11.待望の新刊
羽海野チカ先生の『3月のライオン』ネタバレがありますので、気になる方は回避していただくか、読了後お読み下さい。
待望の新刊が出ました。羽海野チカ先生の『3月のライオン』十三巻です。帯によると十月には第二シーズンのアニメもスタートするそうです。予約録画しないと!と思いました。アニメが放送される午後十一時には大抵睡眠中ですので。十年ほど前から朝は四時起き、夜九~十時に寝る朝方人間となりました。年を取るとお日様に逆らって生きるのが難しくなるようです。早朝しか自由時間が無かった名残なのですが、風邪も引きにくくなって快適です。ラジオもタイムフリーでネットで聞けるし、テレビも録画で好きな時に観れる、欲しい物はネットでも買えるし図書館の本も貸本も充実して……便利になったお陰で趣味があっても人間的な生活をしやすくなりました。
体がアニメ体質では無いのか、漫画を読んでいてアニメで見たいと思っても完結までちゃんと見続けられずに終わる事が多いです。でも『3月のライオン』の第一シーズンは楽しんで見られました。後は『ハイキュー!!』と『アルスラーン戦記』でしょうか。『3月~』は情景シーンが印象的で『ハイキュー!!』はやはり試合の構図とかカメラワーク(と言って良いのかな?)に目を引かれました。漫画とキャラクターの印象が乖離していないのも良かったのかもしれません。逆に『アルスラーン~』は小説・漫画・アニメで少しづつ違う描写があるのが良かったです。主にアルスラーンとエトワールの最初の出合いや邂逅シーンだったと思いますが。
『3月のライオン』は皆様ご存知、『ハチミツとクローバー(通称『ハチクロ』)』の羽海野チカ先生の長編二作目。女性コミック誌から男性向けの白泉社『ヤングアニマル』誌に戦場を移しての御活躍です。作者が最初に羽海野先生の作品を目にしたのは集英社『コーラス』だったと思うのですが、宝島社の『CUTiE Comic』の休刊後、集英社『YOUNG YOU』を経て『コーラス』へ掲載される事となったそうです。
あの可愛らしい絵柄で『ヤングアニマル』!その上将棋漫画だと言うので少なからぬ衝撃を受けましたが、案の定すっかりズブズブに嵌っております。それまで作者の中では、将棋漫画と言えば能條純一先生の『月下の棋士』、柴田ヨクサル先生の『ハチワンダイバー』のイメージが強かったので、そんな『漢』成分多めの世界に少女漫画!と言う絵柄の羽海野先生の漫画でどのように戦いを挑まれるのかと楽しみでなりませんでした。結果……ズブズブです。今回購入した十三巻は、もっと以前に刊行されると言う情報が一時期ネット上で上がっていたのでジリジリしていたのですが、なかなか刊行発表がされずすっかり諦めも付いた今日この頃、店頭で発見して思わず「おお!」と声が出てしまいました。
両親と妹を事故で無くした桐山零は史上五人目の中学生プロデビュー棋士。父の友人であるプロ棋士幸田の家に引き取られ、幸田家の姉弟と一緒に育つ。が、現在は一年遅れで高校に進学し布団と将棋盤、一棹のクローゼットの他目立った家具も無い中古マンションで孤独に暮らしている。高校でも浮いていてボッチ、将棋の成績も足踏み状態―――という厳しい設定なのですが、そこは羽海野節と言うか、時折棋士仲間、先輩、それから街で倒れていた零を拾ってくれたあかりとその妹達、将棋好きの高校教師とのほんわかエピソードが随所に散りばめられていて、楽しかったりしんみりしたり、ウキウキしたりと暗さをあまり意識せずに読み進められます。国内累計発行部数三百万部越えの人気作なので、これ以上のあらすじ説明は今更かと思います。あと個人的感想の部分は、本編の内容との齟齬以外はスルーしていただければ有難いです。
と、言う訳で今特に気になる部分だけに触れたいと思います。
今巻は冒頭にあかりさんを巡る二人の男性……!と言うドキドキ要素が収録されております。作者は島田八段派です。でも『ハチクロ』でも作者の希望の組み合わせにはならなかったので、そう言う流れにならなくても致し方ないとわきまえております。(勿論本編の結果にも納得しております)
しかし……あかりさんにはゲッソリ痩せて勝負の度に胃をキリキリ痛めている島田八段を是非フクフク、若しくはギリギリ健康的、までにして上げて欲しい!と切に願ってしまいます。あかりさんはもともとそう言う欲求が強かった筈、本能を思い出して……!と願いつつ、でも姉妹で旦那様が棋士って設定的にバランスが悪いかなぁ、とも思うので、そう言う展開になるのは難しいかもしれない、と冷静な部分では半ば諦めてもおります。今回林田先生の残念な描写も後に起こる逆転勝訴の前振りか……?と戦々恐々としてもおります。あー焦れ焦れします。でも次作も大人しく待ちます。そして買います、紙で。
二階堂・宗谷戦も良かったです。でも終わった後、将棋しか頭にない宗谷名人のお世話をあかりさんにして欲しい……!とも思ってしまいました。あかりさんはオールマイティなキャラクターですね、誰と組み合わせても良い!本筋では無いですが、いつかあかりさんの恋の行方がまた再燃するのを心待ちにしたいと思います。
恋愛方面ばかり書いてしまいましたが、人間ドラマも棋士達の熱い戦いも手に汗握る面白さ、今後の展開も期待しつつ、じっと良い子で待とうと思います。
新刊を手にした興奮で一気に書きました。乱筆乱文にて失礼致します。
ここに書いても伝わらないと思いますが、羽海野先生、いつもワクワクドキドキと萌えと燃えを有難うございます。北の大地より南の方へ手を合わせたいと思います。お体を大切に創作活動していただけると嬉しいです。
個人的には隅倉九段のファンです。ケーキを一飲みにする場面が好きです。
2020.2.14追記
書き忘れていましたが、14巻、15巻も店頭に並んだのを発見次第購入しました。ネタバレになるので詳しくは描写しませんが、15巻を読んでホッとしました。いろいろあるけど良かったね、桐山君!
ただ脇役について一言。15巻の最後の辺り、あかりさんのお相手がやはり先生になってしまいそうな伏線が感じられて、やっぱりなぁ、と思いつつ、島田さん&あかりさんラインが消えそうでちょっと残念に思う気持ちも(^^;) でも敵同士になることもある島田さんと桐山君が義兄弟だとピリピリすることもあるかもしれないので、それで良いんだろうな…などと、腕組みしつつ納得しています(謎の上から目線。スミマセン!)
とにもかくにも続きが読めて幸せです! 海野先生、現実世界が色々大変な中、新刊の発表、誠に誠に有難うございました!!




