83話ー【殺人事件の謎】由紀子の愛
あと、もう少し続きます
落ち着きを取り戻した蒼は、日記の内容を大雑把に、それでいて要点を合わせて話す。
「…………はぁ。OK、もう大丈夫。早速だが、コレについて話すぞ」
「う、うん……無理はしないでね?」
蒼はコクリと頷いて、話を続ける。
「コレでほぼ確定したのが二つ。一つ、犯人の動機。二つ、由紀子と奈津子が犯人である。この二つだ」
「その二つが確定したって、どんなことが書いてあって、蒼はそう思ったの?」
蒼は日記をポンポンと叩くと、三人の目を見て言う。
「まず犯人の動機……つまり、由紀子と奈津子が殺人に及んだ理由だが…………」
蒼は、チラリと冬華の方を見た。
「由紀子の方は、俊夫が冬華を襲おうとしたから。そして奈津子の方は、夫の浮気と、未成年淫行の数々……だ」
蒼の口から「冬華」という言葉が出たとき、他の三人はニコリと笑っている冬華の方をガン見した。
そんな三人が話を聞き終えると、暗い表情で問う。
「…………それ、本当なの?」
「あぁ……間違いない。オススメはしないが、見るか?」
蒼が本を差し出すように持つと、樹が受け取った。
「そんな生々しい内容、女子には見せられないよ……」
溜息をついた樹がペラペラと、ページを捲っていく。
一ページ、また一ページと捲っていく内に、樹の表情は重くなっていく。
途中で樹は、冬華のことを暗い眼差しで見たが、恐らくあのページを見たのだろう。
やがて樹が日記を見終わると、手足をプルプルさせ、口元を手で抑える。
「…………うぷ。コレ、生々しいなんてもんじゃないよ」
「そ、そんなに酷いの……?」
「う、うん。名前から性別に身体の特徴、相性まで、全部鮮明に書いてあって吐きそうだった………………」
「…………分かる。もうこれ、十八禁のレベルだった」
「それは……ご苦労様。それで樹も蒼と同じ見解なの?」
「まぁ、大方。少なからず由紀子は確定かな? 由紀子と冬華ってさ、花言葉で見ても親子仲が良いからね……でも取り敢えず、パソコンは見たいかな? 俊夫の誕生日も分かったし……」
「そうだな」
「「誕生日って?」」
「「八月二十日」」
―――
【死因】
農薬による毒死?
【凶器】
農薬?
【殺人の動機】
由紀子:冬華を襲おうとしたから
【犯人】
由紀子
【死体の状態】
〇縄に首を吊られた状態
〇頭が膨張しており、顔が赤黒くなっている
〇首が伸びて黒くなってる
〇死斑が中毒性を示す赤色
※自殺に見立てた他殺。一酸化炭素中毒と青酸中毒での毒殺の可能性あり
【写真から見た現場】
〇部屋の窓が閉まっており密室状態
〇争った形跡もなく部屋は綺麗だ
〇パソコンと本が入っている本棚がある
【登場人物】
〇西園寺 奈津子(30歳)
▶︎被害者の妻
▶︎豪華な装いを着ている
〇西園寺 俊夫(32歳)
▶︎被害者
▶︎奈津子の夫
〇西条 由紀子(38歳)
▶︎中年女性のメイド
▶︎冬華の母
〇西条 冬華(18歳)
▶︎女子のメイド
▶︎冬華の娘
【探索エリア】
『外』
○家庭菜園場
▶︎ キャベツやトマトなどの野菜が植えられている
○花壇
▶︎ バラ(赤黄青)やラベンダーなどの花が植えられている
▶︎ 踏みつけられてボロボロなラベンダー
(愛がボロボロだから?)
○倉庫
▶︎使われて少なくなっている農薬
▶︎土が付着しているスコップ
▶︎様々な植物の種
▶︎肥料
『一階』
○調理室
▶︎冷蔵庫
・家庭菜園で採れた野菜
・魚
・肉
・調味料
▶︎水面台
▶︎食器
▶︎包丁(錆なし)
○ダイニングホール
▶︎大きなテーブル
▶︎三つしかない椅子(左奥だけ無い)
▶︎豪華な時計(6時45分13秒で止まっている)
▶︎シャンデリア
○談話室
▶︎カレンダー(7月)
▶︎本棚
・7月27日の新聞紙が見つかる
▶︎枯れたラベンダーの花瓶
(俊夫への愛が枯れた?)
○由紀子の部屋
▶︎ベッド
▶︎タンス
・下着
▶︎クローゼット
・メイド服
・私服
▶︎二つの写真立て
・冬華とのツーショット写真
・奈津子とのツーショット写真
(仲の良い人との写真?)
▶︎黄色いユリの花瓶と黄色いバラの花瓶
(俊夫への憎悪と、冬華か奈津子への思いやり?)
▶︎本棚(花図鑑)
・赤いバラは情熱や愛情
・黄色いバラは幸福や思いやり、嫉妬
・青いバラは可能性
・ラベンダーは幸せや期待、貴方を待っています
・黄色いユリは憎悪
○冬華の部屋
▶︎ベッド
▶︎タンス
・下着
▶︎クローゼット
・私服
・メイド服
▶︎本棚
・お料理系統の本
▶︎ぬいぐるみ
(由紀子から貰ったプレゼント)
▶︎由紀子とツーショットの写真立て
▶︎青いバラの花瓶
『二階』
○奈津子の部屋
▶︎ベッド
▶︎机の上
・遺書がある
▶︎机の引き出し
・紙が見つかる
赤―黄ー青
❌
▶︎黄色のバラの花瓶
▶︎クローゼット
・私服
▶︎タンス
・下着
▶︎俊夫とのツーショット写真の写真立て
・写真立ての裏には「22歳の誕生日おめでとう、奈津子。12/21」と書かれている
▶︎由紀子とのツーショット写真
『遺書』
愛する家族達へ。
私は過ちを犯してしまった。
それはもう、償うことが出来ないほど大きくて。
自ら命を絶つ以外に他ない。
まだ若い妻を置いて先に逝くことを許しておくれ。
私の遺産は皆で分けてくれると嬉しい。
由紀子達は家族も同然なのだから。
西園寺俊夫。
○俊夫の部屋
▶︎ ベッド
・隙間にボロボロの紙
(パスワードは世界で1番愛おしい人と私の誕生日)
▶︎七月を示しているカレンダー
▶︎タンス
▶︎クローゼット
▶︎パソコン
▶︎本棚
▶︎机の上
・7月26日の新聞紙
▶︎机の引き出し
①様々な書類がある
②引き出しの中に目星で鍵穴を見つける
③鍵穴を開けた底には日記がある
「日記」
7月10日。
親善の食事会で子会社の社長の娘と会った。
子会社の社長は、娘との関係を持つことを唆してきた。
若く可愛いかったけれど、私には最愛の妻がいる。
だから私は拒み、憤怒した。
――――
8月20日。
今日は私の誕生日。
家には妻とメイド2人が帰りを待っていてくれる。
しかし今日は不幸にもお得意との食事会がある。
早く帰れるように努力しよう。
――――
8月21日。
朝起きたら知らない所で寝ていた。
部屋の感じからしてホテルだ。
……横を見たら子会社の社長の娘が裸で寝ていた。
私は状況を飲み込めず彼女を起こして話を聞いた。
彼女が言うには、酔った私が言い寄ったそうだ。
彼女も彼女で満更でもなく了承。
そうして今に至るらしい。
それを聞いた時、私は絶望した。
彼女の話が本当なのなら夫として、人として、男としてしてはいけないことをしてしまったのだ。
だから彼女に頭を下げ誠心誠意の謝罪をした。
そしてここでもまた、私は絶望することになった。
彼女の口角は釣り上がり、私を嘲笑うが如くの表情を浮かべていたのだから。
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9月9日。
最近は例の彼女と頻繁に会うようになっていた。
最初は例の件で脅されて仕方なく付き合って居たのだけれど、若い子の温もりを知ってしまってからは妻に適当を言っては、色々な若い女の子と会って楽しんだ。
歳で廃れてしまった妻にはない、ハリのある肌。
経験のない女の子の初心な反応。
家族に隠れていけないことをする背徳感。
そのどれもが私を魅了したからだ。
これからも、家族にはバレないように楽しもう。
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1年分の様々な女の子の感想等々
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7月20日。
最近メイドの娘の方が色っぽくなってきた。
小さい頃から見てるからか、女性的な肉付きになった彼女を見てると背徳感が積もって良い。
そろそろ他の女にも飽きた所だし、楽しみだ。
しかし明日からは5日位の出張がある。
その間は他の女で我慢するか。
吐き気がしたポイントが、一年分の女の子の感想。
絶望したポイントが、冬華の件。




