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4.吉田先生



 吉田秋生先生を長い事男性だと思っていた時期がありました。そう言う人は結構いるらしいですね。初期の作品に甘さや若さが覗く所を読み返して楽しむ場合もありますが、吉田先生の作品には一切そう言う物を感じません。初期作品も全て、大人になって読んでも穴が無い。むしろ大人になって読んだ方が『ああこんなに面白かったんだ、この作品は』と実感してしまいます。あくまで私見ですが。


 『BANANA FISH』はあまりにも有名ですが、それ以前の『カリフォルニア物語』『河よりも長くゆるやかに』『吉祥天女』も今でも色褪せない名作揃い。『カリフォルニア物語』を描いた当時、吉田先生は若干二十歳だったのですね、本当に恐れ入ります。


 多分ほとんどの作品を読んでいます。そして一旦処分したのにまた買い直したりしています。なので今持っている先生の作品を処分する事は死ぬ間際になるかもしれません。あまりにも有名なので作者などが作品について説明したり紹介したりする必要は無いですよね、って最初の岩明先生の回からこればっかりで申し訳ありません。


 よく漫画家の先生、小説家の先生は締め切りギリギリまで粘る、締め切りが怖い……というネタが本編以外で語られる事が多いですが、吉田先生に関しては締め切り前にきっちり仕上げて来る、しかもネームの完成度がほぼ本原稿と変わらない……と、ムック本か何かで読んだ事があります。ネームも掲載されていましたが、ほぼ下書きのような原稿で驚きました。


 そう言えば最近目立つ所に置かれている流行本コーナーに『〆切本』と言う有名作家の方々の書けない言い訳や苦悩を綴ったエッセイ集?書簡集?が飾られていますが、パラリと立ち読みしたら、ちょうど開いた所で『書けぬ、どうしても書けぬ。書けないのに書けと言うのはその作家を殺す事と同じだ』と言うような趣旨の(すいません、うろ覚えです)編集者にあてた書簡が目に入って、思わず噴き出してしまいました。文章の上手な作家さんは、言い訳の文章でさえ面白いんですね。


 この本を思い出して、吉田先生ならきっとこういう謝罪文章を編集者の方に送る事はほとんどないのだろうなーと、ふと想像しました。しかし人生色々あるので、私のような一ファンの関知できない処でご病気やトラブルで何等か体験されているかもしれませんよね。先生には出来る限り健康で心穏やかに良い環境で執筆を続けていただきたいと、ただひたすらに願うばかりです。


 現在連載されている『海街ダイアリー』も既に映画化されているのでご存知の方が多いと思います。作品は勿論素晴らしいので特に内容には触れません(こればっかりで本当にすいません)が、読んでいると鎌倉に行きたくなります。そしてお腹が空きます。『すずちゃんの鎌倉散歩』『すずちゃんの海街レシピ』と言うスペシャル本も本編と同じフラワーコミックスから発行されていますが、見るだけじゃなくていつかちゃんと訪問出来たら良いな~と妄想しながら眺めるのもまた楽しいです。


 では乱筆乱文にて失礼いたします。

 お読みいただき、誠にありがとうございました。



2018.12.13追記

『海街ダイアリー9 行ってくる』を本日購入、さきほど読了しました!

とうとう完結巻。2006年から12年。ここに書いても伝わらないかもしれませんが、長いようで短い極上のひとときを有難うございました( ;∀;)

この時代に生まれて、吉田先生の作品を読めて幸せだなぁ、と実感。今度は最初の巻からじっくり読み直すつもりです。


吉田先生は昨年画業40周年を迎えられたそうです。『BANANA FISH』もアニメ化されたし、次の作品はどんなお話なのかなぁ、とますます楽しみになりました。

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