勝利
「・・・・よし。今のとこは一体だけか。ならいい」
俺はとあるものを準備しながらゴブリンを見て言った。
「これならまぁ行けるだろ。失敗しなければ、だが俺は失敗しない」
ぼそりと呟いてからゴブリンが気づくように動く―――――――んなアホな事はせずにビルの上から拳大の石をゴブリンに向けて全力で投げた。
「グゲッ!」
意外と上手く命中したらしく頭を押さえているゴブリンに向かって更に石を投げた。
「ギギッ!」
途中辺りで上から降ってきていることにようやく気づいたらしく俺がいるビルの中に入っていった。
「ふはははは!俺の罠で殺れるかな?」
「グギギギ・・・・・・」
からだがボロボロになり、赤い血を流している一体のゴブリンがやって来た。
「やっと来たか。のろまだな」
そんなゴブリンを挑発した。意味がわかっているかはわからんが怒りながら走ってきた。そんなゴブリンから俺は半裸で逃げる。
「・・・・・しゃあねぇだろ。材料がねぇんだからシャツを使うしか無かったんだからな」
俺は制服の下に着ていたシャツををガラスの破片で破って罠を作るための材料にした。勝つために必要だからだ。ちなみにその罠は、まずビルの中にあったガラスらしき破片を足下に敷き詰めたり、通った瞬間に蔦が外れてガラスの破片が体に突き刺さるように設計したりとかな。一応破片が刺さるくらいしかないと石を投げたときにわかってホッとした。そうじゃなければもっと危険な状態で賭にでないと行けないところだったからな。
と考えている間に、目の前の床を踏まずにジャンプしたら屋上の端まで来てしまった。
「グギギ!」
喜んでいるような声をあげながら走ってきた。だがそのゴブリンを見て俺は笑いながら言った。
「喜んでいるところ悪いがゲームオーバーだ。ゴブリン。なぜなら、」
その瞬間、ゴブリンが踏んだ場所がへこみ、落ちていった。
「そこは穴」
下にいるゴブリンに向かって、屋上で作っていた、先をとがったガラスの破片と石と蔦を制服で縛り上げて作った即席の槍をもって下に降りていく。ゴブリンが落ちたところまでいくと、ゴブリンはギリギリのところで生きていた。そんなゴブリンに近づいていき、一言。
「すまん。俺のために死ね」
そう言って、俺はゴブリンを刺し殺した。
――――――――――――――you win!――――――――――――――
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