プロローグ
いろいろ不安いっぱいな作品です。
よろしくお願いします。
もう何年も、両国は争っていた。
何年も何年も血の雨を流し続けたその争いは、ついに終幕を迎えた。
勝った国は「ナイヴィシア」といい、負けた国は「シューディレン」といった。
戦勝国が敗戦国に何かを要求するのは当たり前のことであるからして、今回ももちろん例外ではない。
そして、ナイヴィシアが要求してきたのはとんでもない要求だった。
それはナイヴィシアの王子のために姫を嫁がせろというものだった。
だが、シューディレンには姫は一人もいなかった。シューディレンの王は困り果て、そこでこの王もとんでもない解決策を編み出したのだ。
それは自分の国の第二王子を姫として嫁がせようというものだった。
ナイヴィシアにもシューディレンにも同性同士でつきあってはいけない、あるいは同性愛を禁ずるような法律はない。
だからこそ、王はそれを提案し、ナイヴィシアの王もそれを飲んだのだ。
そんな大事な話だったが、シューディレンの第二王子には当日まで知らせずに秘密裏に決められていた。
もちろん、シューディレンの第二王子が怒らないわけがなかった。