ペンギン三兄弟 〜 24話 一寸法師 の巻
ペンギン三兄弟
チャン・・・性格は几帳面。声がいいが顔がデカい。
サングラスをかけている。つぶあんが大好き。
ドン・・・体はちっちゃいが、器用に何でもこなす。
収集癖あり。
ゴン・・・ド天然。普通のことが超不器用。
日々体を鍛えてる。ゴジラが大好き。
ペンギン三兄弟、チャン、ドン、ゴン。
もしも3羽が、一寸法師のお話だったら...
むかしむかし、あるところに
小さな体の一寸法師がおりました。
やがて、体は小さいなりに、りっぱに成長したドン。
ある日、お椀の船に乗って川を下り、
都へ向かいました。
都に着くと、ドンは、大きなお城を見つけました。
ドン「おっきいお城だなあ、入ってみよう」
ドンは、小さな体を活かして
いかつい門番の間を通り抜け、
やすやすとお城に入ることができました。
お城のてっぺんまでやってくると、
かわいらしいお姫様(ゴン姫)がおりました。
怖いもの知らずのドンは言いました。
ドン「はじめましてお姫様。ぼくはドンです。家来にしてください」
ゴン姫「あら、なんて小さくてかわいいのかしら。肩に乗せて歩くのにちょうどいいわね。おっけー、家来にしてあげる」
ドンはその日から、ちゃっかりとお城の住人になったのでした。
ある日、ゴン姫は、ドンを肩に乗せて
町へ出かけました。
するとサングラスをかけた人相の悪そうな鬼(チャン鬼)が、声をかけてきました。
チャン鬼「これは、べっぴんさんだあ。おらと一緒に秩父の山へ行くべ」
怖いもの知らずのドンは、チャン鬼の前へ立ちはだかりました。
ドン「お姫様に一歩でも近づくな!痛い目に合うぞ」
チャン鬼「なんだ、このおチビちゃん。ジャマだよ、どいてどいて」
チャン鬼は、ドンをひょいっと、つまみあげました。
ゴン姫「こら、私の家来に何をする。これでもくらえ!」
ゴン姫は、腕をグルグル振り回し、
チャン鬼の左頬に、強烈パンチをおみまいしました。
バチコーン!!
チャン鬼は、頬を押さえながら、
へなへなと崩れ落ちました。
チャン鬼「いたーい、何すんの〜」
ドン「だから、痛い目に合うって言ったのに」
チャン鬼は、泣きながらペタペタと去っていきました。
ドン「ゴン姫様、さすがお強いですね。あれ、こんなものが落ちてる」
ドンは、チャン鬼が落としていった打ち出の小槌を見つけました。
ゴン姫「これはきっと願いが叶う小槌だわ」
ドン「ゴン姫様、どうかぼくを大きくしてください」
ゴン姫「おっけ〜。ドンよ、大きくなあれ、大きくなあれ」
ゴン姫は、小槌を振りまわしました。
するとどうでしょう。
ドンの体が、どんどん大きくなって、やがてお城くらいの高さになりました。
ドン「いくらなんでも、大きすぎですよ〜」
ゴン姫「ドンよ、小さくなあれ、小さくなあれ」
ゴン姫は、また小槌を振りまわしました。
するとどうでしょう。
今度はドンの体が、どんどん小さくなって、豆粒ほどの大きさになってしまいました。
ドン「だから〜、ちょうどいい大きさにしてよ〜」
ドンの小さな声がかすかに聞こえました。
ゴン姫「おっかしいなあ、どうやって振ったらいいのかなあ?」
さてさて、
ドンはちょうどいい大きさになれるんでしょうか?
おしまい