メッセージ2
生々しい事故の痕跡が残り、進入禁止のテープが一番ホームに張り巡らされ、事故の惨劇が吸い終えた煙草のように灰だけが残ってるようだった。
人々はなにもなかったように、俺の横を横切っていく。
俺は吉祥寺駅の近くのコンビニを探した。それは以外にもすぐみつかった。コンビニは通学中の学生で溢れ、バイトらしき人がレジをうっている。ガラス越しには、夢中で本を読む高校生が列をなし、電線にとまっているスズメのように友人達と笑っている。
俺はコンビニに入り、一周した。ここで中村達は集い計画を話し実行したかと思うとただならぬ雰囲気を感じるが、あくまでも俺の空想であり、そう思わなければ、 いたって普通のコンビニだった。俺は考えすぎと感じた。
そう思うと急にばかばかしく感じ、空想と現実の格差を実感した。
俺は諦め半分でトイレのドアを開け、便座にすわり用を足した。
顔を上げた俺の目の前のトイレの壁には、携帯電話の番号がかいてあった。
『Nへ 080××××××××』
よくある、落書きのようにかんじたが、Nという文字が俺の直感をくすぐり、俺はその番号をメモしトイレをでた。外にでた俺は、半信半疑でコンビニの前の公衆電話からその番号に電話した。
受話器越しに俺の耳にコール音が聞こえてくる。
緊張していた。
コールが長引くにつれ、俺の心臓の鼓動もはやくなる。コール音が消えた時。
「もしもし」
不安げな声がきこえてくる。若々しい女性の声が聞こえてくる。
「もしもし、どちら様ですか?」
それは、まぎれもなく中村の妹のみゆきの声だった。