動き出した時間
俺は記憶の回想に酔いしれ、今思い返すとサクラとの抗争での自分自身は、特別なにかをしたわけではなく、存在価値がなかったように感じる。
俺には指命などなにもなかったんだ。
その後、約11年たったが、ともみとも、牧草が言っていたともみのお腹に宿した子供にも出会えていない。
時間がどんどん過ぎ、時間の流れがすべてを飲み込み、記憶という足跡が薄れていく。
牧草が死んだあとは、四国に陣とっていたサクラの構成員は中国と連合を組み、米国と小競り合いがあったものの、米国の軍事力の大きさを思い知り中国は本土に撤退、サクラの構成員は裁判にかけられた。
北海道に集中していた日本人は自ら立ち上がり、焼け野はらの本州を再構築しはじめた。工藤ヒロシの遺産は全額、日本復旧に当てられた。
アキラと阿久津は行方がわからず、生死が問われ、FBIが行方をおってるとのことだ。
完全にサクラ国はなくなった。
しかし国家ぐるみの抗争は根が深くサクラの構成員は現存し新しい日本の新国家の中心になっている。平和という言葉の
裏側には、黒い霧に覆われた社会がはこびっている。それが悪かどうかは誰も気づいていない。日本人の分別は力が正義。
誇りという名のおごり。
力のない俺はもう必要ない。
人は生もあれば死もある。
俺は死のう。死も人間の進化だ。
はやくこの世界から脱出し新しい世界に生きよう。
さて。もうすこしでが日が明ける。
俺は大量の睡眠薬を瓶を手に取った。
まぶたの重そうな目で携帯電話の時間を確認した。
携帯は赤く点滅し、着信履歴があったことを知らせている。それは国際電話のようだ。
確認していると同時に電話がなった。
「もしもし。」
声が遠く聞き取りにくい感じかした。
「あのー。村川ヒロシさんですか?」
「はい。」
「僕、村川雄太といいます。先日母のともみが亡くなりまして、遺書に
なたの事が書いてありまして。あのー。お父さん?」
俺は瞳孔が広がるくらい驚いた。そういえばともみとは正式な離婚の手続きはしていなく、今だに村川の姓を名乗っていた事が驚き以上に嬉しかった。
深く閉じたまぶたをゆっくり広げ、涙が頬へと流れた。
「うん。そうだよ。」
俺は震えた声で答えた。
「お母さんがね。お父さんに『ごめんなさい』って伝えてほしいって言われました。」
俺は泣きながら震えた声で頑張って答えた。
「おじさんね。昔の事で忘れちゃったけど。お母さんに『許す』って伝えて。」




