四天王②
B棟はスポーツ科というせいか、なんとなくがやがやしている。
少し汗のつんとした匂いと、制汗剤の甘い香りが混ざった特徴的な匂いがする。
特にくさいと思ったことはないが先生たちは苦手らしい。
いつも換気をしたがる。
「尚哉、修斗ー!」
純也の教室をのぞこうとしたその時、後ろから声がした。お目当ての純也だ。
「おー、純也。今日部活休み?」
「うん、休みだよ。俺もちょうどお前たちに連絡しようと思ってた」
「なんだ、両想いかよ!照れるなあ」
そういって修斗がおどける。
「尚哉にだけどな」
純也が意地悪な返しをする。
「おい!」すかさず修斗が突っ込む。いつものやり取りだ。
純也はテニスのスポーツ推薦で高校から入学してきた。
中学からのスポーツ推薦で入学した修斗と気が合うようだ。
どうやら中学では世界大会にでたこともあるらしい。
僕はテニスに興味がないのでわからないが、なんとなく凄いことはわかる。
純也は身長180センチ超えのすらっとした体形で、程よく筋肉質である。
髪は短髪でいかにも爽やかなスポーツマンだ。
身長のせいもあってかオーラのようなものもみえる。
かなりモテるのは周知の事実だが「俺、めちゃモテるよ」と自分で言ってしまうぐらいにはイタイやつである。
情に厚く、特に男子からの人気が高い。
「よし、どこか帰りに遊びに行こーぜ」
そういっていつも先頭をきってくれるのは修斗だ。
イケメン二人と歩いているせいか、多少の視線を浴びながら正門へと向かう。
まあ視線の理由は他にもあるのだが。
純也ほんとイケメンなんですよ。
学校に一人はいませんでした?高身長のスポーツイケメン。
バカっぽいけど謎に男子に人気な奴。
学生時代を思い出します、、
さてさて、つぎは3人目の四天王の登場です。