第8話 17日目~19日目
17日目
この日、鬱蒼と木々が茂る森の中を…
なぜか昨日あれだけ死闘を繰り広げた薫は探索していた。
しかも雪と二人だけでだ。
なぜこうなったのか?答えは単純。
雪が森に食糧をとりに行くといい、薫はその付き添い…もといお目つき役としてついてきたのだ。
彼女(雪)と寮の皆との初対面は正直最悪で、かなりギクシャクしている。しかも目を離せば何をしでかすか分からないからだ。それに一人では危険でもある。
そこで唯一雪が心を許している薫が共に行くことになったのだ。
薫は正直思った…
「今日は休みたかったな…と言うか帰りたい…」…と。
しかしもうここまできてしまった以上、薫はそれを口にすることはできなかった。
その代わりに薫は別のことで雪に声をかけた。
薫「その…雪さん?」
雪「雪でいい」
薫「そう?それじゃあ…雪…その…やっぱり僕たち二人だけじゃなくて、みんなも一緒にきた方が良かったんじゃ?」
雪「それは…できない、獣は…どこに潜んでいるか分からない」
薫「う〜ん…でも皆、君の言う獣じゃないと思うんだけどな。皆いい人達だし…きっと仲良くもできると思うんだけど…」
雪「獣は…狡猾…獲物を仕留めるその瞬間まで…牙を隠す…誰が獣か分からない、特に…」
雪は続けて何か言おうとしたが…
雪「いや…なんでもない」
何故かはぐらかしてしまった。
薫「?」
雪「とにかく…」
前を歩いていた雪が振り返る。
雪「私が信じるのは…貴方だけ」
雪は真っ直ぐな視線を薫に向けた。
薫「…分かった、無理強いはしないよ」
雪は薫の答えに満足したのか、また前を向いて歩き始める。
薫「はぁ…」
薫(彼女がみんなと仲良くなるのは難しいか…いや!諦めちゃだめだ!粘り強く説得すればいつかはみんなと仲良くなってくれるはず…多分…)
薫は一抹の不安を覚えつつも時間をかければなんとかなると思うことにした。
薫「そう言えば君は、ずっとこの森で過ごしてたんだよね?」
雪「うん」
薫「その…大変じゃなかったかい?ここで暮らすのは?」
雪「大変?」
薫「だって…ここには怪物がいっぱいいるだろ?」
雪「私の縄張りの怪物は全て倒した、罠も貼ってたから問題ない」
薫「そうなの?でもお風呂もトイレもないし…」
雪「川で水浴びをすればいい、用もその辺で足せる」
薫「でも、ベッドもないし夜は真っ暗だろ?」
雪「夜は月明かりが照らしてくれる。寝床は柔らかい葉の上で寝ればいい」
薫「ええ…」
雪「特に大変なことはなかった」
正直、女の子である雪がそんな生活をしていたのは信じられなかった。
しかし今思えば、幼い頃から森で暮らしていた雪にはこの生活の方がきっと当たり前なのだろう…怪物が襲ってくること以外は。
薫「慣れって…すごいね」
雪「?」
そんな話をしながら歩みを進めていると
雪「!とまって」
雪が何かに気づき不意にそう言って立ち止まる。
薫「どうしたんだい?」
雪「…いる」
薫「え?」
雪があたりを警戒し始める。
薫もあたりを見渡すが何も見つからない。
しかし雪は何かを感じ取ったようだ。
雪が猟銃を構える。
薫も腰につけていた拳銃を構える。
薫・雪「…」
二人があたりを警戒し続けていたその時!
ガサ…
雪「!上!」
薫「!」
雪がそう叫び、薫が上を見ると!
「ガウ!」
狼の怪物が木の上から二人に襲いかかってくる!
雪「!」
バーン!
雪が引き金を弾き発砲する!
バシュン!
雪が放った弾丸は正確に上から襲いかかってきた怪物の眉間を撃ち抜いた!
怪物が地面に落ちる。しかし…
雪「そこ!」
雪は狙いを変えて草むらに発砲する!
「キャイン!」
草むらに隠れていた怪物は撃ち抜かれ絶命する。
「ガウ!!」
仲間がやられたのを察知し、近くの草むらから飛び出してくる!
雪「!」
雪は一瞬にして銃を再装填し、飛びかかってきた怪物に発砲する!
バシュン!
怪物の頭が撃ち抜かれ、吹き飛ぶ。
怪物たちは一瞬にして雪に殲滅された。
薫「すっすごいね…相変わらず」
雪「!」
カチャ
雪が薫に銃を向ける!
薫「え!?ちょっ!?」
雪「ふせて!」
薫「っ!」
薫が指示された通り伏せた瞬間、雪が発砲する!
バーン!
「キャイン!」
どこに潜んでいたのだろうか、いつのまにか1匹の生き残りの怪物が音もなく薫の背後に忍び寄り、飛びかかろうとしていたのだ。
しかしそれも雪によってあえなく失敗に終わった。
薫「…」
薫は驚きのあまり固まっている。
雪「…もう…大丈夫」
薫「え?あ!今ので最後だったんだ…」
雪「うん、怪我…してない?」
薫「雪が守ってくれたおかげで無事だよ、ありがとね」
雪「良かった…」
雪が安堵の表情を浮かべる。
薫「それにしてもまさか待伏せしてるなんて…」
薫はあたりに転がる怪物達の死体を見る。
薫「なんだか最近…怪物達がどんどん賢くなってる気がする…」
雪「生物は成長する…失敗から学び…次に活かす、私達のように」
薫「怪物であっても、生物である限り成長するって訳か…厄介だね」
今はまだ待伏せをする程度だか、仮にさらにこの怪物達が賢くなったらどうなるのだろうか?もし怪物達が他の怪物と連携を取り始めたりしたら…そんな考えが薫の頭をよぎるが…
薫「…考えても仕方がないか、今は食べ物を探すことに専念しよう」
薫はこれ以上考えても時間の無駄だと思い、当初の目的に専念することにした。
コクッ
雪がうなずく。
二人は再び森の中を散策していき、雪は自身の経験と知識を活かし効率よく木の実や野草などを採取していく。
そんな姿を見て薫は、「ずっと森で暮らしていただけはあるな〜」と感心するのだった…
しばらくしてかなりの数が集まってきた頃。
薫「そうだ」
雪「?」
薫「ずっと聞いてみたかったことがあるんだけど…君が言う森神様て…いったんなんなんだい?」
薫はずっと気になっていたことを聞くことにした。
薫「僕たちが住んでる地域の土着信仰はある程度知ってるけど…森神様のことは聞いたことがなくて…」
薫達が暮らす東京都幻想区様々な土着信仰がある、特に有名なのは神蛇神社に伝わる蛇神信仰などだ。
だが、雪が言う森神と言うのは聞いたことがなかった。
雪「森神様は…森の神様、この世界の…全ての森に存在する神様」
雪は森神について語り始める。
雪「森神様は森を守ってくれてる。森神様がいるから…木々や草花は育ち、動物達は森で生き、森の恵みを受けることができる。森神様がいるからこそ、森は守られる。もし…森神様がいなくなったら…その森は瞬く間に枯れ、動物達は死に、不毛の土地になる」
薫「なるほど…名前通りの神様なんだね。君はどこでその神様を知ったんだい?」
雪「祖父が教えてくれた」
薫「君のお爺さんが…」
薫は話を聞いて一部の人しか信仰していない、マイナーな神様だと思った。
薫「それじゃあ君もお爺さんの影響で?」
雪「うん。祖父が言うには…私は…森神様の祝福を受けてるらしい」
薫「祝福?」
雪「祖父が私を見つけた時…私のそばには…大きな大狼がいた」
…
ザッザッ…
一人の猟銃を担いだ白髪の老人は森の中で何かを探していた。
老人「…確かにこの辺りで赤子の声が聞こえた筈だが…」
老人は森の中で狩りを行っている最中、ふと森の奥から赤ん坊の鳴き声が微かに聞こえることに気づき、森を散策していた。
オギャー!オギャー!
老人「!」
老人の耳に再び赤ん坊の鳴き声が聞こえてくる。
老人「こっちか!」
老人は歩みを早める。いつ赤子が森に住む獰猛な狼達に襲われるか分からないからだ。
老人が泣き声の方に近づいていくと、森の中に少し開けた空間があることに気づいた…そこには一切遮られることなく太陽の光が差し込んできており、美しい光景が広がっている…泣き声はどうやらそこから聞こえてきていたようだ。
老人がその空間に足を踏み入れると、そこには一人の赤ん坊と…巨大な白い狼が1匹、赤ん坊の側に鎮座していた。まるで赤ん坊を守るかのように…そして赤ん坊も大狼の体に身を預け気持ちよさそうに眠っていた。
カチャ!
老人は咄嗟に猟銃を構えるが…
老人「!?」
老人は気付けば銃を下ろしていた…なぜならその狼は陽の光に照らされ、この世のものとは思えないほどの神々しさを放っており、老人はその姿に
無意識に魅了されていたのだ…そして…
老人「森神様…」
老人は気付けばそう口に出していた。
ムク…
白き大狼は老人に気づくと起き上がり、赤ん坊を咥えて老人に近寄ってきた。
大狼は老人の前に来ると、赤ん坊を老人に差し出した。
老人「この子は…」
老人が赤ん坊を見ると、赤ん坊は今もすやすやと眠っている。
大狼は老人が赤ん坊を受け取ったのを見ると、何も言わずに森の中へと消えていった…
…
雪「祖父の話では、その大狼こそが森神様であり、私は…森神様に守られていた」
薫「それが…祝福?」
雪「そう、もし森神様がいなかったら…私はおそらく狼達の餌になっていた。森神様に守ってもらえた私は、森神様の祝福を受けてると…祖父はいつも言っていた。私が今も森で生きていけているのも…森神様の祝福があるから」
薫「そうだったんだ…」
雪「うん…だから私も…森神様のために使命を果たす」
薫「使命?」
雪「森を守る、それが…森神様から祝福を受けた私の使命」
薫「…」
この時の薫にはまだ、彼女の背負う使命の重さはよく分からなかった…
雪「ん?」
雪が不意に上を見上げる。
薫「?どうしたんだい?」
雪「雨…」
薫「え?」
薫が空を見ると、いつのまにか灰色の雲が空を覆っていた。
そして…
ぽつ…ぽつ……ザァー!!!
いくばくもしないうちに、雨が音を立てて降り始めた。
薫「うわぁ!?もう降ってきた!?どうしよう!?」
雪「こっち」
雪はどこかに案内してくれるようだ、薫は雪についていく。
しばらく走ると、小さな洞窟を見つけた。ここなら雨宿りできそうだ…
薫「よくここに洞窟があるってわかったね?」
雪「このあたりのことは…だいたい知ってる」
薫「…一応聞いておくんだけど…ここ怪物が使ってたりしないよね?」
雪「大丈夫…ここは安全」
薫「良かった…それにしても…」
薫は自分の服を見る。
薫「ビシャビシャになっちゃったな…雨もいつ止むか分からないし…どうしようか、ゆ…」
薫が雪の方を見ようとした時。
バチャ
何か濡れたものが地面に落ちる音がし、薫は雪の姿を見て驚愕した!
薫「うわぁ!?」
薫は咄嗟に目を手で覆い隠す。
薫「なっなんで…」
雪「?」
それもそのはず、なぜなら雪は…
薫「なんで君は…服を脱いでるんだー!?!?」
服を脱いで下着だけになっていたからだ。
雪「?濡れた服を着ていたら…体温が下がる。そしたら体力も奪われる」
薫「いや!?だとしても君は女の子だろ!?そんな簡単に男性の前で裸になっちゃダメだって!!」
雪「?どうしてだ?」
薫「どうしてって…恥ずかしくないのかい!?」
雪「恥ずかしい?…動物達も普段は皆裸だ、特に恥ずかしくはない」
薫「君は人間だろ!?」
雪「森の中では人もまた動物…」
薫「そう言う問題じゃなくて!!!」
何故か女性の雪よりも薫の方が恥ずかしがっていた。
薫「そっそれに君…」
しかも薫が驚いたのはそれだけではなかった。
薫「なっなんで下着をつけてないんだ!?」
雪「?下着ならつけてる」
薫「いっいや…パンツのことじゃなくて…その…上…」
雪「上?」
薫「ぶっ…ブラジャーだよ!?なんでつけてないんだ!?」
雪はなんとパンツは履いていたが、ブラジャーはつけていなかったのだ。それによって、雪の豊満な胸を隠すものは何もなく曝け出されている。
雪「ブラジャー…?それは…なんなんだ…?」
薫「は?」
雪「祖父はそんなもの教えてくれなかった」
薫はもはや開いた口が塞がらなかった。
いかに雪が森で生き、男手一つで育てられたとは言え、まさかブラジャーの存在を知らないとは思わなかったからだ…
本当に彼女は現代人なのだろうか?とさえ思った。
雪「それより…」
薫「え!?」
雪が近づいて薫の服を掴む。
雪「貴方も、脱いだ方がいい、体温が下がって…風邪を引く」
薫「いっいや僕は大丈夫だか…力つよ!?」
薫は抵抗しようとするが、雪はその見た目からは想像もできないほど怪力で、全く抵抗できない。
薫「うっうわーー!!!」
……
一方その頃彼らの寮では。
エレン「あーーーうーーー」
霊華「これは…重傷ね…」
何故かエレンがベッドの上で天井を見上げながら譫言をあげていた。
光「いや…どう言う状況よ?」
様子を見にきた光はただただ困惑していた。
エレン「うーーー…」
光「…ストレスで頭でもおかしくなったの?」
霊華「う〜ん…まあそうとも言えるけどあれは…」
エレン「足りない…」
光「え?」
エレン「もふもふが足りないー!!!」
さっきまで譫言をあげてるだけだったエレンが急にそう叫び出した。
エレン「もふもふ!もふもふ!もふもふー!!!」
光「やっぱ頭おかしくなったんじゃ…」
霊華「禁断症状よ」
光「禁断症状?」
霊華「エレンは超がつくほどの猫好きだから、しばらく猫と触れ合ってないとああなるの」
光「ええ…」
光はドン引きした。
霊華「ああなったらいつもは猫吸いさせれば落ち着くのだけれど…」
光「いや、タバコか!」
霊華「エレンが言うには、猫吸いは猫を飼ってるものにとっては喫煙者のタバコの接種と同様…て言ってたわ」
光「タバコだった…」
エレン「もふもふーーー!!!」
エレンはベッドの上でジタバタと暴れている。
光「てかどうすんのよ…あれ、ここに猫なんていないわよ?」
霊華「う〜ん」
二人がどうするか困っていると…
ガチャ
九孤「あの〜エレンさんの体調が悪いと聞いてきたのですが大丈夫d…」
九孤がエレンのことを聞いて部屋に様子を見にきたようだ。
すると…
ガバッ!
先ほどまでベッドに顔を埋めていたエレンが急に顔を上げたと思えば…
エレン「もふもふーーー!!!」
急に九孤に飛びかかった!
九孤「えっ!?え!?いっいやーー!!!」
ドゴ!
エレン「ふげっ!」
九孤は咄嗟に尻尾でエレンを弾き飛ばす。
エレンは壁に激突し、床に崩れた……
九孤「ごっごめんなさい…びっくりしちゃってつい…」
九孤は床で伸びているエレンを見て申し訳なさそうにそう言った。
光「別に気にしなくて大丈夫よ、100%こいつが悪いから」
エレン「うう…もふもふ…」
九孤「エレンさん…一体どうしちゃったんですか?」
霊華「それが…」
霊華はエレンの禁断症状について九孤に説明した。
九孤「そっそうだったんですね…」
九孤は霊華の話を聞いて納得した様子を見せる。
光「いやなんで納得できるのよ」
光がその様子を見てツッコむ。
九孤「でもどうして私に…」
霊華「おそらく貴方の尻尾ね」
九孤「尻尾?」
九孤を見ると妖術による変幻を解いているからか、触り心地の良さそうな尻尾が顕になっている。
霊華「禁断症状が進みすぎて、もうもふもふなものならなんだってよくなってるんだわ」
光「末期ね…」
九孤「…わっ分かりました」
話を聞いていた九孤が声を上げる。
九孤「わっ私の尻尾でエレンさんが元気になるなら…私の尻尾を使ってください!」
エレン「え?いいの?」
九孤「はい!本当は尻尾は敏感だからあんまり触られたくないけど…」
光「別に無理しなくてもいいのよ?」
光は気を効かせるが…
九孤「大丈夫です!それに私も…皆さんの役に立ちたいので!」
九孤の意思は固いようだ。
エレン「本当に?」
九孤「はっはい!」
エレン「それじゃあ遠慮なく…もふもふーー!!!」
エレンは九孤のもふもふの尻尾に飛びかかる。
エレン「もふもふ…ふさふさ…幸せ〜」
エレンは恍惚の表情を浮かべる。
九孤「ふあっ…あっ…///でもこれもエレンさんのため…我慢…ひゃっ!」
エレン「スーハースーハー、お日様の香り…」
エレンはそのまま九孤の尻尾に顔を埋め、猫吸いならぬ狐吸いを始める。
九孤「がっ我慢…がまん…ふああ…!♡」
ビクン!ビクン!
九孤はくすぐったさからか、吸われるたびに体がビクビクと震える。
その光景を見て光は…
光「なんて言うか…エロいわね」
ただそう呟いた。
それからしばらくの間、エレンの狐吸いは続いた。
エレン「幸せ〜」
………
それからしばらくして探索に向かっていた、雪と薫が帰ってきた。
何故か満足げな表情をしている雪に対し、薫の顔をまるで何十年も経ったかのように老けてやつれているように見えた。
穂乃果「お疲れ様です…てっ何があったんですか!?」
穂乃果が薫の姿を見て驚きの表情を上げる。
穂乃果「なんかすごいやつれてますけど…」
アリシア「帰りが遅くて心配してだけど…あんた一体薫に何したのよ?」
アリシアが雪を睨みつける。
薫「いっいや別に…」
雪「何もしていない」
アリシア「本当に?」
アリシアが不信の眼差しを向ける。
雪「ああ、ただ」
アリシア「ただ?」
雪「体を温めあっただけだ」
アリシア「……は?」
アリシアは雪の言葉で思考が停止する。
薫「いっいやそれじゃあ誤解されるから!ちゃんと説明を!」
雪「雨に濡れたから、服を脱いで体を温めあった」
薫「ちがーう!」
穂乃果「ええ!?」
真鈴「うわっ…」
穂乃果は驚き、真鈴は引いたような表情を浮かべる。
アリシア「うー!この…性欲に飢えたケダモノ共がーー!!!」
アリシアのヒステリックな叫び声が響く。
薫「ごっ誤解なんだー!」
アリシア「何が誤解よ!この変態!ケダモノ!野獣!」
雪「私と薫は獣じゃない!」
アリシア「うるさい!」
雪はどうしてアリシアがこんなに怒っているか理解していないようだ。
穂乃果「服を脱いでってことは…裸で体を…それって」
真鈴「ああ…間違いなくセッ…」
田中「おっと真鈴ちゃん、それ以上はいけない」
田中が真鈴のNGワードを間一髪止める。
アリシア「あっあんたたちそれ以外にも何かしたんじゃないでしょうね?」
アリシアが怒りに震えた声で尋ねる。
雪「それ以外…薫にブラジャーについて教えてもらった」
薫「雪〜!!!」
アリシア「!?!?!?ッ!!!」
アリシアはもはや声にならない叫び声に近い声を上げた。
真鈴「やべえなこいつら」
リオン「なあ真鈴!ブラジャーてなんだ?」
ここにも知らない奴がいた。
陽縁「ふふっリオンさん、ブラジャーと言うのは女性の…」
真鈴「ああー!こいつには私から後で説明するからいいんだぜ!」
陽縁「ふふ」
薫「本当に誤解なんだ〜!!!」
アリシア「うるさい!うるさーい!!!せっかくこっちは心配してあげてたって言うのに…もう知らない!!!」
アリシアは顔を真っ赤にして部屋に戻っていってしまった。
陽縁「あらあら…」
光「お子様にはまだ早かったみたいね」
グレイ「…歳は一つしか離れてないけどね」
光「精神性の話よ」
穂乃果「あの、お二人とも外でそのようなことをするのは…あまり良くは…」
薫「だから誤解なんだ〜!!!」
雪「?」
こうしてしばらくの間、二人は勘違いされたまま皆にそう言う目で見られるようになり、特にアリシアに至っては二人を見るたびに軽蔑の眼差しを向けるようになった…
18日目
この日は、寮にストックしていた水が少なくなってきたため、大人数で川に水を確保しに行っていた。
寮にいるのは怪我人のレオ達を含め、10人程度だ。
また薫は昨日色々あったからか部屋に篭ったまままだでてきていない。
光「あいつら大丈夫かしら…」
修斗「あれだけの人数で向かったので大丈夫ですよ、例え怪物に襲われたとしても返り討ちです」
光「まあそうよね」
修斗はかなり傷が良くなったのか、最近では普通に出歩けるようになっていた。
光は内心、「内臓が傷つくって…普通致命傷よね?こんなすぐ治るの?」と思っていた。
修斗「むしろ私達の心配をした方がいいかもしれませんね」
光「どう言うこと?」
修斗「皆さんが出払っている以上、今まともに戦えるのは光さん、貴方と九尾様…それと…」
田中「えっ?俺?無理無理!俺が勝てるのはゲームとレスバだけだから!」
修斗「安心してください、最初から戦力として見てませんから」
田中「それはそれで酷い!」
修斗「まああれは放っておくとして、実際まともに戦えるのは光さんと九尾様、それと雪さんと薫さんぐらいです。私もまだ万全とは言えません」
光「つまり?」
修斗「我々の寮を襲うとすれば…今が絶好のチャンスです」
光「ちょっと!不穏なこと言わないでよ!そもそもそんなに都合よくここが襲われることなんてないでしょ」
田中「いやそれフラグ…」
光「大丈夫よそんなこと万が一にも…」
雪「!」
ガタッ!
突然雪が立ち上がる
光「えっ!?なに!?どうしたのよ突然?」
雪「静かに!」
雪はそう言うと、急にテーブルに耳を近づける。
雪「………何かが来てる…!」
雪はそう呟くと、猟銃を手に取り外に飛び出していってしまった。
光「なっなんなのよ…」
修斗「嫌な予感がします…」
少しして、雪が寮に血相を変えて戻ってくる。
光「なっ何があったの?」
雪「…怪物…来る」
光「え?」
雪「大軍!こっちに向かってきてる!」
修斗「!?」
光「なっ!?」
田中「おいおい!?冗談だろ!?」
修斗「雪さん、怪物達はどのあたりに!?」
雪「ここからそう遠くない、すぐ…ここに辿り着く」
修斗「時間はあまりないようですね…私は皆さんにこのことを伝えてきます!光さんと田中さんは準備を!」
田中「じゅ準備てなんのだよ!?」
光「戦う準備に決まってるでしょ!行くわよ!」
田中「俺は戦力に数えてないんじゃなかったの〜!!!」
田中はそう叫びながら光に引き摺られていった。
修斗「雪さん!すみませんが怪物達の動向を確認をお願いします。怪物がこの寮の3キロ圏内に入ったら伝えてください!」
雪「分かった!」
雪は再び外に飛び出していった。
修斗「まずい状況になりましたね…」
修斗はそう小さく呟やくと、医務室へと向かった。
…
九尾「なんだと!?こんな時に…」
修斗「どうしますか?」
修斗は九尾に簡潔にさっきのことを伝えていた。
光「双眼鏡で確認してみたけど…」
九尾「どうだった?」
光「あいつ(雪)の言った通りだったわ…とんでもない量の怪物がこっちに向かってきてる…ざっとみても100近くはいたわ」
九尾「そうか…」
湊「どう考えたってやばい状況だろ!逃げるべきだぜ!」
九尾「だが、逃げたとしてどうするんだ?怪我人を連れてあてもなく彷徨う気か?」
湊「怪物に殺されるよりマシだろ!」
光「確かに…今回はあんたの言う通りかもしれないわね…みんながいるにはまだしもこの人数じゃ…」
美春「くっ!こんな時に戦えないなんて…」
美春が悔しそうに下唇を噛む。
レオ「すまないお前たち…せめて俺が戦えれば…仕方ない…今は逃げることに…」
九尾「いや、ここで迎え撃つ」
光「は?」
湊「正気か?お前?」
九尾「ああ、ここを失うわけにはいかない。ここは唯一この島で安全な場所で俺たちの帰る場所でもある。それにこの人数を受け入れてくれる寮があるとも思えない。俺たちが生き残るには、ここが必要だ」
レオ「勝算はあるのか?」
九尾「ふっ…俺を誰だと思ってる?俺は…次期狐族族長、狐ヶ崎九尾だぞ!」
湊「だからそれがどのぐらいすげーのかイマイチわかんねーだよ!」
九尾「まあいい、みておけ実際に見た方が早いからな」
修斗「私も行きます!万全ではありませんが少しなら戦力に…」
九尾「大丈夫だ、悪いが患者に無理をさせるわけにはいかないからな」
九尾が修斗を制止する。
修斗「しかし…」
九尾「お前はもしものことがあった時のためにここに残ってくれ。…安心しろ、万が一などありえないがな」
修斗「…分かりました」
陽縁「なら私が行きます」
九尾「陽縁さん!?しかし貴方は…」
陽縁「大丈夫です、私こう見えて…戦えるお姉さんですから!」
九尾「そっそうなんですか?」
九尾は困惑した表情を浮かべる。
陽縁「はい、それに…貴方だけに危険な目に遭わせるわけには行きませんから」
九尾「陽縁さん…」
湊「おい!今そんなことしてる場合じゃねえだろ!イチャつくのは後にしろ!」
九尾「そっそうだった!ゴホンッ!とにかく行くぞ!」
そう言って九尾達は出ていってしまった。
修斗「…本当に大丈夫なのでしょうか?」
レオ「実力は確かだ、今はあいつを信じよう」
…
光「改めて見ると…すごい数ね…」
光達が見る方向からは、地面を覆い尽くすほどの怪物がこちらに向かってきていた。
光「ワンチャンみんながタイミングよく帰ってこないかなと思ったけど…それもありえなそうね…」
薫「ああ…昨日考えたことが現実になるなんて…夢にも思わなかったよ…最悪だ」
薫はそう呟きながら頭を抱える。
田中「ここにもフラグを立ててた奴がいたのかよ…」
雪「どうする?」
九尾「援護を頼む、ここは俺が先頭に…」
陽縁「私が行きます!お姉さんが戦えると言うことを証明して見せます!」
九尾「えっ?ちょっ!?陽縁さん!?」
陽縁が片手を前にかざす。そして…
陽縁「舞い落ちる月の華よ…我が呼び声に応えよ…来て!月華!!!」
そう叫ぶと同時に陽縁の手に閃光と共に一本の薙刀が姿を現す!
九尾「なっ!?」
光「あいつ!?あんなものを出せたの!?」
陽縁「行きますよ!はぁぁぁ!!!」
陽縁はそのまま怪物の群れに突っ込んでいく!
陽縁「はあ!」
陽縁が先頭にいた半透明の怪物を、コアごと一刀両断する!
ワオーン!
先頭の怪物がやられたのを見て、狼の怪物が陽縁に一斉に飛び掛かるが…
陽縁「!」
ズバッ!
陽縁の薙刀による一振りで全ての怪物を叩き切る!
九尾「すっすごい!」
陽縁「まだまだ!はぁぁぁ!」
陽縁はそのままの勢いで怪物達を蹂躙していく。まさしく一騎当千だ。しかしその姿に荒々しさはなく、むしろ美しくすら感じていた。
陽縁「終わらせましょう…」
陽縁がそう言うと、薙刀の刃の部分が光を放ち始める!
陽縁「月の牙よ…その姿を刃へと変え、我が敵を討ち滅ぼせ!月牙滅刃!!!」
閃光が辺りを包み、気づけば怪物達は全て地面に崩れ、ただ一人…美しき少女だけがその場に立っていた。
薫「すっすごい!こんな力があったなんて」
田中「さすが陽縁姉だ!」
陽縁「ふふ、そんなことはありませんよ」
九尾「まさか俺が出る幕がないとはな…」
光「本当にすごかったわ陽縁姉!」
雪「ん、すごかった…ありがとう陽縁姉」
皆「ありがとう陽縁お姉さん!!!」
………
田中「的なことになるんじゃないか!」
光「長い!」
田中「アベシ!」
光のツッコミ(物理)が田中に炸裂する!
九尾「陽縁さん!まっ…」
九尾が静止するより先に…
陽縁「行きますよ!」
陽縁は飛び出していってしまった。
そして…
陽縁「はぁぁぁ!ふえっ…?きゃっ!」
ズサァァッ!
途中で石に躓き華麗にずっこけた…
皆「・・・」
陽縁「イタタ…こんな時に躓いちゃうなんて…お姉さんたら本当にドジ、てへ⭐︎」
陽縁はそう言いながらぽんと頭を小突いた。
光「やってる場合かぁぁぁッッッ!!!」
光の今日一の渾身のツッコミが炸裂した!
薫「危ない!」
陽縁「へっ?きゃっ!」
気づけば半透明の怪物が陽縁に向かって触手を伸ばしてきていた!
陽縁は咄嗟のことで反応すらできない。
陽縁「ッ!」
ズバババ!
陽縁が覚悟した瞬間、怪物の触手が全て切り落とされる。
陽縁「あっ…」
九尾「全く…喧嘩もしたことないのに無理しないでください」
陽縁「九尾…すみません…少しでも皆さんの役に立ちたくて」
九尾「だからと言って危険を犯す必要はありません。こう言うのは適材適所です。荒事は俺に任せてください」
陽縁「はい…」
九尾「光、陽縁さんを頼んだぞ」
光「分かったわ」
九尾「そうだ、お前達もしっかりみておけ…次期狐族族長の実力を…そして、頼れるのは…レオだけじゃないと言うことをな!」
九尾は刀を鞘から抜き放つ!そして…
九尾「焼き尽くせ!為次!!!」
そう叫ぶと同時刀から炎が吹き出し、怪物達を包み込んだ!
光「おお!」
田中「すっすげぇー!」
炎に包まれた怪物達は苦しげな声を上げながら倒れていく。
九尾「いくぞっ!」
九尾は地面を蹴り怪物達に突っ込んでいく!
九尾「ハアッ!」
バシュッ!
九尾が刀を振い半透明の怪物をコアごと一刀両断する!
ガウッ!
狼の怪物が九尾に飛び掛かるが…
九尾「!」
ズシャッ!
一本の尾が怪物の胴体を貫き、怪物は絶命する。
他の狼の怪物達も一斉に飛びかかっていくが…
ズバババ!
九尾の9本の尾が縦横無尽に動き瞬く間に怪物達を蹴散らしていく。
光「あの尻尾て、あんな使い方できるんだ…」
光は尻尾でバラバラにされていく怪物達をみて驚愕し、そして…
光(あの時九孤がその気になれば、エレンをサイコロステーキみたいにできたってこと!?)
と思った。
九尾「この程度か?怪物共」
九尾はそう呟くと同時に飛び上がり、空中から怪物に向かって尾を突き出す。
ドス!
九尾の尾が怪物達を貫き、そのまま体を引き裂く!
九尾「これならわざわざ術を使う必要もないが…どうせだ、お前達にも見せてやろう…妖術というものがどういうものかを!」
それは光達に向けて言ったのか、それとも怪物達に言ったのか、はたまた両方かは分からなかったが、九尾はそう言うと懐から一枚の札を取り出しそして。
九尾「妖術…鬼火!」
九尾がそう言い手で印を結ぶと同時に、無数の火球が九尾の周りに現れる。
九尾「燃えろ!」
九尾は火球を怪物達に向かって放つ!
何匹かの怪物は火球を避けようとするが…
九尾「!」
ボッ!
火球はまるで意思があるかのように怪物を追従し、そのまま命中する!
火球が命中した怪物は瞬く間に燃え上がり絶命した。
九尾「まだまだ行くぞ!妖術…鉄砲水!」
九尾が再び別の印を結ぶとどこからともなく水が生成され、それはまるでレーザーのようになって空にいる怪物達に向かって放たれる!
ズドドドド!
空にいた鳥の怪物は無数の水のレーザーによって貫かれていく!
しかし負けじと1匹の怪物が九尾に突進していく!
九尾はそれを何なく回避するが…
シュル!
九尾「!」
一瞬の隙をつき、半透明の怪物の触手が九尾の左手に巻きつく!
九尾「この…!」
九尾が刀で触手を切ろうとするが…
シュル!
九尾「!?」
もう1匹の怪物が九尾の右腕に触手を巻きつける!
そして両腕が使えなくなったのを好機とばかりに…
ガウッ!
無数の犬の怪物達が九尾へと噛みつきそして…
ドスッ!
鳥の怪物が突進し、九尾の腹部をその鋭利な嘴で貫いた…
光「!?」
田中「うっ嘘だろ…」
陽縁「ッ…!そんな…九尾ッ!!!」
誰もが九尾はやられたかのように見えた、怪物達も勝利を確信したかのように見えたが、次の瞬間…
ボン!
と言う音を立てて九尾の姿が…一本の短い丸太に変わった!
皆「!?」
ザッ…
そして先程貫かれたはずの九尾は、いつの間にか怪物達の背後に平然として現れ…
九尾「残念だったな、変わり身の術だ」
そう言い放った。
チリ…
丸太についていた札に火がつきそして…
九尾「爆ぜろ!」
次の瞬間丸太は爆発し、爆炎が怪物達を飲み込んだ!
薫「すっすごいな…」
光「まるで忍者ね」
九尾「さて…次を片付けるか」
九尾が怪物達を見る。
九尾「それにしても…数が多いな」
それなりの数を倒したはずだが、怪物達はまだ最初の半分以上残っている。
全ての怪物が九尾を脅威とみなし、敵意をむける。
鳥の怪物が先手を切り、九尾へと猛スピードで突っ込んでいく!
九尾「まあいい…来い!」
九尾が迎え撃とうとしたその時…
バーン!
1発の銃声が轟き、怪物の急所を弾丸が正確に貫いた!
雪「手伝う」
いつの間にか隣にきていた雪が九尾に短くそう伝える。
九尾「ふっ…そうか、なら頼んだぞ!」
九尾はそう言うと地面を蹴って怪物の群れに突っ込んでいく!
九尾「うおおおおッッッ!」
九尾は怪物達を刀と尾で蹂躙していく!
雪「!」
バーン!
雪は九尾の死角から襲おうとする怪物を的確に撃ち抜いていく!
怪物達も負けじと反撃しようとするが、二人の連携に全く歯が立たない。
光「何であいつ(雪)あの動きに合わせられるのよ…」
田中「九尾は化け物だけど、雪ちゃんも十分化け物だな…」
光「確かに」
九尾・雪「!」
二人の連携で怪物達は瞬く間に数を減らしていく!
九尾「後少しだな…」
九尾が残っている怪物達を見回す。
九尾「一気に終わらせるぞ!」
雪がうなずく。
怪物も最後の攻勢に出ようとするが…
グシャッ!
九尾・雪「!?」
突如として振り下ろされた巨大な何かによって、1匹の怪物が叩き潰される。
薫「ッ!あれは!?」
怪物を叩き潰したものの姿を見て薫は驚愕する…なぜならそれは3mはゆうに超える巨大な熊の怪物だったのだ!
薫「山王!?」
グルアアア!!!
怪物が狂ったように咆哮を上げる!
光「ちょっ!ちょっと!何よあれ!?」
田中「あれお前が戦った山王て奴じゃねえのか!?倒したって言ってただろ!何で生きてんだよ!?」
薫「僕にも分からないよ!」
しかし薫はその怪物をよく見てみるとすぐ違和感に気づいた。
薫「?…いやちょっと待って…よく見たら少し小さい?」
そしてすぐにそれが雪と二人で倒した山王ではなく…
薫「まさか…別の個体!?」
別の熊の怪物だと気づいた。
九尾「厄介そうなのが出てきたな…!」
怪物は九尾達をみると、勢いよく飛びかかってくる!
九尾・雪「!」
二人は直ぐにそこから飛び退き攻撃を回避する。
巨大な前腕が地面を抉り、砂埃が舞う!
九尾「ッ!喰らえ!!鎌鼬太刀!」
九尾は妖術によって生み出された風の刃が怪物目掛けて放たれる!
ガガガガ!
攻撃は命中する!しかし…
グルルルル…!
怪物の薄皮を少し切っただけでほとんどダメージは与えられなかった…
九尾(!硬い…!)
九尾が怪物の皮膚の硬さに驚いていると、怪物はその隙に一気に九尾へと距離を詰め巨大な爪を振り下ろす!
ガキィン!
九尾「ぐっ!」
九尾はそれを刀でガードする!
九尾(それに…なんてパワーだ!)「くそっ…」
雪「!」
雪は鞄から何かを取り出し、怪物へと投げつける!
それは火がついた爆竹だった!
バン!バンバンバン!
怪物の足元に落ちた爆竹が大きな破裂音を出す!
怪物は一瞬怯み、九尾はその隙をついて爪を払いのけ、距離をとる。
雪「大丈夫?」
九尾「ああ、助かった!それにしても…厄介な相手だな」
九尾はそう言いながら雪を見る。
九尾「君の銃で奴の皮膚は貫けそうか?」
雪は首を横に振る。
雪「柔らかい部分じゃないと…難しい」
九尾「分かった。なら引き続き援護を頼んだ、奴は俺が倒す」
雪「分かった」
九尾「行くぞ!」
九尾は熊の怪物に向かって突っ込んで行く!
怪物は九尾に爪を振り下ろすが、九尾はそれを最も簡単に回避する。
九尾「図体がデカい分、動きは遅いみたいだな…ハアッ!」
ズバッ!
九尾はカウンターをお見舞いし、怪物の皮膚を刀で切り裂く!
九尾「硬いが…切れない硬さじゃない」
グルアアア!!!
怪物は怒り狂った様に咆哮を上げ九尾に猛攻を仕掛けるが、既に動きを見切っていた九尾には全て回避され、その度にカウンターを受け体を切り裂かれていく!
バーン!
その間雪は残った怪物が九尾の邪魔をしない様、猟銃と時にはナタを使い残った怪物達を倒していく!
グルルルル…
熊の怪物は九尾のカウンターを受け続け…気づけばボロボロになり、苦しげな唸り声を上げていた、それに対して九尾は無傷であり涼しげな顔をしている。
九尾「終わりだ」
ボッ!
為次が炎を帯びる!
怪物も最後の力を振り絞り九尾に向かって渾身の力を込めて腕を振り下ろす!
ブン!
しかしその攻撃は無常にも空を切り…
九尾「うおおおおぉぉ!!!」
九尾の蓮撃が怪物を襲う!
炎が灯った刀を振るうその姿…それはまるで…中国で伝説上の存在である朱雀が舞うかのように美しく鮮やかだ。
九尾「秘剣!朱雀ノ舞!」
バシュッ!!!
最後の一太刀が怪物の丸太のような首を切り飛ばし、怪物の巨大な頭が地面へと転がった…
バーン!
そしてそれと同時に雪も最後の怪物にとどめを刺した。
九尾「ふぅ…終わったか?」
九尾の問いに雪が頷く。
九尾「そうか、全員無事か?」
九尾が光達の方を見る。
光「えっええ…」
田中「おっおう…」
九尾「?どうした?」
何故おかしな様子の二人に九尾は困惑する。
田中「いや…お前ら…強すぎだろ」
九尾「そっそうか?」
光「正直、雪はともかくあんたは口だけの噛ませキャラだと思ってたわ」
九尾「そっそんなふうに思ってたのか…」
九尾は若干ショックを受けた。
陽縁「私はちゃんとあなたを信じてましたよ」
陽縁がフォローを入れる。
九尾「ありがとうございます」
薫「やっぱり雪はすごいね」
雪「大したことじゃない…」
雪は謙遜気味にそう答える。
薫「そんなことないよ!僕にはあんなことできないし…」
雪「そ…そう?」
薫「うん!」
雪「じゃあ…」
雪が薫に頭を近づける。
薫「え?」
雪「祖父はこういう時…頭を撫でてくれた」
薫「えっと…」
雪「…」
雪がねだるような目線を向けてくる。
薫は意を決して雪の頭を撫でる。
雪「ん…」
雪は嬉しそうに頭を撫でられ続けた。
…
リオン「ええ!?そんなことがあったのかよ!?」
あれから少し経って寮に戻ってきた者達は九尾達に先ほどあったことを聞いていた。
光「ええ、もうほんとに大変だったんだから…主に二人が」
光が雪と九尾を見る。
リオン「マジかよ…」
グレイ「それはたいへ…」
リオン「いいなー!俺も見たかったなー!燃える剣!」
ズコー!
全員がリオンの感想にずっこける。
光「そっちかい!」
リオン「え?」
光「いやまあ…あんたらしいわね」
九尾「はは…今度機会があれば見せてやる」
リオン「マジで!?よっしゃあ!!」
リオンは子供のように大喜びする。
修斗「…私の刀からも炎は出ますけど?」
真鈴「いや何で対抗してるんだぜ…」
リオン「は?それとは全然ちげーだろ!」
修斗「一体何が違うのでしょうか…」
修斗はただひたすら困惑した。
光「って!そうじゃなくてもっと別のことがあるでしょ!」
リオン「別のこと?燃える剣以外にか?」
光「それ以外で!て言うかそもそも剣じゃなくて刀だし!」
アリシア「はぁ…あなたが言いたいことはこう言うことでしょ?光?どうしてそんな量の怪物がいきなり襲ってきたのか?」
光「そう!それよ!」
グレイ「確かに…どうして急にそんな量の怪物が…」
皆が考え込むが、なかなか理由が思い浮かばない…
そんななか突然、
雪「山王が…いなくなったから」
雪がそう口にした。
リオン「?何であの熊の怪物がいなくなったら、急に怪物が出てくるんだ?」
光「そうよ、何が関係してるって言うのよ?」
雪「…」
雪は説明するのが面倒なのか、それとも喋りたくないのか何も言わない。それを見かねた薫は…
薫「えっと…つまりこう言うことかい?」
すかさず彼女の言いたいことを代弁する。
薫「今までは山王の縄張りがあったから怪物達はこちらにほとんど来れなかった…でも僕達が山王を倒したことで縄張りがなくなり、今まで来れなかった怪物達が一斉に雪崩れ込んできた…そうだよね?」
コクッ
雪は頷く。
田中「おいおい!それって…」
光「…あんたらのせいってこと?」
薫「…え?ええ!?僕達のせい!?」
薫は急に今回の出来事を自分達のせいにされ驚愕する。
九尾「いやまあ…話だけ聞くとそうだな…」
薫「九尾君まで!?」
光「冗談よ…半分ね」
薫「良かった……半分は本気ってこと?」
光「…」
光は何も応えない。
薫「え?」
光「まあともかく…」
それどころか無理やり話題を変え出した。
薫「ちょっと!?」
光「そう言うことだから、もしかしたら今後も似たようなことが起きるかもしれないわね」
グレイ「確かに…」
薫「…やっていけるかな…僕達?」
雪「大丈夫…薫には私がいる…」
薫「うん…全然嬉しくない」
こうしてこの日はそれ以降何事もなく終わりを告げた…
19日目
「おーい!どこいったんだー!?」
一人の少年…黒鐘リオンは鬱蒼と茂る森の中を一人で彷徨っていた。
リオン「全く…あいつらどこいったんだ?」
時間は少し巻き戻る…
修斗・リオン・真鈴の3人は森に探索をしにきていた。
今回の目的は食料の調達ではなく、その下見だ。
何故そんなことをしているのか?それは彼らが今まで食料調達をしていた、寮周辺の森は食料をほぼ取り尽くしてしまい。食料をさらに調達するにはより寮から離れた場所で行わなければならないからだ。
そしてそれには問題がある。それはどれほど怪物がいるのか?また食べれるものはそもそもあるのか?残っているのか?そもそも安全なのか?それらが何一つ分からないと言うことだ…
いざ向かったのに怪物に襲われて何も持ち帰れなかったなどたまったものではない。
それらを解決するために彼らは少人数でした見に来ていた。
真鈴「修斗?お前傷は大丈夫なのか?」
修斗「ええ、かなり長い間休ませていただきましたので、傷もある程度塞がっていますので大丈夫です」
リオン「なあ?下見って何すりゃいいんだ?」
修斗「まずは安全かどうかを確認しましょう。怪物とは極力戦わずやり過ごすように。それと…迷わないよう目印をつけるのも忘れずに」
リオン「オッケー!」
3人は順調に下見を済ませていく。
リオン「そういえば何でお前は一緒に来たんだ?」
リオンが修斗に問いかける。
修斗「軽いリハビリです。これからは私も復帰しますので」
リオン「そうか!じゃあ明後日の怪物とも…」
修斗「もちろん戦います。兄上様が動けない今、その分私が戦わなければなりませんから。休んでなどいられません」
リオン「じゃあお互い頑張らねえとな!」
修斗「ええ」
真鈴「お前ら…やる気満々ですごいんだぜ」
真鈴は明後日に起きる強力な怪物との戦いに燃える二人を見て、もはや尊敬すら覚えた。
そうしてほとんど下見を終えた頃…
真鈴「ふぅ…これぐらいでいいんじゃないか?」
修斗「そうですね」
リオン「いやー順調に終わったな!」
修斗「怪物が少ないのは幸いでした。食べられるものもそれなりにあるようですし」
真鈴「じゃ、そろそろ帰るか」
リオン「おう!うん?」
リオンはその時背後で何かが動いたのに気づく!
リオン「なんだ!?」
真鈴「怪物か!?」
修斗「!」
リオンがナイフを構え、真鈴は拳銃を取り出し、修斗は刀に手を添える。
よく見ると少し離れた草むらがガサガサと揺れている。
三人は警戒を強め次の瞬間!
ヒョコ
1匹のウサギが姿を表した。
真鈴「…何だウサギか…」
真鈴は安堵のため息をつく。
修斗「怪物ではないようで良かったです」
修斗も警戒をとく。
真鈴「それにしても…」
ウサギ「?」
真鈴「かわいいな…」
真鈴はつぶらな瞳でこちらをじっと見つめるウサギがとても愛らしく感じる。
修斗「そうですね」
修斗も真鈴の意見に賛同する。
リオン「…決めた!あいつ食おうぜ!」
修斗・真鈴「え?」
ウサギ「!?」
リオンの唐突な宣言に全員フリーズする。
リオン「いやー本当は熊鍋が食べたかったんだけど、それは無理そうだからな!代わりにウサギ鍋にしよう!結構美味そうだし!」
ウサギ「!?!?!?」
リオン「じゃあ早速…」
ウサギ「!Σ(゜Д゜)」
ダッ!
ウサギは危機を察知したのか一目散に逃げ出す!
リオン「あ!?待て!ウサギ鍋!」
リオンはそれを追いかけて行く!
修斗「あっ!ちょっと!?待ってください!リオンさん!」
急いで二人もリオンを追いかけて行く!そして…
現在に至る。
リオン「はぁ…ウサギには逃げられるし、あいつらはいねーしどうすりゃいいんだ?」
リオンはため息をつく。
リオン「全く…あいつらどこで迷子になってるんだ?」
迷子になっているのは間違いなく彼なのだが、彼の中では違うようだ。
その時…
リオン「ん?」
気配を感じたしリオンは後ろを振り返る。
リオン「おお!何だこんなところにいたのか!探したぜ!」
……
真鈴「全く!あいつは一体どこに行ったんだぜ!?」
真鈴と修斗の二人はウサギを追ってどこかに行ったリオンを探していた。
真鈴「あいつのせいで…はぁ…」
修斗「気を落とさないでください、仕方のないことです」
真鈴「うるさい!///」
二人はリオンを探している間に何かあったようだ…
修斗「しかし…早く彼を見つけないといけませんね、日が暮れて遭難などたまったものではありません」
真鈴「ああ!もう!あいつ見つけたらただじゃ置かないんだぜ!」
二人はそれからリオンの捜索を続ける。
真鈴「あー!もう!本当にどこに…」
修斗「真鈴さん!」
真鈴が悪態をついていると急に修斗が声をかけてくる。
真鈴「どうしたんだぜ?」
修斗「静かに…声が聞こえます」
真鈴「え?」
真鈴が耳を澄ますと…
「……で………い………」
微かに人の話し声が聞こえてくる。
修斗「あちらからです…いきましょう!」
真鈴「おう!」
二人が声のした方に向かって行くと…
リオン「いや〜それにしても修斗の奴全然見つからねえな〜どこいったんだろうな?」
誰かと会話しているリオンを発見する。
修斗「誰が見つからないですって?」
リオン「うお!?修斗!?いたのかよ!?」
リオンは突然現れた修斗に驚く。
修斗「いたのかよ!?…じゃありません!」
リオン「わりぃわりぃ!いや〜でも見つかって良かった!探したんだぜ?」
修斗「それはこっちのセリフです!どれだけ探したと思ってるんですか!?」
修斗が怒りを露わにする。
リオン「悪かったって!でも逸れたのはお前だろ?」
修斗「はぁ!?あまりふざけたことを言ってるとぶっ飛ばしますよ!…と言うかあなた…先程まで誰と話してたんですか?」
リオン「え?誰って…」
真鈴「はぁ!はぁ!やっと見つけたんだぜ!」
遅れて真鈴も合流する。
リオン「え!?真鈴!?」
真鈴「お前!今までどこ行ってたんだぜ!?」
リオン「えっ!?はっ!?なんで真鈴がいるんだ!?」
リオンは何故か真鈴が修斗の後ろから現れたことに、酷く混乱している。
真鈴「私がいるのが何がおかしいんだぜ!?」
リオン「だって!さっきまで俺お前と一緒にいたんだぜ!?真鈴が二人!?!?」
真鈴「はあ!?お前…さっきから何言ってるんだ?」
リオン「いや…だって…ほら…」
リオンが振り向いた方を二人が見ると…
ザッ…
修斗・真鈴「!?」
真鈴?「………」
何と真鈴と瓜二つの人物が現れた!
リオン「真鈴が二人って…一体どうなって…」
リオンが二人の方に向き直ったその瞬間…
修斗「!リオンさん!!!危ない!!!」
修斗が突然そう叫んだ。
リオン「え?」
リオンが振り返ると…
バリバリバリ!ガバッ!
突然真鈴に瓜二つの人物の顔面が縦に割れ、無数の牙がついた口を持つ怪物に変貌し、リオンに襲いかかる!
リオン「うお!?」
バタ!
真鈴「リオン!!!」
リオンは押し倒され噛みつかれそうになるが…
ギギギギギギ!
リオン「ふぐぐぐぐぐ!」
何とか両手で怪物の口を何とか抑え、噛みつかれるのを阻止している!
しかし怪物は凄まじい力でリオンへ噛みつこうとする!
リオン「ちょっ!修斗!ヘルプ!ヘルプ!!!」
修斗「全く!」
バキッ!
怪物「!?」
修斗が怪物を蹴り飛ばし、リオンから引き剥がす。そして…
バシュッ!
倒れた怪物の頭を刀で切り飛ばした!
頭を切り飛ばされた怪物はそのまま絶命した。
リオン「わりぃ…助かった…!」
リオンが立ち上がる。
真鈴「リオン!」
真鈴がすぐにリオンに駆け寄る。
真鈴「大丈夫か?」
リオン「おう!へへ…」
真鈴「良かった…全く…お前は何やってるんだぜ!」
真鈴は安心すると、リオンへと再び怒り始める。
真鈴「私たちがいなかったらお前…今頃あの怪物の胃の中だったんだぜ!?」
リオン「しょうがねえだろ…真鈴そっくりだったんだし…」
修斗「何かおかしなことはなかったんですか?」
修斗が刀についた怪物の血を払いながら質問する。
リオン「おかしなこと…?そういえば…俺が話しかけてもなんにも喋らなかったな」
修斗「…普通それでおかしいと思いませんか?」
リオン「機嫌悪いのかな〜て…」
修斗「はぁ…」
修斗は呆れてため息をつく。
リオン「でも確かに!よく考えたらおかしいな!」
真鈴「よく考えなくてもおかしいんだぜ!もう!もしお前に何かあったら…私…うう…」
先程まで怒っていた真鈴は今度は泣き出してしまった。
真鈴「ひっく…ばか…ばかぁ…」
リオン「悪かった!悪かったって!だから泣かないでくれよ〜!」
リオンは必死に真鈴を慰める。
そんな二人の様子を見ていた修斗は…
修斗(あんなにも真鈴さんが心配していると言うのに…真鈴さんの気持ちに全く気づかないなんて…鈍感と言うレベルを超えてますね…)
と思った。彼もまた、リオンと同じ部類の人間だとは夢にも思わずに…
修斗「寮に帰りましょう。日も落ちてきましたから」
三人は寮へと戻っていった…
………
修斗「と言うことがありました」
修斗は寮に戻って今日のことを報告していた。
九尾「新種の怪物か…人に化けるとは…厄介だな」
修斗「おっしゃる通り…」
九尾「全く…人をばかすのは俺たちの専売特許だと言うのにな!はは!」
シーン………
九尾「………」
皆「………」
九尾「…少しくらいは…笑ってくれてもいいんだぞ?」
修斗「…善処します」
九尾「しゅん………」
九尾の悲しげな表情に連動し耳もペタンと下がった。
それを見た光は「犬みたいでちょっとかわいい」と思った。
修斗「ところで…」
ピク…ピク…
修斗「………」
修斗は先程からあることがずっと気になっていた。それは…
田中「………」
修斗「…スー……どうして彼は死んでるんですか?」
田中「し…死んでねえ…!」
何故床に倒れてる田中のことだった。
九尾「ああ、あれか?あれは…」
数時間前、寮にて…
霊華「ほら、口開けて」
レオ「あっ…ああ」
霊華「はい…あっ…あ〜ん…///」
レオ「ん…」
霊華がレオに食事を食べさせていた。
ここ最近では霊華が常にレオの身の回りの世話などをしていた。(入浴やトイレなどは除いて)
少しは慣れたようだが、恋人同士だとしてもそれでもやはり恥ずかしいようだ…
そんな二人を見て田中は…
田中「いいな〜会長はあんな可愛い彼女に世話してもらえて…俺も可愛い女の子にあんな事してもらいてえな〜」
心底羨ましいと思った。そして…
田中「俺も怪我すれば…ロザリアちゃんとかにしてもらえるかな?」
欲望丸出しの願望を口に出した。
佐藤「田中、無理だと思うよ?全身骨折したとしても世話をしてくれるのは…九尾とか男性陣だよ」
佐藤はそれに冷静に現実を突きつけた。
田中「だよなー…」
田中はそれでもやはり羨ましいのか…
田中「…でもやっぱりして欲しいな〜!俺も会長みたいに可愛い彼女欲しいぜー!」
そう田中が言った瞬間…
バリ!
田中「うぎゃーー!」
電撃が田中を直撃する…
霊華「全部聞こえてんのよ!バカ!///」
田中「ご…ごめんなさい…」
霊華「フン!」
レオ「ははは…」
レオは苦笑いを浮かべる。
佐藤「良かったね田中、これで看病してもらえるよ」
田中「お前…いつからそんなこと言えるようになったんだ…ガクッ」
………
九尾「と言うことがあった」
修斗「なるほど…心底どうでもいい理由で安心しました」
真鈴「放置されてて草w」
田中「泣けるぜ…」
九尾「しかし…熊の怪物に人に化ける怪物…最近怪物どもがかなり厄介になってきたな…ただでさえ数が多いと言うのに…」
光「確かに…」
グレイ「怪物はこれからも増えて行くのかな…」
グレイが不安そうにそう呟く。
九尾「分からん…だが間違いなくこのゲームが終わるまでは増えてくだろうな」
リオン「関係ねえ!全部ぶっ飛ばしちまえばいいだけだろうが!」
修斗「相変わらずあなたは楽観的ですね…」
リオン「なんだと!?」
光「まあでも…あんたの言うとおりかもしれないわね。毎回やり過ごすなんてできないだろうし」
真鈴「でも戦い続けるのも結構きついんだぜ?こっちには弾にも限りがあるし…」
光「それもそうなのよね…」
皆「………」
沈黙が訪れる…
九尾「まあ…今そんな先のことを考えていても仕方ないだろう。またその時になったら考えればいい」
修斗「そうですね…」
田中「あの…」
九尾「?」
田中「そろそろ…助けてもらっていいですか?…助けてください」
放置されてた田中が懇願するようにそう言った。
九尾「はぁ…ほら、医務室まで連れてってやる」
九尾は尾で田中を掴む。
田中「うお…まじでもふもふだ…」
九尾「全く…」
そのまま医務室まで連れていった…
光「…まっとりあえず今日はこれで解散にしましょ、お疲れ様」
修斗「お疲れ様です」
こうしてこの日も終わりを告げた。
お久しブリブリブリブリブリ大根ですわ皆さん。
蒸発したと思いましたか?実は生きていました。
蒸発寸前のところをなんとか耐えてました。
因みに蒸発しそうになってる間主にマイクラとかBFとかタルコフとかタルコフとかタルコフとかしてました。
後ヘルニアにもなりました。
完結には100年ぐらいかかるかもしれませんがこれからも頑張って投稿していきますのでよろしくお願いします。
後タルコフフレンズを募集しています。こんな奴とタルコフしたいと思う方がいたらTwitterにDMかタルコフのユーザーネームLeodoll625にフレンド依頼を送ってくださいお願いします。
Ура! Классно! Ты друг, который умеет играть в Тарков!




