闘いの準備4
アキラが煙に巻かれるように我々から消えた後、我々はサクラの意思表示に国同士の闘いが避けられないと感じていた。それはアキラの口からでた脅しともとれる撤退要求。そして戦闘機二機による福岡の米軍基地への空爆。
もう戦争は避けられない。
新国家サクラ国との。
それは日本列島を構成する更なる小さな島国。
四国。
サムモーセレは俺と柿沼にいった。
「私はアメリカ本土に帰り、テロリストを壊滅させる策略を練ります。本土の指示も標的は四国に総攻撃をかけることになると思います。あなたたちは、孤島でサクラのリーダー牧草と会ってください。その島の場所は特定済です。ヘリで送ります。なんとかそこで、闘いの解決の糸口になれば良いのですが。ここ福岡の米軍基地の米軍達は本土からの指示がでるまでは待機させておきます。」
それから数日で火災がなくなり、一部崩壊された建物と黒焦げになった屋根がいまにも倒れてきそうな福岡ドームだけが無残にも残った。
俺は前途多難な先先を見据えながら佐々木の手帳をみていた。それは金庫の暗証番号のようなものがないかどうか。本人は分からないと言っていたもののそれがはたして本当なのか。俺の父親から中村に伝えた暗証番号とは。佐々木の手帳には息子の中村の写真がしおりのように挟まれており、中には日記のように今までのことが書き記されていた。俺は上から順に目を通していった。それらのほとんどは、すでに佐々木から聞いた事ばかりで驚く内容ではなかったが、1つだけ気になる内容があった。
3月20日 豊島死亡
その後、死亡偽り。
3月22日 豊島サクラから
逃亡。福岡米軍基
地にて存命。
俺は目を見開いた。
俺は立ち上がり、モーセレ柿沼を探した。
柿沼を見つけたと同時に。
「柿沼さん。以前俺達がここにくる結構前なんですけど、ここに豊島という日本人きませんでした?」
「どうしたの。いきなり。豊島さんなら、あそこのテントにいるわよ。」
絶句した。
俺は一歩一歩テントに歩みより、のれんをかき分けるようにテントの入口を開いた。
そこにいたのは、まぎれもなく、俺の窮地を二度助けてくれた忘れもしない豊島がいた。