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如何にしてトマトサンドは20万を失ったかwwwww (ラスベガス・カジノ奮闘記)

 ラスベガス旅行:日程 6月13日~6月18日

 目的:4日間カジノしまくろうぜ!

 参加者:トマトサンド/コタロー(会社社長)/コタローJr.(息子)

 持参金:トマトサンド 15万円+5万円(もしもの時の命金)

     コタロー   60万円+10万円(お土産、食事代もろもろ)

     コタローJr.  30万円(パチンコで稼いだあぶく銭)


 6月13日(木曜日)晴れ

 台風3号が太平洋沖で温帯低気圧に変わったこの日、トマトサンド以下3名は去年から計画していたラスベガス旅行に行くべく、12時にコタロー自宅前に集合した。

 これから行く久しぶりの海外旅行に、3人とも如何に勝って帰るかと言う妄想を垂れ流しながら機嫌よく関西国際空港へと向かう。当日は前日までの台風が消えてなくなってしまっていたので、飛行機が欠航する心配もないと喜んでいたのだが……。実際空港にいってみると、自分たちが乗る飛行機の到着が遅れていたため、結局5時間遅れの19時出発となった。

 あと1時間遅れてくれれば、遅延損害貰えたのにと半分本気で悔しがってみる。ま、でても数万円の話なんだけどねー(笑)

 飛行機の道中はそれほど問題も無く、快適にサンフランシスコ空港に到着し国内線に乗り換えて、一路ラスベガスへと向かう。

 ラスベガスに到着したのが現地時間で13日の夕方5時。空港の中においてあるスロットを横目にみつつ、そこから宿泊ホテルであるサーカス・サーカスへとタクシーで向かった。

 そんでチェックインして、コタロー親子とトマトサンドそれぞれの部屋へと荷物を置きに行く。流石にラスベガスで比較的チープなホテルだけあって、ポーターが居なくて自力で荷物を持って移動。だだっ広いカジノの中を突っ切り、おみやげ物屋やレストラン街を抜けてSkytowerの12階へと向かう。部屋は20畳くらいの広さで、クイーンサイズのベッドが2つ置いてある。自分はタバコを吸わないんだけど、コタロー親子がタバコを吸うので、自分も喫煙可の部屋をとった。取ったは良かったんだけど、部屋中がタバコ臭くて息をするだけで喉が痛くなるレベルだった。コタローと近い部屋がいいかと思って、軽い気持ちで喫煙室にしたのは失敗だったなぁと後悔(笑)

 荷物の整理もそこそこに、まずは食事を取ろうということで、1階にあるステーキハウス(名前忘れたw)に向かう。そこでステーキを頼んだら、27cmくらいの大きさと、厚さ5cmくらいあるステーキが出てきた。最初に出てきたパンは割りと美味しかった。肝心の肉はというとコタロー親子はグルメなので不満たらたらだった。トマトサンド的には、留学してた時に慣れた味なのでなんの不満もなかったんだけどね。食費3人で$250。

 

 さて、腹ごしらえも終わったので、小手調べとばかりに3人でバカラのテーブルへと向かう。バカラというゲームは、プレイヤーとバンカーという2人の架空のプレイヤーの勝負にベットするというゲームである。アジア人に大人気であるけれど、欧米人にはとことん不人気のゲーム。でも勝ちか負けかの1/2の確立勝負なので、慣れれば割と簡単に楽しめるゲームだと思う。

 トマトサンドの軍資金は$1500。一気に使ったら残り3日間何も出来なくなるので、とりあえず$200だけ$5チップに換えて勝負を始める。ファーストラックというのかなんというのか、この日のトマトサンドはツキにツイてて、1円も減らすことなく$1000まで増やして終了。コタローとコタローJr.はこの時点で結構負けていたらしい。


6月14日(金曜日)

朝9時に目が覚めたトマトサンド。シャワーを浴びて朝食を取るために2階へと向かう。ちなみにシャワーの温度調節がよく分からずちょっと素っ裸で悩んでいたのはご愛嬌。

 フリーミールのチケットがあったので使える店を順に見て廻るも、しけたパンとドリンク、フルーツのみの提供みたいだった。パン食派じゃないトマトサンドとしては、そんな朝食は嫌だとビュッフェ形式の朝食を提供してくれるレストランへと入った。朝食代$17。タケェなぁとぼやきながら、スクランブルエッグ、ウィンナー、ベーコン、トースト、マッシュポテトを皿に乗せ、オレンジジュースで流し込む。格好つけた表現じゃなく、文字通り流し込む。美味しくないからね。アメリカ人て人種は腹さえ膨れれば、味にはそれほど拘らないので、日本人の口にあう料理ってなかなか少ない。もちろん、留学経験があるので、そんな朝食でもめげないトマトサンドである。しかし、ブランクが長かったせいもあるのか、脂っこい朝食のおかげでおなかが緩くなってしまった。まぁ、これも予想の範囲内。ちゃんと胃薬も用意していたのでなんの問題も無い。


 朝食後、直ぐにバカラテーブルへと意気揚々と向かうも、ディーラーが出勤してなくてClosed。仕方が無いのでルーレットで$100と限定して遊んでいると、12時くらいになってコタロー達がカジノに下りてきた。今日どうすると相談し、違うカジノで遊ぼうということで、MGMに向かってタクシーで移動。一般的なアメリカ人が集まるサーカス・サーカスとは違って、MGMになると客層がぐっとランクUPされる。身なりの小奇麗なアメリカ人、外国人が多く、もちろんホテルの設備も綺麗である。間違っても黒ずんだカーペットなんて使用していないし、メンテナンスもちゃんとやっているみたいだった。


 当然、3人はバカラテーブルを探して館内をうろうろ彷徨い、ようやく壁で仕切られた一角へとたどり着く。高額レートが主に集まる場所である。バカラテーブルもちゃんとあった。テーブルの上に置いてあるレートを見てみると、最低ベットが$25だった。ちなみにサーカス・サーカスでは$10である。他のテーブルは$100とか$500がミニマムベットだった。そんな勝負は当然出来るはずも無いので、$25のテーブルに座る。

そこでトマトサンドは$600の負け。コタローもコタローJr.もこの時点で軍資金をほぼ使い切る体たらく。一人勝っているトマトサンドは意気揚々とサーカス・サーカスへと戻る。


 時間も夕食時になったので、サンドイッチやホットドック、手羽先、元を食わせてくれるグリルにて夕食。チキン全体に絡めてあるBBQソースがめちゃめちゃくどいとコタロー苦笑。サワークリームに付けて食べてみればとトマトサンドが進めるので、興味本位で実行。「二度と食わん。というか、サワークリームを付けている意味がわからん」と憤慨しつつも、全員完食。コタローをそそのかしたトマトサンドは、もちろんサワークリームなど見向きもせず無難な味つけで夕食を終えている。


 さて、夕食も終わったしバカラテーブルもあいているだろうと思い、カジノへと繰り出す。予想通りテーブルはガラガラ。3人でゲームを始めた。前日同様、無駄に付き捲るトマトサンド。MGMで負けていた分を取り戻して$1000勝ち。お土産代として持ってきていたお金に手をつけているコタローも絶好調。前日の負けを結構な勢いで取り戻していたのだが……。ここに来て悪夢のシナリオが始まったwwww


 バカラはプレイヤーとバンカーの勝ち負けにベットするゲームである。当然確立は1/2なのだが、時にバンカーが7連続で勝ったりするときがある。そういうのって順目でかけていけば割と儲かるのだが、逆目にかけて行くととんでもない大損を食らう。だが、確立から言ってそんなに連荘するわけも無いので、当然倍々で逆張りをしていけば、資金が続く限り負けは無い理屈。

 トマトサンドの手の中には勝ち分の$1000と軍資金の$1500の合わせて$2500がある。当然に負けるはずが無いのだ。最初は$25、次は$50。その次は$100と掛けてゆくのだけれど、ずっと逆目ばかりがつづいて負けが込んでくる。掛け金が$400になった時点で当然$375の負けが出ている理屈である。4連続プレイヤー勝利が続いている。その前に3連勝していたので、プレイヤーは実に7連勝しているわけである。

「8連勝目は今まで無かった!!」過去の傾向から、その結論に達したトマトサンドは、祈る気持ちで$400を掛けた。テーブルの上でゆっくりと表替えされるプレイヤーの手札。Qと7だ。勝負としては結構いい手札である。もちろん逆目であるバンカーに掛けているトマトサンドには嬉しくない手札である。

 今度はバンカーの手札がオープンにされる。一枚目、6。不安と焦燥でおなかが痛くなる。相手の7に勝には、2か3しか無いのである。絵札もAもトマトサンドにとっては意味は無いのだ。祈るようにして2枚目のカードを見つめる。ゆっくりとオープンにされてゆくカード。テーブルとカードの隙間を覗き込むようにして見えた柄は……Q。絵札だ。

プレイヤーの勝ちである。つまりはトマトサンドが$800を一瞬にして失った瞬間である。脱糞ものである。

 流石に倍掛けの$800を張る勇気も無かったので、一旦ここで損切する。損切した次の回でバンカーが勝った。$800掛けていれば勝ち分は戻せたはずであるが、所詮たらればの話。掛けていればその$800も失っていたかもしれないのだ。そう考えたら資金を1円も使っていないこの状況でそこまで熱くなることもない。そう思っての損切なので、仕方が無いとあきらめる。その後$200ドルで何とか負け分を取り返そうとしたけれど、逆目、逆目と張ってしまって$200も溶けてしまった。

 落胆しつつ、部屋に帰る途中で水とお菓子を購入。しめて$7。本日の成果はマイナス$7となった。



 6月15日(土曜日)

 朝、目が覚める。昨日遅くまでプレイしてたけど、時差もあってか朝6時位に目が覚める。二度寝したけどそれでも8時には完全に目が冴えた。仕方が無いので無料朝食チケットを握り締め部屋を出る。

 チケットに書いてあるレストランやカフェに向かうと、どうやらベーグルとジュースにゆで卵というメニューだった。なんかメニューの内容に悲しくなったので、ビュッフェに行って朝食バイキング($16)を食す。カリッカリのベーコンとスクランブルエッグ、チキンとシリアル、フルーツ山盛りをオレンジジュースで流し込む。ま、食えれば文句は無い人である。

 朝食を終えたら、その足でカジノフロアを見てまわる。まだ午前中ということもあってほとんどのテーブルは閉まってた。ブラックジャックやポーカーは勝てる気がしないので寄り付きもしない。コタロー達が今日をどう過ごしたいのか分からないので、起きて来るまで時間を潰すためにルーレットをすることにした。

 100ドル札をディーラーに渡してチップに交換する。1枚50セントのチップで、ミニマムベット(最低賭金)3ドルである。とりあえずちまちまと賭けて時間を潰す。もともと勝とうという気がなかったので、増えたり減ったりを繰り返して最終的には200ドル負け。その頃にはコタローとその息子がフロアに来てうろうろしてた。

 今日どうする? てな感じでいろいろ話してたら、やっぱりとりあえずバカラしようって話になった。が、肝心のテーブルは開いていない。仕方ないからそこの責任者っぽい人に声かけたら、12時からディーラーが出勤してくるって事だったので、大人しくディーラーの居ないテーブルに腰掛けてた。遠巻きにあいつらどんだけ~っていう従業員の視線が心地よかった。

 12時になるとディーラーが来て、ゲーム開始。資金に余裕のある俺は、300ドルを5ドルチップに替えてゲームに望む。最初は様子見で賭けずに場の流れを観察する。最初はプレイヤーが勝った。次はバンカー。淡々と賭け手の居ないゲームが続いて、プレイヤーが4回続いたころ、コタローと俺が同時に動いた。逆張りである。最初は5ドルから。ディーラーがカードを淡々とオープンにすると、またプレイヤーの勝ちである。予想の範囲内なので、そのままバンカーに10ドルを置く。今度はバンカーが勝った。10ドルの支払い。さっきの負けと合わせて5ドルの勝ちになる。

 その方法でちまちまと勝ち分を貯めていく。そうやって勝ちが200ドルを越える辺りで賭ける金額を増やした。5ドルから10ドル、場をみて25ドルとか。そうすると流れに乗ってると勝ち金が倍々で増えていく。100ドルが200ドル、200ドルが400ドルになり、気が付くと昨日と同じく1000ドルくらい勝ってた。コタローはというと賭け方が豪快な分、勝つ時は凄い勢いで勝つのだが、負ける時は脱糞しそうなくらいの勢いでお金が無くなってゆく。その時点でコタロー親子は軍資金のほとんどを使い切っている状況だった。ふふふふ、奴はルーザー(負け犬)だ。

 3時過ぎた頃だろうか。フロアが急にざわつき始める。どうやら団体様がお着きになったようだ。アイヤー、アイヤーと煩い。当然バカラ好きな中国人だから、3人で楽しんでいたテーブルを取り囲むように集まってきた。若い兄ちゃんと可愛いめの姉ちゃんだった。どうやら二人は俺を同胞と思ったらしくしきりに中国語で話しかけてきてくれるのだが、さっぱり分からない。申し訳ないが、俺は日本人なのですよ。中国系のディーラーが、姉ちゃん達が俺が日本人であることが信じられないと言っていると通訳してくれる。……そういや以前はインドネシアあたりの人と間違えられた記憶があるわorz。ちなみにアメリカ本土に来ようというような中国人は、エリート中のエリート、富豪中の大富豪である。生半可な中国人は渡米すら夢のまた夢なのである。ま、余談ではあるが。まぁ、尖閣のことなんかもあって特亜の人間は嫌いな自分ではあるけれど、個人的に報復する理由などないので、愛想よく同じテーブルでバカラを楽しむ。この瞬間だけは同朋……とまでは言わないが、同じゲームを楽しむ同好の志である。

 そんな感じで俺が調子に乗り、コタローはお土産用のお金をチップに変えて負けを取り返そうとしていた、その時ゲームが動いたのだ。場はランダムにプレイヤー、バンカーと勝ち目を変えて予測が付きにくく、順調に資金を減らしていたトマトサンドとコタロー。ディーラーがカードをオープンするたびにプレイヤーが続いたのだ。その回数、なんと6回。経験上、どんなに伸びても同じサイドで勝ちが10回以上続くことは無い。7,8回でプレイヤーからバンカーに変わることが多かった。だからどんなに伸びても4回以上はつづかないと確信したのだ。手持ちの軍資金は25ドルスタートの倍々ゲームにしたとしても余裕はある。勝てば、それまでの負けも全てチャラになるのだから勝負しない道理は無い。

 初回は25ドルをバンカーに。ゲームはプレイヤーの勝ち。2回目は50ドルをバンカーへ。ゲームはプレイヤーが勝った。そろそろ汐目がが変わるはずと思い、100ドルをバンカーに賭けた。結果はプレイヤーだった。9回連続でプレイヤーか。今の時点でつぎ込んだ資金が175ドル。次は200ドル。それが駄目なら400ドル賭けなければならない。400ドルまで行って負けたら、775ドルの負けになる。今日の勝ち分のほとんどが吹っ飛んでしまう。だが、勝てば問題ないのだ。幸いに朝負けた200ドルを足したところで、振り出しに戻っただけである。軍資金の1500ドルは手付かずの状態なのだ。

 俺は首からぶら下げた巾着の中にある500ドルと10万円の上に手を置いて、負けるはずの無いゲームを再開する。資金は十全にある。どんなに伸びてもあと3回も伸びるはずが無い。俺は意気込んで200ドルを場に押し出す。ディーラーがにやりと笑って、グッドラックと言葉をかけてくれる。もちろん、俺は無言のサムズアップで返答した。カードオープン。プレイヤーの勝ち。すぐさま400ドルを場に叩きつける。まだだ。まだいける! これが駄目でもあと1回賭けられる!!

 カードケースからすべる様にテーブルの上に並べられるトランプカード。その数4枚。まず、プレイヤーが開かれる。絵札と4。微妙なカードだが、4以下になるほうが難しいのでとりあえずよしとしておく。バンカー側のカードがゆっくりとオープンになってゆく。一枚目は絵札だ。問題ない。次のカードがゆっくりとめくられる。絵札である。絶句。ただ絶句。だが、まだ勝負は決まっていない。次のカードでプレイヤーがバーストするかも知れないし、こっちが9を引く可能性だってある。

 ディーラーがゆっくりと追加のカードを引く。プレイヤーカードは3で、トータル7である。これは強敵だ。そしてまたゆっくりとバンカーカードが引かれる。頼む、7,8,9来てくれ!! 心の中でそう祈りながら、ゆっくりとめくられるカードを凝視する。表返ったカードはなんと絵札。0である。ブダである。発狂ものである。

 プレイヤーが11回続いている。流石に12回は無い。800ドルを賭けるべきかどうか。嫌な予感がするが、ここで降りたら負けたという事実しか残らない。俺は意を決して500ドルをテーブルに叩きつけ全てチップに変え、足りないチップはコタローとその息子のチップを奪い取って800ドルにし、それを全部バンカーに賭けた!! 

「俺の生き様をみろ!!!!」

 ちびちび賭けていた中国人が、800ドルも一気に賭けた俺を、半分尊敬、半分失笑といった感じで笑っていた。大丈夫! 俺は勝って故郷に錦を飾るのだ!!

 結果、プレイヤーの勝ち。

 一瞬にして負け犬になってしまった俺。ふらふらと座席から離れ、床に這いつくばって嘆きの咆哮を上げるしかなかった。だがしかし、まだ勝負は終わっていない。俺の胸にはまだ10万円が残ってる。これをドルに換金すれば、まだ戦える!!

 重い足を引きづりながらコタローにドル交換を申し入れるも、やつもオケラ寸前。仕方が無いのでキャッシャーに向かう。早くしないとバンカーに勝ちが移ってしまう。俺は足早に両替に向かい300ドル分を換金して、テーブルに向かう。すると向こうからコタロー親子が憮然とした顔でこちらにやってくるではないか。

「どうしたん?」

「撤収や、撤収。こらあかん」

 半分切れ気味にコタローが言うので、何が起こったのかとテーブルの上の戦績表をみた。プレイヤーが14連荘してた。なんぞこれ。俺の持ち金では到底しのぎ切れるはずも無い。一気に800ドル負けにまで落ち込んだ俺は、そのままコタロー達と晩御飯へと向かった。


 今さらっと晩御飯といったが、12時からスタートして気づいたらもう夜の8時とか一体どこのキングクリムゾンなのかと言いたくなった。とりあえず、旨いもん食おうということでステーキハウスに突撃する。お店はカントリー調の雰囲気のあるお店。通路を奥に入っていくと調理場があって、グリルの上で巨大な肉の塊を焼いていた。ステーキのドンなんかでみる肉の5倍くらいのボリュームである。負けた辛気臭い空気も、それをみたら一瞬で吹っ飛んだ。ステーキを頼んだら、やっぱりでかくてゴムを食べてるような気がする肉だったが、俺は非常に満足した。コタローは美食家なので、あんまり大味な肉は好みじゃないみたいだったけど。でもアメリカに来たからにはこれは食って帰らないとって言ってたし、そこそこ満足したみたいだ。


 その日は、コタローたちが部屋に戻ったのを尻目に、俺は夜中の2時くらいまでしこしことバカラをやってた。もちろん結果は負けを増やしただけだった。



 次の日の朝、12時くらいに起きた俺たちはホテルの中にあるマクドナルドを食べながら、ホテル内でやってた空中ブランコを鑑賞してた。ちなみにバーガーの大きさは日本とそんな変わらなかった。以前は日本と比べると大きかった気がするのだが……。ただ、ドリンクだけはやっぱ凄かった。飲み放題だよ、飲み放題。日本のマクドじゃ考えられんよな。昼ごはんを食べ終わったら、また性懲りも無くバカラをやりに一階に下りる。こっからは特筆することも無く順調に負け続ける。俺は途中で眠くなったので部屋に戻って寝なおした。夕方になってコタローから連絡があって、お金も無いので観光しに行こうってことになった。ミラージュやトレジャーアイランドがあるメイン通りに行くと、道路沿いに火山のアトラクションや噴水のショーなんかがあった。あのオーシャンズイレブンのラストの場所な! 客引きのバニーガールを遠くから写真とったり(近くで撮ると金をとられそうw)、余所のホテルのカジノでまた負けたりしてラスベガスを楽しんだ。


 晩御飯はやっぱりホテルに帰ってきてステーキハウスで食べようって話になったんだが、時間が遅かったので違うレストランに突撃する。そこで笑激のディナープレートと遭遇してしまった。とりあえず最後の晩餐(笑)だから、心置きなく食べようってことで羊のリブ、フルサイズってのがあったのでそれを頼んだ。そうしたらキーボードサイズの骨付きのばら肉がバーベキューソースたっぷりで出てきた。腹筋が崩壊してしまった。正直、アメリカに短くない時間住んでいたが、こんな肉の固まりを1人前で出されたのは初めてだ。こんなの反則である。


 さて、腹ごしらえも済んだので、明日の朝の出発までどうやって過ごすかという話になった。まぁ、もちろん、カジノしかすることはないのだがww。だが、すでにコタロー親子はすかんぴん。俺ももう残り3万円しかない。その虎の子の三万円をだして、一人1万円づつ配る。これで明日の朝まで粘るのだ。

 TVゲームのルーレットで25セントづつちびちびと賭けるプレイで夜中の3時くらいまで頑張ったが、全て飲み込まれた。財布の中には日本円で3000円と小銭が少々。まぁ、あとは飛行機にのって帰るだけなので、持ち金は無くても平気だったんだけど。しかし、男3人あつまって、財布の中身を確認し有って残金が3000円とか笑うしかなかった。

 コタロー親子が合計100万。俺が20万負けで合計120万円の損失であった。だが、こんな馬鹿なお金の使い方もたまにはいいもんだと思った。何より今思い返しても笑いが込み上げてくるのだ。本当に楽しかったカジノ三昧のアメリカ旅行だった。


                                お・し・ま・い


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― 新着の感想 ―
[良い点] なんとなく見つけて読んでしまいました。 見てみるだけのつもりが、最後まで読んでしまいました。 えと、これ実話ですよね? [一言] 勝手ながら、お気に入り登録させて頂きます。
[一言] おつかれでした!
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