表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/300

06話 妹は彼氏をゲットしました

いつも読んでいただき、ありがとうございます。ブクマや評価をいただけて、とてもうれしいです。感謝です。

※日刊ランキングで10位に入りました! たくさんの応援をいただき、感謝しかありません。少しでも楽しんでもらえるようにがんばるので、よろしくお願いします。

 俺の耳は壊れてしまったんだろうか?

 あるいは、俺は本当はとんでもないシスコンで、それ故に、幻聴を聞いてしまったんだろうか?


「……結衣。すまん、もう一回頼む」

「聞こえなかったんですか? 兄さんは耳が悪いんですか? それとも、もう老化が? まったく、しっかりしてくださいね。妹に手間をかけさせないでください。それじゃあ、もう一度言いますが……えっと、その……私の彼氏になってください!」

「……」

「兄さん?」

「いやいやいやっ、えええええぇっ!?!?!?」


 一瞬の後、結衣の言葉の意味を理解して、思わず叫んでしまう。

 だって、仕方ないだろう? あの結衣が、俺と恋人になりたいなんて……これが夢と言われても、俺はすんなりと信じてしまうだろう。

 というか、夢かな? 俺はまだ寝ているのかな?


「お、おい。どういうことだ?」」

「今、告白したよな……」


 聞こえていたらしく、クラスメイトがザワザワする。


「こ、恋人に……? 結衣ちゃんが……宗一に……?」


 明日香も聞いていたらしい。

 目を丸く、ぽかんと口を開けて、ハニワみたいになっていた。


「兄さん。えっと、詳しい話を……」

「こ、ここはまずいっ、行くぞ!」

「えっ、兄さん……!? あっ、手を……」


 こんなところでするような話じゃない。

 俺は結衣の手を引いて、慌てて教室を後にした。




――――――――――




 結衣を連れて家に帰った。


「あの、兄さんっ!」

「な、なんだ!?」

「手……手を、いつまで掴んでいるんですかっ!?」

「あっ……す、すまん!」

「まったく、妹の手をいつまでも掴んでいるなんて……本来なら、事案ものですよ? 事件ですよ? 私は心が広いから許してあげますが、今度は気をつけてくださいね? 次はありませんよ? いいですか、次はありませんからね?」

「わかった、もう絶対にしないよ!」

「……そうですか」


 誓うように言うと、ものすごい目で見られた。

 やっぱり、怒っているんじゃあ……?


「それで、どうして家に?」

「そ、そりゃあ、学校で……しかも、みんながいる教室であんな話、できるわけないだろう? ここなら、俺たちだけだし」

「兄さんと二人きり……まさか、このまま一気にゴールに!? ダメですよ、兄さん。さすがにそれはまだ早いというか……えっと、家は白で、子供は三人ほど……」

「ど、どうした? 俺、なんか変なこと言ったか?」

「はっ!? いえ。なんでもありません。気にしないでください」


 結衣って、たまに挙動不審になるんだよな……どうしたんだろう? 俺のことが嫌いなのか、なかなか目も合わせてくれないし……

 いや。でも、それなら告白なんてするわけないよな……?

 だけど、どうにも好かれているようには思えなくて……あー、ダメだ! わけがわからなくて混乱してきた!


 とにかく、この疑問を解決しよう。


「そ、それで……彼氏になってほしい、って……本気、なのか?」

「はい! それは、もちろん。私は、いつでもどこでも全力で本気です!」

「そ、そうか……その、いつから、俺のことを好きに?」

「それはもちろん、ずっと前から想い続けて……いえ。そうではなくて、兄さんは、勘違いをしていませんか? 私、別に兄さんのこと……好きじゃ……なく……うぅ……好きじゃないんですけど!」

「そっか、好きじゃない……え?」


 それじゃあ、あの告白はどういうこと……?


「えっと……すいません、話を飛ばしすぎて、誤解させてしまったみたいですね。改めて説明しますね? いいですか。簡単に言うと、兄さんには、私の『彼氏役』をやってもらいたいんです」

「彼氏……役?」


 困惑する俺に、結衣は理由を語る。


「実は、最近、色々な人に告白されるようになって……それで、正直、困っているんです。今は、彼氏を作る気はありませんし……まあ、その、好きな人が……とにかく! 恋人を作るつもりはありません。なので、毎回断っているのですが、それも色々と大変で……そこで、思ったんです。彼氏がいれば、告白してくる人もいなくなるのでは……と」

「なるほど、そういう理由か……でも、それならフリじゃなくて、本当に彼氏を作ればいいんじゃあ?」

「告白されたくないから、なんていう理由で彼氏を作るなんて、自分勝手すぎますよ。というか、彼氏はにいさ……いえ、なんでもありません。さっきも言いましたが、彼氏を作る気はありませんし、フリをしてもらうのが一番なんです」

「それもそうか……でも、なんで俺?」

「それは兄さんがいい……ではなくて、えっと……よく知らない人に頼むと、勘違いさせてしまうかもしれませんし、私のわがままに突き合わせてしまうのは申し訳ないですし……その点、兄さんなら何も問題ありませんから。私の役に立てるんですから、光栄に思ってくださいね?」


 なるほど。確かに、俺なら勘違いすることはないな。適任かもしれない。

 とはいえ、妹の彼氏役か……


「ダメ……ですか?」


 甘えるような感じで、結衣は上目遣いで俺を見た。

 うっ、そんな目を向けられたら……


 ……まあ、大事な妹が困っているわけだし。

 他の男に『彼氏役』を任せるのは、不安っていうこともあるけど、なんか、納得がいかないというか、放っておけないというか……他人に任せるくらいなら俺が、って思う。


「……わかった。彼氏役、引き受けるよ」

「本当に?」

「結衣のためだからな。俺でよければやるよ」

「ありがとうございます、兄さん! これで、私と兄さんは彼氏彼女の関係ですね?」

「そうだな。まあ、フリだけど」

「フリでも、私は……あぁ、今日はなんて素敵な日なんでしょうか! 神さまに感謝を……」

「結衣?」

「いえ、なんでもありません! これからよろしくお願いしますね?」

「ああ、よろしくな」


 こうして、俺と結衣は『恋人』になった。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

この回で、1話に繋がる……という感じになります。

ここからは、二人が恋人のフリをするところを、楽しんでもらえたらと。

次もお付き合いいただけたら幸いです。

これからもよろしくお願いします。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界ものの新作を始めてみました。
↓のリンクから飛べます。
二度目の賢者は間違えない~最強賢者が転生したら、なぜかモテモテになりました~
よかったらどうぞ。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ