表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
妻と始めるほのぼの闇堕ち錬金術師VRMMO  作者: hama
第三章 ハロウィン
84/91

乗合馬車

温泉旅行を企画した翌日、コウ達は飛空艇の停留所に集まっていた。

飛空艇では今まで行ったことのある町までしか行けないので一度セイレンで降りて乗合馬車に乗り、隣町レッグスを経由してフィートへ向かう。


停留所で待っていると、アナログな移動法であるにも関わらず時刻ピッタリに馬車が到着した。日本製のゲームだからか乗り物の到着時間はイベントでもなければ基本的にズレないらしい。


初めて乗った乗合馬車は全く揺れがなくて驚いた。新幹線みたいだ。

長時間の移動で酔わないようにストレスフリーな仕様になっているのだろう。現実感は薄くなるが使いやすくて助かる。


しかし馬車の旅は正直退屈だった。

のんびりと進む馬車の車内には各駅の到着時刻が書かれており、それによるとフィートまであと約一時間もかかる。景色だけは良いがそれもゲーム内で見慣れているような森ばかり。

モンスターや盗賊から襲撃される可能性もあるため交代でログアウトして時間を潰すことにした。



最初の見張りはコウだ。

掲示板で情報収集しながら時折マップで進み具合を確認する。極稀に遭難イベントが起きることもあるらしいからな。


マップを眺めていてふと思ったのだが、この大陸が巨大な竜の上にできたのなら活火山が存在するのは不自然ではないだろうか。竜の化石の上に堆積物が乗っているのだと仮定すると、巨大な化石を突き抜けてマグマが押し出されていることになる。もし地殻変動がとんでもなく活発な地域だったとしても限度があるのでは?

……まぁ、ファンタジーだからと言われてしまえばその通りなのだが。


(ゲームの設定かと思って最初は信じちゃったけど、案外、空から大陸の形を見た人達が作った創作なのかも知れないな)


月の模様だってウサギとかカニとか好き勝手に言われているのだ。

巨大な竜が今後イベントに関わってくるのでは……と少し思っていたのだが、今回のように地名の伏線程度の意味しか無いのかも知れない。



「コウ、代わるよ」

「ありがとう」


とりとめもない事を考えている内に交代の時間が来ていた。マリに後を任せてログアウトする。



現在のコウはレベル20しか無い。

しかもメンバーにキャリーしてもらってボス周回を行ったため戦闘への貢献率が低く、ステータスは上がってもスキルレベルは1とか2とかそんな感じだ。

それにコウはリセットを機に職業を『斥候』から変更したので、速度値が相当落ちている。一人で戦うのは少し不安があったので、無事に交代を迎えられてほっとしていた。


(……僕もユキみたいに、チップで誰かに弟子入りしてみようかな)


それも良いかもしれない。

始めたての頃のユキはコウとは逆で、ステータスレベルは低いのにスキルだけ上がるという状態だったらしい。初心者が集中的にスキル上げをするにはピッタリの環境だ。



ログアウトしたコウは、スマホでゲームの攻略情報を調べ始める。チップでスキル上げができる施設を確認しておこうと思ったのだ。

だがしかし。


(……無い)


コウが欲している情報は見つからなかった。

と言うのも、コウが新しく選んだ職業はスキルの練習をする必要が無い職業だったからだ。


(『召喚士』って、どこに弟子入りすれば良いんだ……!?)



『召喚士』はテイムしたモンスターをカードに保存しておき、戦闘の時はそのモンスターに指示を出して戦わせる職業である。


コウはギルドに行かずにチュートリアルを飛ばしていたため知らなかったが、攻略情報によると召喚士を選んだプレイヤーはまず最初に冒険者ギルドでモンスターをテイムするか、自力でモンスターをテイムするかを選ぶようだ。


チュートリアルではNPCが事前に捕まえたモンスターを連れて来てくれるので必ずテイムできるが、モンスターの種族は『リトルウルフ』一択。どこにでもいる狼系モンスターの中でも最弱種だ。

育てれば進化していって強くなるとは言え少し先のフィールドに行けばその進化先も普通に出てくるので、それなら自力でテイムしたいという人の方が圧倒的に多い。


そしてコウだが、実は最初のモンスターを既にテイムしているのだ。



コウがテイムしたのはゴーレム。

先日コウをリスキルしていた例の暴走ゴーレムである。


そもそもコウが召喚士を選んだ理由は、ゴーレムの試運転をする際に『惚れ薬』漬けにするのが大変だからだ。魅了が切れないか安全確認の手間もかかるし薬の分の製造コストも増える。

しかし核さえ『テイム』しておけばボディを高レベルモンスター並に強化したとしても言う事を聞く。あの時の暴走は少々特殊な事情があっただけだ。


あの後、暴走の原因を詳しく調べたところ、椅子の魔道具についていた魔石が原因だったことが判明した。どうやらゴーレムの核である魔石と干渉していたようだ。

ボディに核以外の魔石を溶接でもしない限りは問題無く運用できると判断したコウは、ゴーレムをテイムすると決めたのだった。



(ユキはどうやって弟子入り先を見つけたんだろう?)


疑問に思ったコウは何か助言を貰えないだろうか、と聞いてみることに。丁度ユキが見張りをしている時間帯だったのでコウもログインする。

しかしユキも気がついたら弟子入りしていた、としか言いようが無かったので大したアドバイスはできなかった。


「うーん、漁師のおじさんに聞いたら普通に教えてくれたよ? NPCとの会話って意外と隠し要素あるみたいなんだよね」

「ありがとう。僕も聞き込みとかしてみるよ」


「あれ、コウが先だったか。私も早めに来たんだけどな」

「なんだ皆もう居んのか」


そろそろ時間なのでマリとケイもログインしてくる。それから数分後、コウ達は目的地であるフィートに到着していた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 面白かったです。応援してます。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ