64話ー【殺人事件の謎】犬以下の四人
ふっふっふ……この作品にシリアスは似合わねーぜ!!
「クスん……もう、大丈夫です」
「そう……貴方、強いのね……」
「大丈夫なら良かったよ!」
冬華は涙を拭いながら立ち上がった。
冬華に陽葵は慰めの言葉を言うが、綾華のそれは慰めと言うにはあまりに違和感だ。
何故なら綾華は、自分を卑下するかのように俯いているのだから。
その姿を横目に捉えた樹は、そんな綾華の肩にそっと手を置いた。
樹に綾華の気持ちは分からない。
でも、分からないからこそ人は寄り添うのだ。
そんな中、深呼吸をして落ち着きを取り戻した冬華が口を開いた。
「ありがとうございます。それでは気を取り直して、次は倉庫の案内を致しますね」
「「「「よろしくね!」」」」
気を取り直した五人は、倉庫の方に歩を進める。
倉庫に着いた四人は間抜け面と腑抜けた声を晒した。
「「「「あら~」」」」
しかし、四人がこんな風になるのも仕方あるまい。
四人の前に在るのは一般的な家庭に在る倉庫とは違い、もはや一つの家であると名状出来る赤レンガ創りの倉庫だったのだから。
「豪邸の庭には家があるってマジなんだな……」
「うん……こんな所で資本主義社会の経済格差を知りたく無かったよ…………」
「大丈夫よ。庶民には庶民の幸せがあるもの……くっ」
「悔しさ隠しきれてないよ!?」
資本主義社会の抗えない経済格差に四人がポロリと悔し涙を流すと、突如、冬華から天然爆撃が投下される。
「これ凄いんですか……私にとってはこれが普通なので、よく分かりませんね。ちなみに、あっちにはコレと同じ位の犬小屋が二つありますよ」
「「「「コレと同じ、いぬ……ごや?」」」」
「はいっ!ティンダロスの猟犬のティンティンと、黒い仔山羊のメェメェです!とっても愛くるしくて、可愛いんですよ!!」
「「「「ティンティンと、メェメェ…………みっ」」」」
巫山戯た現実と、巫山戯たネーミングセンス。
それらは四人の魂を身体から引き剥がしたのだ。
身体が灰となって散り散りになった四人に、冬華はクスリと笑うと倉庫の扉を開ける。
「大丈夫ですか!?って、大丈夫ですよね。ふふっ……それでは、倉庫の中を案内しますね」
その言葉と共に四人は一瞬で復活し、倉庫の中へと入っていった。
ーーー
【死体の状態】
〇縄に首を吊られた状態
〇頭が膨張しており、顔が赤黒くなっている
〇首が伸びて黒くなってる
〇死斑が中毒性を示す赤色
※自殺に見立てた他殺。一酸化炭素中毒と青酸中毒での毒殺の可能性あり
【写真から見た現場】
〇部屋の窓が閉まっており密室状態
〇争った形跡もなく部屋は綺麗だ
〇パソコンと本が入っている本棚がある
【登場人物】
〇西園寺 奈津子(30歳)
▶︎被害者の妻
▶︎豪華な装いを着ている
〇西園寺 俊夫(32歳)
▶︎被害者
▶︎奈津子の夫
〇西条 由紀子(38歳)
▶︎中年女性のメイド
▶︎冬華の母
〇西条 冬華(18歳)
▶︎女子のメイド
▶︎冬華の娘
【探索エリア】
『外』
○家庭菜園場
▶︎ キャベツやトマトなどの野菜が植えられている
○花壇
▶︎ バラ(赤黄青)やラベンダーなどの花が植えられている
▶︎ 踏みつけられてボロボロなラベンダー
○倉庫
『一階』
○調理室
○ダイニングホール
○談話室
○由紀子の部屋
○冬華の部屋
『二階』
○奈津子の部屋
○俊夫の部屋
▶︎パソコン
▶︎本棚
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