仮面
佐々木は俺の携帯の中の豊島のメッセージが聞こえてないようだった。
俺は佐々木を信じるか?豊島を信じるか?わからなくなっていた。今の今まで信じていた人に裏切られ続けた俺にとっては、どちらも仮面のかぶった人ではない物のように感じていた。仮面の下は悪魔か神か。
「村川さん。どうしたのですか?」
佐々木が、携帯を握りしめ一点を見つめる俺に呼びかけた。
「佐々木さん。俺、ともみとともみのは母親の牧草さんともう一度会いたいのですが?」
「村川さん何いってるんですか。殺されますよ。豊島のように。」
「その豊島さんから俺の携帯にメッセージが入っていました。あの人は殺されていません。生きてます。佐々木さん僕をだましてませんか。」
暫く沈黙が続き、佐々木は口を開いた。
「そうなんですか?私も人ずてにきいた話なので。でも信じてください。私はあなたの味方であり、サクラを憎んでいます。」
「豊島さんの死のしらせはだれからききましたか。」
「私の同僚の阿久津という刑事です。」
「そうですか。その阿久津という男はサクラの手下かもしれません。とにかく豊島さんの生存が確認できましたので連絡をとってみます。」
「私を信じるかどうかは村川さんの勝手ですが。罠かもしれないので気をつけてください。」
佐々木の躊躇のない話し方は、嘘をついてるようには思えなかった。
「わかりました。とにかく一度豊島に連絡してみます。」
そういいながら、指で携帯の番号を押した。
数回のコールがなり豊島が電話にでた。
「もしもし。」
「村川です。豊島さんですか?留守番電話ききました。」
目の前にいる佐々木は口は閉じ目だけが大きく見開いていた。
「村川君。今どこにいるんだい?牧草総理も心配してる。しかも日本中テロが起こって大変なことになってる。それにそのテロ活動の首謀者は君ということになってる。一度総理にあったほうがいいよ。」
「そうですね。俺も御会いしたいと思ってたところです。」
「それなら話がはやい。迎えにいくよ。」
「お願いします。明日の正午、場所は埼玉の秩父。」
「今すぐ迎えにいきたいとこなんだけど、村川君がそういうんなら、その時間にいくよ。迎えにいく人間だけど、警察の阿久津って人だから。信用なる人だから安心して。」
俺は豊島の話のなかで阿久津という人の名前がでたのに驚いた。
そして佐々木と俺は携帯を耳にあてながら、見合わせた。
「はい。お待ちしてます。よろしくお願いします。」
そして携帯をきった。