エピローグ
ということで、最終話ということになりました。
あれ・・・嫁げたんだろうか・・・とりあえず、こんな感じになりました。
目が覚めて、隣りで寝てる王子を起こさないように気をつけながら、俺は外に出た。ようやく朝日が地平線から顔を出そうとしている時である。やや肌寒さを感じながら、中庭にでる。湿った空気を吸い込みつつ、朝焼けの空を仰ぎ見る。遠くで渡り鳥がなく声が聞こえる。静かだな・・・と思う。
「いいとこあんだよな・・・・ここも・・・あいつも・・・。」
顔を出した太陽にセリアはそっと微笑みかけた。
「お前気遣いとかできねーやつだよな。」
「うっ・・・起きてたんだ・・・。」
クロウがニヤケながら城のほうから歩いてきた。
「お前が重いからベットがきしんだ。」
「重くないし!!」
「今日はやけに早起きじゃねーか。いつも昼近くになってようやく起こされるのに。」
「なんか目が覚めた。ただそれだけ。」
「あっそ。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・なぁ、一つ聞きたいことあんだけど。」
「何?」
「あの時、お前がアロウのために力を使おうとした時、最後になんかつぶやいてたけど・・・なんて言ってたんだ?」
「え・・・・・・あっ!!・・・・・それは・・・・・・・言わなくてもよくね・・・もうべつに・・・。」
「めっちゃ気になるから言え。」
「すっげー命令口調。」
「で、なんていってたんだよ?」
「・・・・・・・お・・・・・。」
「お?」
「っ・・・・お前になら嫁いでやってもいいって思いはじめたのにな!!っていったんだよ!!どうだ満足かこのや・・・・!!?」
クロウに抱きつかれ、セリアはそこで口をつぐんだ。でも・・・やっぱりどこか嫌じゃなくてそれどころかあったかくて、気づくとセリアもクロウの背中に手をまわしてた。
「俺に惚れたって素直に言えねーの?」
「ナルシが!!どんだけ自分に自信あんだよ!!」
「お前よりはまし。」
「お前絶対姫とか嫁ぎにこねーよ。性格超悪い。ぜってー女に嫌われる。これ断言できる!」
「お前みたいなモノ好きじゃなきゃな!!」
「それはどういう意味だ!!離せ馬鹿王子!!」
「悔しかったら抜け出してみろ、姫様。」
「誰が姫だこの野郎!!」
その日の午後。俺はシキと久々に再会した。あれからあったことは一応すべて話した。
「そんなことあったんだ。全然知らなかったんだけど?」
「ごめん、なかなか連絡入れらんなくてさ。」
「ていうか・・・やっぱ嫁ぐの?」
「ぶっ!!おま・・・そう唐突に聞くなよ・・・・。」
「やっぱ一番そこが気になる。」
一応、片思いしてたんだし。いや、現在も継続中だけど。
「うーん・・・かもしんないかな。ここに嫁いでもいいかなぁって、思い始めちゃった。」
そっか・・・やっぱあの王子を選ぶんだ。なんか悔しいな。俺十年以上の付き合いなのに、たった数カ月一緒にいただけの男にとられるなんてなぁ・・・。こうなるんだったら、もっと前からアプローチしてればよかった。ああ・・・なんか泣きそう。
「つっても、結婚とかまだ無理だけど。」
「え・・・なんで?」
「いや・・・なんとなくだけどさ・・・まだ会ってそんなたってないし・・・・そんなすぐに結婚しなくてもいいかなぁって・・・・。」
「ふーん・・・・。」
そんなこと言ったら、横からかっさらってもいい?
「なぁ、前にも聞いたかもしんないけど・・・。俺が此処嫁いでも、今までみたいに、仲良くしてくれるか?」
それって俺がお前と絶交でもするみたいな言い方だね。
「当たり前じゃん。俺は、たとえセリアが此処のくそ・・・じゃなかった王子に嫁いでも、幼馴染っていうのは変わんないもん。」
「今くそ王子って言おうとしてなかったか?」
「あ、クロウ。」
「つか俺に茶菓子を用意させるとはいい度胸してるじゃねーか。」
いらいらしながらも、クロウは持ってきた焼き菓子をテーブルの上に置いた。
「ありがとうございます。クロウさん。」
「つか、くそ王子って言おうと・・・・「してないですってねー。」その顔なんかむかつく。」
「二人とも仲良くしろよ。なんでそんななか悪いんだよ。」
((お前だけだよ、気がついてないのは!!俺達なんかライバル的意識芽生えたの!!))
「セリア、もし結婚してこの王子と夫婦喧嘩でもしたら、遠慮なく俺のとこ来ていいからね。愛情いっぱい慰めてあげるから。」
「へ?」
「てめぇ、何狙ってやがる!!」
「隙あらば奥さんはいただきます。」
「てめぇにはやんねーよ!!」
なんか火花散ってます・・・・・・。
「ん・・・このマドレーヌうまい。」
セリアはそんなことつゆ知らず、クロウが持ってきた焼き菓子に夢中になっていたとさ。
この半年後、彼は正式に嫁ぐことになる。
嫁ぎ先はもちろん
「マジで結婚することになるなんて思わなかった。」
「うれしすぎるだろ?」
「・・・・・・・・・・・・・・ひとりでいってろ。」
「な、俺赤ちゃんほしい。」
「生物学的に無理。」
「じゃ、子作りしたい。」
「・・・・・え・・・・それさっき言ってたのと何が違う?」
「さっきのは子供ほしいってやつ、今のはやらせろって意味。」
「なにいってんのこいつ!!昼間っからお前の脳みそどうなってんだ!!」
「さて、俺の部屋に戻るか。」
「ちょ・・・まじ無理・・・・はなせええええええええええええええええええええええ!!」
彼らの新婚生活は、まだまだ始まったばかりなのだった。
「え、俺のこと助けてくれないのかよ!!!!!!!!!!!!」
セリアの貞操の安否は・・・・・誰も知らない。
ということで、最終的に無事嫁げました。
そして無事完結で来ました。
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