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妻と始めるほのぼの闇堕ち錬金術師VRMMO  作者: hama
第二章 第一回闘技大会
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パーティ結成(別視点)

マリオンくんの露店で買い物を済ませてから三時間ほど経過したが、アヤとリナは未だリトルパンテラをテイムするどころか一目見る事すらできずにいた。


「もう諦めたら?」

「ヤダ! わたしの猫ちゃんっ!」


いい加減次の町に進みたいんだけど……リナがリトルパンテラ探しを中々諦めてくれない。レアモンスターだから捕まえるのは難しいって言われたじゃないの。


「じゃあ今回は諦めて、お金貯めて誘引クッキー買おうよ。それなら闇雲に探し続けるより早く捕まえられるんじゃない?」

「うぅ……分かった……」


リトルパンテラは見つからないので、リナはいっぱい居る草原ウサギをテイムしていた。


「ぷぅぷぅ!」

「ウサギもカワイイんだけど〜……やっぱり猫欲しい……」


捕まえた草原ウサギをカードに仕舞ってしょぼしょぼと萎れるリナの手を引き、ベースの町へと向かうべく南東へ進む。

街道を歩いている間も、後ろ髪を引かれまくっている様子のリナは諦め悪く周囲をキョロキョロと見回してリトルパンテラを探していたけど、今見つけたってテイム枠が空いてないから捕まえられないでしょうに……。


結局リトルパンテラに出会う事は叶わずに三つ目の町、ベースへと到達する。



「えーっと、掲示板によると港から四つ目の町へ行く渡し船に乗れるらしいんだけど……」


ベースの港はかなりこぢんまりしており、小舟がニ、三隻繋がれているだけで、港というより大きめの河川敷のようだった。


「渡し船に乗るなら300Gだよ」

「え゛、足りない……」

「嘘でしょ!?」


船守のおじさんに提示された金額はそんなに高い訳じゃないのに……何で無いのよ!?


「さっきマリオンくんのお店で使い切っちゃった……えへ」

「おバカ!!」


パーティ資産を共有にしておかなければ良かったと後悔しても後の祭り。ほんとにこの娘はもう! 後先考えないんだから!!

ごめーん、と軽いノリで謝るリナに頭を抱えていると後ろから声をかけられた。


「なぁ、俺達も船にベースに行くから一緒に乗せてやろうか?」


振り返るとプレイヤーらしき四人組の男女がいた。あたし達に話しかけたのはリーダーらしき茶髪の男の子だ。歳が近そうだし、多分高校生かな?


「えーいいのー!?」


リナがパッと笑顔になると彼は頬を染めてたじろぐ。ほほーう、これは〜〜?


「お、おう! お前らも別にいいだろ?」

「別に構わないよ」

「うん、料金は同じだしね」

「やったー!!」

「ありがとうございます!」


渡し船は六人乗りで定員までの料金は一律なので、ここは厚意に甘えることにしよう。


「剣士のユーゴだ。よろしくな!」

「俺はトウマ、弓使いだよ。可愛いコ達と知り合えて嬉しいなー」

「あたし達だって超可愛いでしょ!」


弓使いのトウマはちょっとチャラいけど、カラッとした態度だから場を盛り上げようとして言ってくれたみたい。


「わたしリナリア! リナって呼んでね」

「あたしはアヤノン、アヤでいいよ」


船の上で話している内に、全員夏休み中で毎日ログインしていることが分かって盛り上がり、対岸に着く頃にはあたし達はすっかり打ち解けていた。


彼らはとあるPKプレイヤーを探していたけど、見つからないので諦めて闘技大会に向けて王都を目指す事にしたそうだ。エスト前のボスは強いので一度セイレンに寄り、カジノで手に入る特別なアイテムや装備を狙うらしい。

私達は買いたい物があるので先に進みながら金策をする予定って話した。


「ならウチらと一緒にセイレンまで行かない?」

「リナは錬金術師でしょ? セイレンは稼ぎやすいらしいよ!」


勝ち気なファイターの少女、メリナの提案を補足したのは、見た目は色っぽい大人の女性だが年相応の喋り方をする魔法使いルーナだ。


「そーなの? じゃあ行ってみようかな!」

「大勢で遊んだ方が楽しいしね〜」

「よっしゃ、決まりだな!」


そんな訳であたし達はパーティを組むことになったのだった。




──そしてパーティ結成から数日後、あたし達はセイレンに到着した。


「ついたぁ〜っ!」


道中、ユーゴがリナに何かとアピールしてたんだけど……リナは全く気付いてないみたい。


(それに、リナの好みからは外れてるからなぁ)


うーん、気付いたところでリナがユーゴに惹かれるとも思えないし……気まずくなっても困るので、この事はリナには伝えないでおこう。


「カジノに行くには軍資金が必要だからな。まずは報酬の多いクエストを探そう」

「わたし達は景品狙いじゃないけど、早く2000G貯めて猫ちゃんテイムしよう!」


えいえいおー、とリナが気合いを入れている。あたし達はクエストボードを確認しに冒険者ギルドへと向かった。



「討伐の報酬はやっぱりエリアボスが一番高いね。生産系だと治療薬の納品かぁ。どれにする?」

「ここのボスは……ドラゴン!?」

「ウチらにはまだ早いんじゃない?」


(ん? ドラゴン?)


クエストボードには『プチシードラゴンとリーフシーホースの討伐』と書かれている。


「シードラゴンってタツノオトシゴの事じゃない?」

「何っ、そうなのか!?」


この前水族館に行った時に『リーフィーシードラゴン』って名前のタツノオトシゴが居たはず。海藻みたいな変わった見た目で驚いたんだよね。


「とりあえず両方受けてみるか?」

「そうだね!」



──結果的に言うと、あたし達はボロ負けした。


「プチシードラゴンって普通にドラゴンだったね……」

「逆にリーフシーホースがタツノオトシゴだったな……」


そう、プチシードラゴンはリーフィーシードラゴンに似た足が無くて海藻のような翼が生えた体をしていたが、恐竜っぽい頭をしたドラゴンだったのだ。サイズは人間と同じくらい。

取り巻きのリーフシーホース達はその半分くらいのサイズで、見た目は似てたけど頭はタツノオトシゴだった。


「後衛が全滅しちゃったのが痛かったね」


確かに、遠距離攻撃を飛ばして来るから盾役が居ないとキツいかも。


「別のクエスト受けるー?」

「うーん、一旦治療薬の方を終わらせようよ。もう受注しちゃってるし」

「それもそっか」


治療薬の素材は町で全部手に入ったからすぐに作れる。皆が錬成するところ見たいって言うから全員でギルドの二階に入った。リナはギャラリーが居るから張り切って作業している。


「そういえば何の治療薬なんだろー?」


そんな事を言いながら完成した治療薬をリナが鑑定したんだけど、何故か黙り込んでしまった。


「失敗だった?」

「見た目は大丈夫っぽいけど……」


錬成が失敗するとアイテムは消えてしまうので成功はしているはずなのに、どうしたんだろう。


「えーっと、とりあえず納品しよっか!」


明らかになにか誤魔化してるけど、そのまま納品しに行く事になった。本当にどうしちゃったんだろう?

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