破滅2
俺は豊島の死は自殺ではなく、サクラの人間に殺されたと感じた。
あの何度となく俺の命を助けてくれた人の死を聞くと、半分恐れていたテロ集団サクラを心底憎んだ。
それからは日がたつにつれ、毎日のように真っ赤に燃え上がるような空が続いた。テレビはとうとう写らなくなり、電話もつながらなくなった。ラジオだけが流れ日本の危機と赤裸々に報じていた。
俺の中では、ここでの生活は原始時代の何物何事にも左右されないような時間が止まったようだった。それは現実逃避し、南の島で一人でなに不自由ない生活を創造しているようだった。
しかしその生活は10日と続かなかった。
佐々木がきたのはあれから1週間後だった。
「村川さん。とうとう政府も日本をさじを投げました。各都道府県で爆発の犠牲者が拡大し、日本中、燃え上がる炎で国民は安住の地を探し回りパニックになっています。昨日牧草総理から発表がありまして。唯一爆発のない、四国と北海道に日本の減少した人口全てを押し入れ、本州は中国が治安維持し、九州はアメリカが治安維持するといったような実質的には日本の大部分が中国とアメリカの支配下になり、四国と北海道だけが日本国になったようなものです。しかも発表になる前から四国に移動する人が多く交通機関が西日本が完全にストップしています。多分四国に集まっているのはサクラの構成員がほとんどでしょう。残りの国民は四国に行けないとなると自と北海道に集まると私は思うんです。とりあえず、村川さん。ここも安心とは言えません。とにかく逃げましょう。」
「佐々木さん。あの鍵はどこの鍵かわかりました?」
佐々木は焦っていた。
「それがまだわかりません。それより逃げましょう。」
俺は実家の母親が心配で
携帯の電源をいれた。
俺の携帯に一件のメッセージが入っていた。
豊島だった。
そこには。
『村川君無事かい?俺はなんとか無事です。時間ないから簡単に話すよ。君に情報を流す人物は信用するな。鍵をあずけた人物が工藤ヒロシが死んだ後のサクラの実質的トップだ。サクラの黒幕だ。牧草総理は味方です。 』
メッセージの日付は3日前、俺は豊島が死んでないことに心底よろこんだ。
俺は目の前に立っている佐々木は薄ら笑いを浮かべていた。