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No.2「被検体 夏木仁」
仁は席に着くなり、用意されていた食パンに齧り付く。
「ジャム使わないの?」
「あー、使う」
仁は齧ってない方の半分にイチゴジャムを塗る。満遍なく綺麗に。
「あれ?母さんは?」
「もうとっくにお仕事行かれたよ。なんで私の方が詳しいんだか」
ボヤきつつも嬉しそうにしている雫。
仁は心境が読めず頭上に?を浮かべていた。
家を出て、鍵を閉める。
2人は何事かを喋りながら登校している様だ。
遠ざかる背中、じゃれつく雫。仁は何だかんだと雫を大切にしているようだった。
映像はそこで途切れた。