メッセージ
中村の顔は目を閉じ、死を覚悟した顔みえた。机の上には妹のみゆきから渡された封筒の中身が広がり、俺はそのメモ書きのようなもの手にとった。
そこには、
『kse1001 cs near here 』
と大きな紙に一行だけかかれていた。中村はこれをわざと俺に教えるように机においてあり。その他のメモ書きはだれかに破棄されたか、中村自ら処理したかはわからないが、広がった封筒は他にも書類があったと物語る。俺はその用紙だけ手の中にクチャクチャにして、握りしめポケットに押し込んだ。
「村川君どうした?」
遅れてきた大家は、中村の部屋の情況をみて、電話に向かい走り出した。
俺は手にしたメモをみながら考えていた。中村は加害者のような気がする。何かの組織に属しており、その任務を忠実に遂行し、このメモは組織との伝達方法と俺は推測した。
警察がきたと同時に中村の部屋から追い出され、何人もの警官が代わりがわり入ってくる。
俺は外に出、目的なく歩いた。メモの『kse1001cs near here』とは。
俺は単純な発想で考えた。
k 吉祥寺
s ステーション(駅)
e explosion(爆発)
10 10時
01 1番線
『csだけが何をさすかわからない。何かしらの場所を指すのはわかるが。』
目的なく歩く俺の足は寮から遠ざかり、小道から小道へ向き、見知らね場所に迷い混ませる。
疲れた足と乾いた喉は、俺をコンビニに向かわせる。
『はっ』
俺はわかった。
csとは。
c convenience
s store
コンビニのことだ。
吉祥寺駅のもっとも近いコンビニのことだ。