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妻と始めるほのぼの闇堕ち錬金術師VRMMO  作者: hama
第二章 第一回闘技大会
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マリオンくんの露店(別視点)

フレンドに呼ばれて去っていくマリオンくんを見送ってからキンキッドの町へと引き返した。あのままだったらずっとここに挑み続けていたかも知れないのでマリオンくんに感謝だ。


そんなアヤを尻目にリカはほくほくと戦利品を眺めている。ずっと「試験管手に入れたらコーエンさんに連絡するんだー」って言ってたくせに、今は目的にしていた試験管よりもご褒美クッキーの方に意識が行っているようだ。


「よーし、決めた!」

「何を?」

「名前は『そら』にする!」


呆れた。もうリトルパンテラをテイムした気になってるみたい。


「レアモンスターって言ってたし、テイムできるとは限らないよ?」

「見つかるまで探せばいーじゃん! アヤも協力してよね!」

「やっぱりそうなるのね……」


あーあ、いつまでかかる事やら。

でもリカって飽きっぽいから、結局別のモンスターをテイムするんじゃないかなぁ……。


「そーだっ! コーエンさんに、マリオンくんに会ったよ〜って連絡しないと」

「うんまぁ……それなら大丈夫か」


おかしな内容じゃなくてほっとする。

コーエンさんは多分社会人か大学生っぽかったし、あたし達がいつも駄弁ってるような感じでチャットするのは申し訳ない気がするからね。



「それにしても、やっぱり弟くんもイケメンだったね。わたしの予想的中してたじゃん!」

「イケメンっていうより美少年って感じだったけどね。あぁでもリアルだと背が高いのかな?」

「うーん、背が高いのもありだけど敬語ショタも捨てがたいな……」

「そういう問題? あたし達がどっち選んでも本人の中身は変わらないでしょ」

「えーでも好きなキャラだと思った方が楽しくない?」


キャラって二次元じゃないんだから……でも確かにすごい美形兄弟だし、見てるだけで楽しいのはちょっと分かるかも。


「弟も同じ顔だったしリカの言ってたリアルイケメン説が説得力を増してきたね」

「でしょー? 見た瞬間ピーンと来たんだから!」


そんな話をしていたらリカが珍しく難しい顔をして考え込んだ。どうせしょうもない事でしょうけど。


「うーん、どうしようかな……」

「……一応聞くけど、何が?」

「マリオンくんはショタキャラ! 決定!」

「それまだ考えてたの……」


本当にしょうもなかった。

リカらしいっちゃらしいけど……まぁリカのこういうところ、一緒にいるだけで楽しくなれるから結構好きなんだよね。本人には絶対言ってやらないけど。


「じゃーあたしは『実は年上』に一票ね」

「えぇー! だってそしたらコーエンさんとキャラ被るよ!?」

「いやキャラ被りは気にしてないと思うよ?」


あたしだって家族とキャラ被りしてるかどうかなんて考えた事ないよ。兄弟なんだから似ててもおかしくないでしょ。



「はっ……ねぇアヤ、わたし気づいちゃった」

「今度は何?」

「マリオンくんの露店に行きたかったら、コーエンさんにチャットして何処で開いてるか聞けば良いのでは?」

「あっ、ホントだ……」


なんだかリカがまともな事を言ってる。何か悪い物でも食べたのかな……。


「話す内容もできるし一石二鳥じゃん。子猫見つからなかったら聞こうっと」

「でもその場合2000G貯めなきゃだよ?」

「うっ……」


痛いところを突かれてリカの視線が泳ぐ。二人の所持金を合わせればギリギリ足りるけど、防具や武器ももっと良いやつ買いたいからクッキーにそんなに出せないよ。


「そ、そういえばマリオンくんはどうやってあんな凄いアイテムを仕入れてるんだろうね」


誤魔化すように言ったリカのセリフだけど、言われてみれば確かに不思議。


「うーん、もしかしてコーエンさんが作ってるとか? 確か錬金術師ってポーション以外にも色々作れるよね」

「えっ、じゃあコーエンさんから買えればちょっと安くしてもらえるかも知れないってコト?」

「どうだろう……まずコーエンさんが作ってるのかどうかも分からないし」

「……ねぇ、もしかしてコーエンさんって有名プレイヤーだったりするのかな?」


急にどうしたんだろう。結構先の町には行ってるみたいだけど、本人は攻略組じゃないって言ってたよね。


「だってわたし初心者向けの攻略板たまに見てるけど、あんなアイテム全然知らなかったよ。もし作ってるとしたら相当凄い人なんじゃない?」

「探そうと思って見てなかったからじゃない? リトルパンテラで検索してみたら?」

「そうかなぁ……」


リカが渋々といった感じでウィンドウを開く。あたしも自分のウィンドウを開いて一緒に調べる。


「あっ、やっぱり有名人じゃん!」

「本当だ……コーエンさんじゃなかったけどね」


検索にあっさり引っかかったのはマリオンくんの露店だった。

注射器や試験管みたいな変わった消耗品を売り出したのがきっかけで有名になったみたいで、効果の高いポーションや珍しいアイテムを売ってるけど何時どこで出会えるかは分からないから目撃情報を報告し合う掲示板まである。

特にリトルパンテラ誘引クッキーはテイマー向けの掲示板ではかなり騒がれてるっぽい。つい最近売り出した自動給餌器で普段掲示板を見ない人達にも名前が広がってるらしくて、ここ一週間くらいで書き込みが一気に増えてる。



「年齢も性別も不詳な謎の店主か……ロマンがあるね」

「本人は特に隠してなさそうだったけどね」

「言わない方が夢があるから他の人達には内緒にしとこうっと」

マリは人見知りなので前のアバターだった頃はフレンドを一人も作らなかった上、他人に名乗る機会も無かったので以前の『マリー』という名前は知られていません。

スタンピード攻防戦でポーションを売り捌いた時は、他の町からも遠隔購入できる商業ギルドの委託販売機能を使っていましたが、支払う手数料で売上の二割近く持って行かれています。

現在は商業ギルドを嫌って近づかないので、町の中に店舗を持つこともできず露店販売のみしています。

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