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ぼくの詩集

幻痛

作者: 桜井あんじ

ぼくの一部が欠けている

身体の一部が欠けている

あるべきものが欠けている

ぼくの一部が欠けている


欠けた部分が 痛むのだ!

無いはずなのに 痛むのだ!


それが何かは 分からない

欠けていることは 分かるのだけど

それが何かは 分からない


誰もが何かが欠けている

誰もが一部欠けている

あるはずのものが欠けている


君が これだけは大切だと 思っているもの それが

君の欠けた部分を 仮初に 埋めるもの


友人

恋人

家族

ねこ


仕事

地位

名誉

キャリア


貯金

保険

不動産

有価証券等


賞賛

尊敬

安全

平等


平和

幸福


君を必要な 誰か

君が必要な 誰か


僕らはみな 片輪なのだ

心の片隅の 身体のどこかの

欠けた部分を 埋めようとあがき

欠けた部分を 埋めてくれるものを

待ち侘びる事に 待ち倦み


それはこの世に存在しない

永久に埋まらぬ ぼくの 欠けた部分よ

恋い焦がれる その部分よ


欠けた部分がぼくの内部で

きゅうきゅうと音を立て 痛む

痛い 痛い 痛むのだ!

欠けた部分が 痛むのだ!


しかし あるいはただの 幻痛なのか

ぼくには もはや わからない

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