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嫁いだ王子様  作者: 朝比奈 黎兎
第三章  加護
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第十五話   いがみ合い

 ドアの付近に立っていたアロウは、そのままずかずかと部屋の中を歩いてきた。


クロウに瓜二つ。黒い髪に黒い瞳、違うのはアロウのほうがメガネをかけているということだ。


「いつからそこに?つか、なんでこの国にいる?」

「いちゃ悪いような言い方だな?ここは俺の国だぞ?」

「勝手にほざいてろ。国に干渉してねー奴がよく言うぜ。」


明らかに不機嫌なクロウと、それをおちょくるかのような態度のアロウ。セリアはクロウの背中に隠れるように身を縮めていた。


会いたくなんかないんだ・・・・・・・


あってはいけないんだ・・・・・・・・



会いたいけど・・・・


「それで隠れてるつもりか?そうしてるってことは、あの約束覚えてるみたいだな。」

「っ・・・・・・・。」


すでにアロウはセリアがここにいることを知っていた。知っていたからこそ、ここに来た。


あの約束を果たしてもらうために。


「で?もちろん守ってもられるんだろうな?」

「・・・・っ・・・・・・。」

「・・・・セリア?」


力強く服をつかまれクロウは後ろに隠れているセリアのほうを向いた。俯き微かに震えている彼は何かに脅えているようだった。その何かとはもちろんアロウだ。


「おい、約束ってなんだよ?」


そんなセリアを見かねて、クロウが兄に訊ねる。


「お前には関係ないと思うけどな。それに聞いてどうするっていうんだ?」

「こいつ(セリア)がこんなにおびえてんだ。よほどのこととしか思えない。いったい何の約束だ?」

「どうする?言ってもいいのか?」


アロウがセリアに訪ねた。


「クロウは・・・・関係ない・・・。これは俺とあの人のことだから・・・・。」

「関係ないんだったら、なんで俺にしがみついてんだよ。」

「!?」

「もううんざりなんだよ。アロウなんかに振り回されんのは、こりごりだ。それがたとえ俺が振り回されんじゃなくてもな。」

「クロウ・・・・・・・・・・。」

「ものすごい言われようだな。これが俺の弟かと思うと悲しくなってくるね。ほんと、セリアが弟ならどんなに良かったか。」

「そりゃ悪かったな。俺だってお前みたいな兄、願い下げだ!!」


だんだん兄弟げんかのようになってきた。


「俺がセリアとした約束、それはな・・・・・。」


「次にあろうと会った時、俺が太陽の力を一回だけアロウのために使うこと・・・・。」


それは何ともないようでいて、実は禁忌とされるものだった。

私は魔法とか大好き人間なので、必ずと言っていいほどそういう要素を取り入れてしまいます。


この作品に仲のいい兄弟などセリアとソランしかいないんですよ・・・

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