相棒2
次の日も俺はいつものように学校の図書館にいた。ゴミ一つない図書館の床はワックスで輝き、室内の電球の光が反射している。
後ろからペンギンのような足音をさせながら、ともみが俺に近づいてきた。
「こんにちは。外は桜が満開よ。外にでない?」
俺は立ち上がり、ともみと外にでた。キャンパス内にある桜はどれも満開になっており、空一面に桜がおおいつくし、雪のように花びらが散っていた。
「きれいね。」
上を向きながらともみは言った。
俺とともみは並んでベンチに座り、桜の美しさに酔いしれた。
「こんな綺麗なものが、今は過激派組織の名称になってる。どう思う?」みゆきは俺に問いかけた。
俺は親父が建物の設計を熱心に毎日していたのを思い出した。一つ一つの材料にこだわりを持ち、図面に落とし、それをもとに何人もの人が何日もかけて建物をつくる。それをサクラは一瞬で破壊し、それを正義と呼ぶ。
「そうですね。ともみさんのお母さん達が名付けた頃は、それに相応しかったかもしれませんが、今となっては相応しくないと思います。僕の父は国をつくる仕事をしていました。工藤さんは国を壊すことをしています。相反した二人の中立的な存在が、みゆきさんのお母さんでなかったのではないしょうか。成長するにつれ三人が別々の方向に歩みだし、今のサクラになってしまったのかと僕は思います。」
俺は答えた。
「そうかも、しれないわね。それなら尚更、受け継がれた人達で終止符をうたなくちゃ。あなたと。私で。」
ともみは言った。
俺は父親の時計をしてる腕の拳を握りしめながら、
「そうですね。」
俺は言った。
「青森の秘密基地の場所突き止めたわ。数日後警察がその秘密基地に突入するわ。その情報もサクラはいち早く入手し、多分煙にまかれるわ。多分幹部の中に政界に内通してる人がいると思うの。だから、その数日の間に私とあなたでその秘密基地に潜入し内部を探るの。私はみゆきに成り済まし潜入するわ。サクラの幹部の工藤アキラは孤児で、施設で育ち、18になったときに、工藤が養子に迎えた男よ。工藤の実の血を受け継いでるのは工藤みゆきだけ。私と工藤みゆきの見分けはつかないわ。」
ともみは言った。
俺はともみの作戦に驚きの半面、ともみに便乗した。
「やりましょう。それはいつ?」
「明日、東京を発つわ。」




