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三重点

作者: 昏虐 正念

 僕はもうずっとこの場所から動き出せずにいる。もう、どれだけの時間が経ったのか分からず、その時間の分からなさが、僕に焦りを与えている。僕は時間を知りたいと思っているのかもしれない。僕と僕以外の境界が常にピンと張り詰めて、今にも、動きたい衝動が溢れ出しそうだ。

 時間を知る術はない。いや、僕が知らないだけで、もしかすると有るのかもしれない。でも、僕は知らない。知らないだけで、考えればわかるのかもしれない。でも、考えてわかることを前提として、考えることは、僕が時間を知ることと、果たして対等な価値を持つだろうか。いや、わからない。

 どちらなのか、何なのか、知らないし、知りたくもない。考えてもわからないし、考えたくもない。その知らなさ、わからなさが、考えてもわからないということが、それがもたらす結果が、それを想像することが、僕に不安を与えている。僕と僕以外の境界が常にピンと張り詰めて、今にも、無能という圧力に押しつぶされそうだ。

 僕は動きたいし、僕は動きたくない。僕は融解したり、僕は蒸発したり、どこか別の場所へ消えていきたい。でも、僕はもうずっとここから動き出せずにいる。

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