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8.青空エール



 地方に住んでいると、東京の大きな書店に行く機会や神田古書街をブラブラする機会には恵まれませんが、地方ならではの良い事もあります。その近辺に在住する作家様や漫画家様のサイン会に行く機会がある事です。


 プライベートと仕事の両方が大変で疲れ切っていた頃、ずっとあまり読んでいなかった恋愛系の漫画雑誌を読むようになりました。『別冊マーガレット』そう、通称『別マ』長い期間少女漫画界を第一線で牽引しているヒットメーカー続出の集英社の雑誌です。

 切っ掛けは宝島社の『このマンガがすごい!』で一位になった作品のコミックスを読み、単にその続きが読みたくなったからです。まあ、漫画雑誌を買う切っ掛けはだいたいこういうパターンが多いですね、と言うかこんなパターンばっかりです。

 読みたかったのは『君に届け』椎名軽穂先生の王道漫画です。恋愛漫画はドロドロした部分が苦手で読めなかったのですがこれは楽しく読めました。現在も本誌連載中のあまりにも有名過ぎる漫画ですがこれが切っ掛けで別マを読むようになって、少し敬遠していた恋愛漫画を読むようになりました。年と共に照れが薄れて来たのかもしれません。


 久し振りに本誌を読ませていただく事になり、看板作家様達の作品も勿論楽しく読ませていただいたのですが、付録小冊子に掲載されている新人作家さんの作品、これがまた面白かったです。一所懸命工夫に工夫を重ねて、シチュエーション、アングル、心理描写に凝ろうとしているのが目に見えるのでそう言う所が特に楽しかったですね。どう読み手をキュンとさせようか、他との差別化をどう打ち出そうか……など、読者の目を惹くための作家様の努力の跡にトキメキました。実際こちらの小さな冊子に掲載されたものがそのまま単行本になって『このマンガがすごい!』のランキング上位に上がったも作品もあります。『町田君の世界』の安藤ゆき先生の『昏倒少女』なども確か本誌では無く、小冊子に掲載された作品だったと思います。他にもたくさん面白い作品があるのですが……長くなるのでそれはまた別の機会に触れようと思います。




 さて漸く題名の『青空エール』です。

 別マ本誌に掲載されていた河原和音先生の描く、北海道の高校を舞台にした吹奏楽に打ち込む少女と野球に打ち込む少年の出会いと成長の物語です。昨年実写映画化もされ、公開前のニュースで累計発行部数340万部とされていたので、本当にたくさんの方がこのコミックスを購読された事と思います。なので何処が面白いとか作者が言及するまでもないので詳細についてはこれまで通り省かせていただきます。

 コミックスを待ちきれず本誌の購読がなかなかやめられませんでした。そして毎回大体泣きます。仕事帰りの地下鉄のシートで、我慢できずに購入したばかりの雑誌を読んで堪えきれずに涙を流してしまった事もあります。完全に怪しい大人です。本人はその感動のお陰で少し気分がスッとしましたが、下を向きつつティッシュで顔を拭う姿はあまり褒められたものでは無いでしょう。

 英会話の先生が言っていたのですが、外国では大人が漫画を公的な場で読む事を恥ずかしいとされているので、日本のように大人が堂々と電車で漫画を読むなんて事はあまりないそうですね。日本人で良かった……!いや、でも作者の場合周りに迷惑か……。


 既に完結しておりますが、現在先生が連載中の『素敵な彼氏』も『このマンガ~』の上位ランキングに載っていますね。まー可愛いし、テンポが良くて面白い。『青空エール』の前作『高校デビュー』を思い出しますね。褒め言葉のバリエーションが少なくてスイマセン。


 河原先生が札幌の書店でサイン会を行うと言う事を聞きつけて、人生で初めて漫画家さんのサイン会に足を向ける事を決意しました。(←大袈裟)メッセージカードに、かなり暑苦しいメッセージを書かせていただいた事も良い想い出です。

 しかしこの頃先生はお子さんが小さかった筈なのに『青空エール』に加えて同時進行で『俺物語!』の原作も行っていらっしゃった筈。話をたくさん読めると言う喜びよりも、思わず先生が体調を崩さないか……と言う事が心配で、毎号ハラハラしていたのを覚えております。

 大好きな作家様にはあまり無理はして欲しくない、しかし作品は早く沢山読みたい……と言う相反した望みを勝手に持て余しました。これって四字熟語で表現すると『二律背反』ってヤツしょうか?全然違うか。カント先生安易に使ってごめんなさい!


 とにもかくにも初めてのサイン会は本当に幸せな時間でした。

 ここに書いても伝わらないと思いますが、先生、あの時はサインと素敵な作品を有難うございました。


 思いつくままの乱筆乱文、長々と申し訳ありません。

 お読みいただき、有難うございました。



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