第二部 牧草ともみ編 双子1
青森の夏は暑かった。
始めて人を殺したのは中学三年の夏。それは姉のみゆき。
私は姉の死体をバラバラに解体し血液が流れるのを風呂場でみていた。血と髪の毛が絡み合いながら風呂場の排水口に吸い込まれる。
姉のみゆきの死体をボストンバックにつめるためだ。
私はそのボストンバックを青森の山奥に捨てた。
『おやすみ。みゆき。』
みゆきとは双子の姉として幼い頃から一緒に過ごし、青森の山奥の大きな工場のような建物で私とみゆきは育った。 その建物はその当時は何に使っていた建物かわからなかったが、そこは母親の牧草由香里と父親の工藤ヒロシがつくった過激派組織サクラの構成員を育成する場所だった。それがわかった頃は高校に入学する頃だった。まぁ私としてはわかったところでそれが悪か正義かとは、幼い頃からのそこでみてきた環境の影響で、限りなく正義だと感じていた。それが悪だと私の鉄の信念にすきま風のよう息吹きを感じたのは、ある人と出会いからだ。
みゆきは私にいつも言っていた。『私はいつか、あなたを殺すわ。』
私もみゆきも共存か闘いかというと、闘いの方に身をおき、勝つか負けるか、生か死か、という考えが私達の中で成り立っていた。
その闘いに私は勝った。とうとうみゆきを殺した。
これからは私は誰と闘えばいいのか、という事にいなくなったみゆきに対して、痛烈な悲しみが襲い、自分自身には孤独感が襲った。
母親の由香里は、我慢できない涙を私の前で流し、『この事は誰にもいっちゃ駄目よ。』と、ねんをおされた。
その後は母親の計らいでその青森の建物から出され、東京に移り住み、私立の女子高に進んだ。
死んだみゆきは私の体の中に住み着き私に話しかける。
『殺せ。殺せ。殺せ。』
と。




