表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/8

第1話 プロローグ

とある高等学校の昼休み。

2年3組の教室に俺は友達と一緒に弁当を食べていた。


「こ、これは美味い。美味いぞーー!」

「どこの料理漫画だ。ただの卵焼きだろうが。」

「バカ野郎! こんのバカ野郎! 焼き加減、味付け完璧だろうが。食ってみろ!」

「何でバカ野郎って2回言った。阿呆が。」


目の前で座っている友達は呆れるような表情をした。

この卵焼きは絶品なんだぞう。


弁当を食べ終えると、友達がトイレに行っている間に日記帳を取りだす。


『異世界旅日記』と書かれたそれは、1年前、俺が異世界に行っていた頃の日々が綴られている。





それは、ある日の下校途中に突然起こった。

まるで、ネット小説の冒険物語と同じように異世界へと召喚されたのだ。

天才と呼ばれる様な人物たちとは全く違う非凡な俺。そんな俺でも異世界では異常な力を持ち、初めはそこそこだったが次第に成りあがっていく。


この異世界では本当に魔王が『世界の敵』であり、魔族と一部の悪人達(人間・獣人・エルフなどから)と共に世界を自分たちだけの物にしようとしていた。


世界に冷遇されていたのならわからないでもないが、そんなことはなかった。

ただの悪だった。


元の世界へと戻る方法はないと、国王に言われたが俺は世界を旅しながら探した。

その過程で召喚された理由の魔王たちを倒したが、それは些細なことだ。

俺は帰りたかったのだ。


確かに魔法や剣の世界に憧れが無かったと言えば嘘になるが、そんなものゲームや小説・漫画の中だけでよかった。


生死の狭間を何度も味わった。

人を殺す苦しみを知った。

仲間を失う怖さと悲しみを感じた。

裏切られ絶望した。


異世界では3年近くいたが、そんな事ばかりだ。


良い部分がなかったとまでは言わない。

一部の住民やとあるお城の御姫様からは敬愛されていたようだ。

だが、それでも俺は元の世界で暮らす事を望んだ。



魔王を倒した後、国の陰謀やら何やらと巻き込まれそうになったが、逃げた。超逃げた。城の中で。

最後まで見つからなかった。灯台下暗しとはよく言ったものである。


結果、召喚された時に使われた魔方陣を弄繰り回し、元の世界へと戻ることができた。

戻った時には瀕死だったが。


どうも、本当ならできないことを勇者の力でごり押したため、そうなったらしい。今では勇者としての力も無くなっている。


時間軸では俺が召喚された下校途中に戻ることができた。

その際、傷だらけ瀕死な姿で見つけられ大きな事件としてニュースになった。





そして現在、俺は元の世界で日々楽しく生きている。


以前はそこまで興味がなかった勉強にも部活にも興味が湧き、楽しめている。

趣味で料理も始めているが、まだまだ友達には勝てない。

さっき食べた卵焼きは友達のだ。


俺はこの世界で生まれてよかった。

家族も友達にも恵まれて嬉しいし、食事も美味いものばかりでいい。


だから、もう2度と異世界には行きたくなどない。



「何をやってんだ、お前。」

「幸せをかみしめてるのさ。」



神父の如く両手を合わせていると帰ってきた友達とまた話をする。


あぁ楽しい。

本当、帰ってきて良かった!



そしてその日の放課後。

クラス単位で異世界へと転移されていた。


ちきしょーーーーーーーーー!!



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


これは、異世界召還に巻き込まれる、山田やまだ 浩太こうたの物語。


彼の『異世界旅日記』はまだまだ終わりそうになかった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ