同胞
俺は今までのこと全て牧草総理に話した。牧草総理は、真剣な眼差しで俺をみ、熱心に話を聞いてくれた。
「東京の爆破事件は、私が穏便に処理したわ。その他にもあなたは知らないと思うけど全国各地で六箇所での爆破事件があったわ。多分サクラの仕業。騒ぎをおおやけにしないのはね、この日本でテロが起こってると国民が知ったら、パニックを起こしたり、反サクラ運動がはじまると、更に事件が増え、人が死ぬからよ。今は加害者を逆なでしないでおいたほうが得策。それにサクラは今となっては巨大になりすぎてるの。国内は約500人のテロリストがいるわ。更に海外には300人近くのテロリストが散らばっている。始めは工藤とあなたのお父さんと私だけだったのに。サクラという名前も三人で笑いながらつけたの覚えているわ。工藤は今やFBIに国際指名手配されてるわ。世界中のテロリストに武器を売りさばいてる。米国では工藤の金は日本の財政を建て直し、軍事力強化に仕様されてると思ってるわ。そう思われてもしょうがないわ。政治家の殆どは裏で工藤から闇献金を受け取ってるから。ここで米国の主要都市で爆発事件が起こってみなさい。日米安保が切れ一気に戦争になるわ。工藤をとめないと大変なことになる。」
俺はうなずいた。
みゆきが爆発をみながら笑う顔を思い出した。真っ暗な闇が彼女の体を構成し、汚れた人間。
「僕に何かできること、ありますか?」
「日本は戦後にはね、いく宛もない孤児が1300人にもいたの。路上で眠り、闇市でものごいし、死んでいく孤児もいたわ。もうそういう子供達をみたくないわ。村川君力を貸してほしい。」
俺は顔をあげ、牧草総理の目をみてこたえた。
「はい。でも僕はサクラに入らないかと言われてる立場です。逆に言えばサクラにマークされてる存在です。力になれるでしょうか?」
「村川君はサクラに入り込み、情報を探ってほしいの。あなたは工藤にも信用されてるようだし、適任だわ。でもそれをするには、あなた自信にとって相当な覚悟が必要よ。状況によってはあなたの命を落とす恐れがある。私はね。 あなたのお父さんが作った組織をあなたが幕を下ろしてほしいの。その覚悟はある?」
俺は足が震えた。自分の命の重さなんか正直わからない。死ぬということを考えたことがない。
自分の生きるテーマも、まだ決まっていない。
俺は数分考え話した。
「はい。覚悟できてます。僕はこの国で生きるために覚悟をきめました。僕は死にません。」