 これで、兄さんとずっと一緒に……

 いつまでも、いつまでも……


「離れたりなんてしませんからね……そんなことは、絶対にありません」


 小さな声で……だけど強く、私はつぶやいた。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

今回は、結衣が何を考えていたのか、をメインに書いてみました。

妄想たくましい妹です。

次回から、恋人のフリが始まり、イチャイチャします。

よければ、またお付き合いください。

これからもよろしくおねがいします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界ものの新作を始めてみました。
↓のリンクから飛べます。
二度目の賢者は間違えない~最強賢者が転生したら、なぜかモテモテになりました~
よかったらどうぞ。
― 新着の感想 ―
[一言] ロックオンされちゃいましたね。これはもう逃げられませんよ。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ