表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
妻と始めるほのぼの闇堕ち錬金術師VRMMO  作者: hama
第一章 錬金術師
7/91

キャラメイク(ユキ)

コウの弟、ユキ視点です。

VR機器にはヘルメットのようなヘッドギア型と、ゲーミングチェアようなコクーン型、日焼けマシンのようなカプセル型がある。

高価かつ多機能なのはコクーンとカプセルだが、操作性はヘッドギアもかなり進歩しており殆ど変わらないので一般人にはヘッドギアで充分である。


大抵のVR機器には内蔵メモリーが殆どなく、メモリーカードにソフトをダウンロードする必要がある。

ユキは中学の頃にお年玉を全額注ぎ込んで買ったヘッドギアを取り出し1ヶ月前に発売されたVRMMO「Parallel」を2時間程かけてダウンロードした。


『今から始めるよ。また連絡する』


義姉のマリに連絡を入れてログインする。

ログイン時特有のふわりとした感覚がして、小さな神殿のような場所にいた。壁は無く外には白い空間が広がっている。


《Parallelの世界へようこそ。まずはあなたのお名前を教えてください》


何処からか声が聞こえて、目の前に半透明のウィンドウがポップし入力欄が表示される。

入力できるのはカタカナのみか。ダメ元でユキと入力してみる。


《その名前は既に使用されています》

「やっぱりダメか」


その後も色々試したがダメだったので、一度ログアウトして『ユキ』を愛称に出来そうな名前をネットで幾つかピックアップして再度ログインする。

殆ど使用中だったがなんとか決まった。


《ユクテスワさんでよろしいですか?》

「はい」

《あなたの種族を決めてください。種族によってステータスが変化します》



・人間

・エルフ  魔力↑ 防御↓

・ドワーフ 防御・技術↑ 魔力・速度↓

・獣人   筋力・速度↑ 魔力・技術↓

・竜人   筋力・魔力↑ 精神・技術↓



竜人にちょっと心惹かれつつも、人間を選択する。人間のステータスはオール10だ。

ステータスには『筋力』『防御』『魔力』『精神』『速度』『技術』の6つの項目がある。



『筋力』

物理攻撃力上昇、装備可能な重量増加


『防御』

物理攻撃耐性、ノックバック耐性


『魔力』

魔法攻撃力上昇、MP増加


『精神』

魔法攻撃耐性、状態異常耐性、回復魔法上昇


『速度』

攻撃速度上昇、移動速度上昇


『技術』

クリティカル率上昇、アイテム作成の難易度低下



《あなたの容姿を決めてください》


身体のスキャンデータを反映したアバターが正面に現れる。


「一度保存してログアウトしても良いですか?」

《承知しました。現在の情報を保存してログアウトします》


夢から覚めたような感覚がしてヘッドギアを外す。名前と種族だけで30分近く経っている…!

急いでマリに連絡しないと。キャラメイクをして貰うために待機してくれているのだ。


『ごめん時間かかった。キャラメイクお願いします』


マリからはすぐにOKのスタンプが来た。

それから僅か30分程でキャラメイク完了の連絡が来た。仕事が早い……!


『色と目元以外はそのまま使ったからすぐ終わったよ』


……コウのような優しい顔立ちにして欲しいと言ったのだが、ほぼ俺のままで大丈夫だろうか? 友人には俺様系と言われた顔なのだが。

いや、あまり弄ると逆に不自然になるのかもしれない。まだ見てもいないのに文句をつけるのはやめよう。

逸る気持ちでログインしアバターと対面する。


(確かにコウっぽい! 目元が変わると大分印象が違うな)


コウより若干垂れ目気味に感じるが、それがガタイの良さをカバーして優しく穏やかな雰囲気にしている。

プラチナブロンドと言うのだろうか?ほんのり金色がかった白髪も似合っている。瞳は彩度の高いはっきりとした黄色で、とても魅力的だ。

瞳については事前に聞いていた。カナリートルマリンという宝石を参考にしているらしい。コウの瞳はパライバトルマリン、マリの瞳はルベライトという赤いトルマリンをそれぞれイメージしているらしく、トルマリン繋がりで揃えたかったのだとか。


(そうだ、気に入ったって伝えないと……!)


またログアウトしてお礼を伝えたあと、直ぐさまログインしてゲームを開始する。すっかり気に入ってしまったこのアバターを早く使いたい。

マリ達は事情があってはじまりの町に来られないそうだが、直接会わないとフレンド登録出来ないため第2の町で待っているとのこと。早くそこまで進めて合流したい。

わくわくとした気持ちでウィンドウの容姿設定の完了ボタンをタップする。


《職業を2つ決めてください。職業によってステータスとスキルが変化します》


そうだ、一番大切な設定が残っていた。

俺の持論だがヒーラーとバッファーはいくら居てもいい。場合によっては殴りヒーラーができるよう戦闘職も入れておく。

『神官』と『戦士』に決定っと。


ちなみに、各職業のステータスの変化は以下の通りだ。



剣士、槍士、戦士 筋力↑

弓士、錬金術師、鍛冶師 技術↑

盾士 防御↑

斥候 速度↑

魔法、吟遊詩人 魔力↑

神官、召喚士、農家 精神↑



条件を満たせば上位職や分岐職に転職できるようになる。

例えば『錬金術師』なら順当に行けば『中級錬金術師』になるが、ポーションを大量に作っていれば『薬師』、アイテム販売で大金を稼げば『商人』の転職条件を満たすらしい。



《スキルを決めてください》


職業によって固定の初期スキルが与えられ、それに加えて追加スキルを3つ選べるようだ。

神官は『回復魔法』が固定で追加スキルは魔法系と状態異常耐性が多い。戦士は『身体強化』が固定で追加スキルは武器系が殆どだ。

3つしか選べないのは悩ましいが、転職しない限りは後から取得できるので無難なものを選択しておく。


ーーー


【ユクテスワ】Lv.1

種族:人間

職業:神官・戦士


筋力:15

防御:10

魔力:10

精神:15

速度:10

技術:10


〈スキル〉

回復魔法Lv.1

光魔法Lv.1

浄化Lv.1

身体強化Lv.1

拳Lv.1


〈装備〉

・綿のシャツ(重量1)

・綿のスラックス(重量1)

・革のボディバッグ(重量1、容量5)

・革の靴(重量1)


ーーー


魔法系と武器系のスキルはレベルが上がると『アーツ』というMP消費で繰り出す技を覚える。

回復魔法の初期アーツ『ヒール』はHPを小回復する。

光魔法は他の属性より弱い攻撃魔法だが、レベルが上がれば雷属性の範囲攻撃を覚えるらしい。初期アーツの『ライトボール』は光の玉を当てて攻撃する。


他3つはアーツを覚えないスキルだ。

浄化はデバフや状態異常の解除ができ、レベルが上がるほど成功率が高くなる。

身体強化は一時的にステータスを上昇させることができ、レベルアップで効果時間が延びる。

拳は常時発動するパッシブスキルで、素手での攻撃威力が上がる。こちらもレベルアップで威力の上昇率が大きくなる。


装備は武器系スキルを持っていれば対応する武器が追加され、無い場合はアイテムを入れられるバッグが支給される。


これでキャラメイク完了だ。



《Parallelの世界をお楽しみください》


男とも女ともつかないナビゲーションの声が聞こえて、世界が白く染まった。

世界観に合わせて装備を綿の服と革のバッグにしましたが、参考のために調べて値段に驚きました。

現代価格だとオーガニックコットンも本革も高級品ですよね……初期装備が豪華すぎる。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ