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33話 妹と旅行・2

投稿して、一ヶ月とちょい。

ジャンル別月間ランキングで、6位になることができました!

たくさんの応援をいただき、本当にありがとうございます。ただただ感謝です。

これからもよろしくお願いします。

 まずは荷物を置こうと、最初に旅館に向かったんだけど……

 なぜか、用意されていた部屋は一つ。


 予約する時、二部屋とっておいたんだけど……

 旅館側の手違いで、一部屋しかとれていなかったらしい。


「誠に申しわけありませんっ!」


 女将さんと、その他、事務担当らしき人たちがおもいきり頭を下げた。


「えっと……他に部屋は?」

「それが……ただいま、全て埋まっておりまして……本当に申しわけありませんっ!」

「まいったな」


 予約した部屋はそれなりに広いから、二人で使うこともできる。

 でも、いくら妹とはいえ、年頃の女の子と一緒なんてなあ……

 もちろん、結衣も嫌がるだろうし……


「わかりました。そういうことなら、仕方ありませんね。私たちは同じ部屋で構いませんよ」


 あれ? すんなりと了承された?


「いいのか?」

「仕方ないですからね。こういうミスは誰でもしてしまうことですし、それを責めるのもどうかと思いますし……まあ、兄さんと一緒の部屋なんてとても不本意ですが、私は大人ですからね。渋々ながら、一緒でいいですよ。本当、渋々なんですからね?」

「そこまでイヤなら、やっぱり、なんとかしてもらうか、それとも別のところを探してみても……」

「兄さんはバカなんですかっ!?」


 ギロリと、とんでもない目で睨まれた。


「こういう時は、押すな押すなのパターンでしょう!? 渋々と言いながらも、本心では期待をして……いえっ、なんでもありません。とにかく、今から他のところを見つけるなんて難しいですし、なによりも、旅館の人たちがかわいそうですよ」

「えっと……まあ、それもそうだな」


 小声でミニ兄妹会議を終える。


 頭を下げる女将さんたちに向き直り、気にしないでください、というように手を振る。


「まあ、一部屋でいいですよ。気にしてませんから」

「それに、私たちは恋人なので♪ むしろ、同じ部屋の方がいいというものです」

「あら、そうなのですか?」

「はい♪」


 結衣が笑みを浮かべて、俺の腕に抱きついてきた。

 こんな時まで、恋人のフリを続けるなんて……プロ意識高いな。


 いや、なんのプロかって言われたら、それはそれで回答に困るんだけどね?


「あー……それで、部屋代の方なんですが……」

「私どもの不手際で、お客さまに大変な迷惑をかけてしまいました。もちろん、料金はいりません」

「いや、さすがにそれは悪いですって。一部屋分にしてくれれば、それでいいので」

「しかし……」

「タダにしてもらうと、気が引けてしまうので」

「……お客さまに、心より感謝いたします。ならばせめて、最大限のおもてなしをさせていただきます」

「えっと……はい。お願いします」


 ここら辺が落としどころかな?

 そう判断して、旅館側の申し出を受け入れた。


「では、お部屋に案内させていただきます」

「「お願いします」」




――――――――――


<結衣視点>



「わぁ……いい部屋ですね」


 案内された部屋は、古き良き旅館という感じの、趣のある和室でした。

 ちょっと独特な畳の匂いは、私は好きです。癒やされます。


「それに、眺めも抜群ですね」


 窓から外を見ると、雄大な山と、その間に広がる街が見えました。

 とても良い景色です。

 さっそく携帯を取り出して、カメラで……カシャ、っと。


「よいせ、っと」


 兄さんが、ちょっとおじさんくさい声をこぼしながら、座布団に座りました。

 でもでも、そんなところもかわいいです♪


「こんなところに泊まるなんて、お金、大丈夫なんですか?」

「大丈夫だよ。念のため、いくらか多めに持ってきてるし、部屋が一つになったからそれなりに浮いたし……一泊じゃなくて、二泊できるくらいの余裕はあるぞ」

「でしたら、二泊と言わず、ずっとここに泊まりましょう!」


 あ。

 ついつい本音がこぼれてしまいました。


「そんなにこの部屋が気に入ったのか? 結衣って、和室が好きだったんだなあ」


 私が好きなのは、『兄さんと一緒の部屋』ですよ?

 兄さんと一緒なら、どこでも構いません♪

 なにもなくても、むき出しのコンクリートの部屋でも、兄さんがいるだけで、そこは天国に変わりますからね。何泊でもOKですよ。


 あ、でもでも、何泊はやっぱり無理かもしれません。

 ずっと一緒にいたら、ドキドキしすぎて、私の心臓が保たないかもしれません。


 正直なところ、今でも、かなりドキドキしていますからね。

 兄さんと一緒の部屋……えへ♪

 うれしいトラブルです。


 兄さんと一緒の部屋でごはんを食べて、一緒に寝て……それでそれで、朝は私の方が先に起きて、兄さんの寝顔を眺めたりなんてして……きゃあきゃあ!


 でもでも、兄さんに起こしてもらう、というのも捨てがたいですね!

 優しく、それでいて甘い声で、そっと私の名前を呼んでもらい……えへ♪


 兄さんと一緒の部屋……とても夢が広がります。


「じゃあ、外に出るか?」

「はいっ♪」


 兄さんと一緒の旅行……すごく楽しみで、もう笑顔が抑えきれません。

 私はいっぱいの笑顔を浮かべながら、兄さんと一緒に外に出ました。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

まったり旅行回、その2です。

先日までシリアスだった分、イチャイチャを詰め込んでいます。

しばらく旅行回になります。

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