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世界線No.852412512545

作者: 怪文書作成者

ただの怪文書です。

─────目を凝らす。


貴方が居なければ、ここに私は居なかった。

だとしても。


─────踏み出す。


私が居なければ、ここに貴方は居たはずだ。

分からない。


─────目を凝らす。


私には道具としてしか価値が無い。

それは誰もが分かりきっている事。


─────踏み出す。


それなのに、貴方は私の価値を探したがる。

ここが良い、あれが良いと私の価値を論う。


─────目を凝らす。


だからだろうか。


─────踏み出す。


私が自分に希望を持ってしまったのは。

貴方が私に希望を持ってしまった様に。

私は自分の価値を探し始めてしまった。


─────目を凝らす。


だからだろうか。


─────踏み出す。


私は間違ってしまった。

貴方を喪ってしまった。


─────目を、凝らして。


私は。

自分の価値など認めては

探しては

希望を抱いてしまってはいけなかったのだ。



─────一歩、踏み出して。



間違えた。




─────目を、眼を、瞳を凝らしたところで。




間違えた。






─────一体、何になるのだろうか?






間違えた間違えた間違えた間違えた間違えた間違えた間違えた間違えた間違えた間違えた間違えた間違えた間違えた間違えた間違えた間違えた間違えた間違えた間違えた間違えた間違えた間違えた間違えた間違えた間違えた間違えた間違えた間違えた間違えた間違えた間違えた間違えた間違えた間違えた間違えた間違えた間違えた間違えた間違えた間違えた間違えた間違えた間違えた間違えた間違えた間違えた間違えた間違えた間違えた間違えた間違えた間違えた間違えた間違えた







─────もう、あるけない。


地面に倒れ込む。

土が滲む汗を吸う。


─────どこに、いけばいいのだろう。


自然は焼却され、

文明は消失し、

意味は風化し、

歴史は、人類の足跡は「捩じ切れた」。


─────あなたは、どこにいるのだろう。


私に遺されたのは、世界の慟哭が産み出した生粋の地獄。

一度崩れた世界は、一度捻れてしまった世界は戻らない。


─────ここは、「どこだった」のだろう。


私が観測者わたしの役目を放棄してしまったが故に。

貴方が観測者わたしを役目から救おうとしたが故に。


─────きれい。


手を伸ばす。


─────きらきらしてて。


空に煌々と輝くあの輝きに、手を伸ばす。


─────あなたがみせてくれたほうせきみたいで。







ああ、私は。

ただ貴方と、貴方と一緒に空を観測()たかった。








手は、力無く地に落ちた。


読了ありがとうございました。

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