53話 妹とみんなで勉強会・1
放課後になり、明日香と凛ちゃんと一緒に、みんなで帰る。
そのままウチに移動した。
「さあ、どうぞ」
「「おじゃまします」」
二人をリビングに案内した。
「宗一の家に遊びに来るの、けっこうひさしぶりかもねー」
「おい。今日は、勉強をするんだからな?」
「わかってる、わかってる」
本当にわかっているんだろうか?
この幼馴染、かなり適当なところがあるからな……
「ほうほう。ここが先輩と結衣の愛の巣ですか」
「り、凛ちゃん。愛の巣、って……」
からかわれているはずなのに、なぜか、結衣はうれしそうにする。
親友の言うことだから、スキンシップくらいに捉えているのかな?
「ねえねえ、宗一」
「うん?」
「ところで、この子は? 結衣ちゃんの友だち……なんだよね?」
「ああ……悪い。ちゃんと紹介してなかったな」
俺たちの会話を聞いて、凛ちゃんがペコリとお辞儀をする。
「はじめまして、相馬凛です。先輩の愛人兼性奴隷です」
「なに言ってくれてんの!?」
「うわぁ……」
ゴミを見るような視線が!?
「兄さん……凛ちゃんに、て、手を出して……」
「まっさきに騙されないでくれよ!?」
「ふふっ、冗談ですよ」
「質の悪い冗談はやめてくれ……」
「場の雰囲気を和ませようと」
「これが和んでいるように見えるなら、凛ちゃんは、ちょっと病院に行った方がいい」
明日香は、蔑みの視線をこちらによこして……
結衣は、ドス黒いオーラをまとっていて……
お願いだから、俺をネタにしないで。
「本当は、結衣の親友で、先輩の忠実な後輩ですよ」
笑えないネタをかますヤツは、忠実な後輩とは言わん。
「あたしは、天道明日香。宗一とは、一緒にお風呂に入った仲ね」
「兄さん……ドウイウコトデスカ?」
「先輩って、意外と肉食系なんですか? ふふっ」
「あーすーかー!!!?」
凛ちゃんに触発されたのか、明日香もネタをぶっこんできやがった!
この幼馴染、いつか、ガツンと言っておかないとダメだ!
っていうか、結衣さん?
光のない虚ろな瞳をするのはやめて?
本当に怖いですからね?
「風呂って言っても、ガキの頃の話だろ! 幼稚園に入るか入らないか、それくらいの頃で……俺と明日香は幼馴染なんだよ」
「あっ、小さい頃の話でしたか」
「なんとなく、そういうオチじゃないかと思ってましたけどね」
凛ちゃんはともかく、結衣は、俺と明日香が幼馴染ということを知っているんだから、察してほしい。
んー……でも、恋人のフリをしているから、結衣の反応の方が正しいのか?
普通、一緒に風呂に入ったとか聞かされて、落ち着いてられないだろうし……
あー、わからん!
恋人のフリって、難しいなあ……
こんな調子じゃあ、本物の恋人なんて、いつできることやら。
まあ、今は結衣の面倒を見ないといけないから、欲しいとは思わないけどな。
「じゃあ、そろそろ勉強を……」
「宗一の部屋を探索しましょうか!」
「明日香はなにをしに来たんだよ!」
「宗一の恥ずかしい秘密を暴露しに来たの!」
堂々と胸を張って答えられた!?
「結衣ちゃんも凛ちゃんも、宗一の部屋、興味あるでしょ?」
「おもいきり、ものすごく、かなり興味あります!」
「凛ちゃんの食いつきっぷり、半端じゃないね!」
「さあ、行きましょう。凛ちゃん、天道さん」
「一緒に暮らしてるのに、結衣も、なんで食いついているんだよ!?」
「い、いえ、それは……兄さんは、自分の部屋は自分で掃除をしてしまいますから、なかなか入る機会がないといいますか……もしも、え、えっちな本があったりしたら……気になってしまうといいますか……妹以外に、そういうものはダメなんですよ?」
普通、妹だからこそダメじゃないのか?
「結衣、先輩の部屋はどこに?」
「階段を上がってすぐのところですよ」
「ま、待て待て! 俺の部屋に入るっていうなら、結衣の部屋にも入るぞ!? それでもいいのかっ」
「兄さんが私の部屋に……」
「そんなのイヤだろ? だから、やめような?」
「……それはそれで」
「なんで受け入れようとしているんだよ!?」
「べ、別に、なんとも思っていませんからね? 兄さんに来てほしいとか、そんなことは考えていませんからね? 勘違いをしないでくださいよ。あっ、でもでも、部屋には兄さんの写真が……や、やっぱりナシです。やめにしましょう」
さすがに、俺に部屋に入られるのはイヤだったらしい。
結衣が前言撤回した。
……でも、拒絶されたことで助かるって、複雑な気分だな。
そのうち、「兄さん、私の部屋の前にも来ないでくださいね? 兄さんの匂いが入ってきてしまうかもしれませんから」なんて言われるかも。
うわー……それはイヤだ。ものすごいイヤだ。
想像したら、本気で凹んできた。
「じゃ、宗一をからかうのはこの辺にして……」
「そろそろ勉強を始めましょうか」
あらかじめ打ち合わせしていたように、明日香と凛ちゃんはぴったりと息を揃えて言う。
この二人、似た者同士だ……
でもって、混ぜちゃいけないヤツだ……
こんなんで、ちゃんと勉強できるんだろうか?
始める前から、色々と不安になってしまうのだった。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
ちょくちょく出番が増える明日香と凛。
主人公と妹の二人だけでは寂しいので、これからもちょくちょく出てきます。
時には、がっつり絡んでくることも?




