表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
嫁いだ王子様  作者: 朝比奈 黎兎
第三章  加護
20/23

第十九話   過去の悲劇

今度はセリアとクロウの話です。


クロウ視点ぎみ。


白い空間に、俺は気がついたらいた。そして目の前にはうつろな目をしたセリアがいる。


ここどこだ?



「おい、セリア・・・。」

「死ねなかった・・・・・・・。また俺・・・死ねなかった。」


そう呟くセリアの顔はひどく険しい。何言ってるのかわからない。死ねなかったって・・・死ぬ気だったのかよ?


「死んでいいはずの俺が・・・・なんでまだ生きてんだよ・・・・。」

「お前が死んでいいはずの人間なわけないだろう?」

「クロウは、何も知らないから・・・・。俺が昔何したのか知らないからそんなこと言えるんだ。」

「昔?」






「俺・・・・実の母親殺したんだ。」






「え・・・・・・・・・・?」


「加護を受けしものは、幼いころにその能力に目覚める。俺は五歳の時だった。能力が覚醒した俺は、その強大な力を制御できずに、暴走した。けっか、住んでた城は半壊、そばにいた兵士、大臣、そのた城につかえていたものは死に絶え・・・俺の母親も死んだ。俺が殺したんだ・・・・。母親の半身は焼けて跡形もなく、ところどころが焼けただれて、皮膚が垂れ下がって・・・骨まで見えてた・・・。やっと落ち着いて・・・でも、俺・・・母親を火葬しなきゃいけなくなった。もう充分だろ?どれだけ俺は・・・俺は母親を焼かなきゃいけないんだ!!って・・・思いながら・・・。太陽の加護を受けたものが持つ焔は聖なる焔って言われてて・・・鎮魂にふさわしいって・・・。でも・・・たとえ鎮魂のためでも・・・実の母親焼くのは・・・耐えらんない・・・。だから俺・・・生きたくないと思った。生きてたらまた誰かを燃やさなきゃいけなくなる・・・・。人を燃やすとか・・・そんなの・・・罪もいいとこだ・・・。」


処刑された父親たちを燃やした時、お前はどんな気持だったんだよ・・・。



もしかして・・・その時のお前は・・・・



俺が気がついてなかっただけで、壊れかかってたのか?



「何度も死のうとした。自殺と名のつくものなら何でもやった。でも、なぜか生きながらえる。この体にある命のともしびは・・・まだ消えない・・・。だから・・・アロウに協力すれば・・・俺死ねるかなって思ってた。ほんとは、あんなことしちゃいけないってわかってた。でも、それよりも死にたいって思う気持ちが強かったんだな・・・。でも・・・まだ俺生きてるのは・・・なんで・・・。」


「生きてていいからだろ?」

「は?」

「お前が死んでいい人間じゃなくて、生きてていい人間だって言うだけだろ?簡単な話じゃねーか。誰かがそいつのこと死んでいい、生きていいなんて決めらんねーけど、生きてるってそういうことだろ?死する時は定められてる。人それぞれの死期は違う。今生きてるっていうのは、生きていいから。まだ生きていられるってことだ。まだ生きたいのに死んで行く人もいるのに、生きれるのに死にたいとかいうんじゃね-よ。」

「クロウ・・・・・・・。あのさ・・・今の話聞いても・・・まだ俺に・・・嫁げとかいう?」

「だから?俺そんなん気にしねーし。嫁ぎたきゃ勝手に来れば?」

「もしかしたら・・・俺・・・また力暴走するかもしれないけど・・・。」

「俺がお前に殺されるかよ。逆に殺すぞ?」

「・・・・・・ふっはははは・・・・・なにそれ・・・俺だってお前なんかに、殺されねーし。」

「ふん。かわいくねーの。」

「男が可愛いとかマジありえねー。」

「俺、お前のことかわいいって思ってたけどな。」

「は?・・・・え・・・・それってどういう・・・?」

「お前ちびで、見栄っ張りで、強がりで、負けず嫌いでひょこひょこ動いてんのが可愛い。そういうとこ好きだぜ。」

「は?は?はぁ~~!?」



お前はそういう間抜け面のほうが似合うんだよ、馬鹿王子。



「なんか一言もふたことも多いぞそれ!!!」

「そうか?」


白い空間が、徐々に姿を変えていく。



気がつくと、俺はセリアの兄貴の前に戻ってきていた。

アロウが助けたといってたのは、暴走したセリアを止めたというものです。


アロウが止めていなかったら、国中が火の海になっていたかもしれないという・・・

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ