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終焉のラグナ  作者: 壊れ始めたラジオ
フェンサー編
11/12

泣くのは、もう終わり〜馬面の剣士〜

「レディース、アンド、ジェントルメン!」

「「「…!?」」」

「イッツタイムフォー…スーパースターアクション!」


 声がした方へ振り向くと、向こうの公衆トイレの屋根の上に立つ二つの影が。よく見ると、一人は様々な衣服がごちゃ混ぜになったようなカラフルな怪人。もう一人は真っ白でスタイリッシュなボディーを持った怪人。

「ボクちゃん戻って来たぁー!」

「なんと!」

「あいつら…!」

「あれが、話の中に出てきた、『キャラスター』…?」


 あれと、尾縞井さんはいつも戦っているの…?


「ボクちゃんの武器も戻ったしぃー。やるそー!」

「行くよ兄さん!」

「どう見ても、折れた柄をガムテープで繋げたようにしか見えないんだけど?」

「なんだか安っぽい…」

「ガム? 食べられるのか?」

「あなた、食べることばっかりね…変身!」


 "プリンスアイデンティティー! カーテン・オープン!”


 手元でこまごまとした操作をしたかと思うと、尾縞井さんはファンタジーに登場してくる王子様のような姿の戦士へと変身した。


「いくわよ!」

「負けるもんかぁー!」


 “オージサーベル!”


 尾縞井さんの放った一閃が、二体のキャラスターに命中した。


「俺も行くぞ!」


 そのうちお馬さんも加わり、四つ巴の戦いとなった。


「あんた達に、いちいち構ってる暇なんか無いのよ!」

「俺達は鎖役朱音の意志を継ぎ、この世界を守るのだ!」


 鎖役さんの意志を継ぐ……。


 鎖役さんは、この世界を守るために、自分を犠牲にした。

 王子様に、なりたくて。

 鎖役さんは、最期までこの信念を貫いたんだ。


 鎖役さんに救われたこの命で、私も何か……。


「この状況をなんとかしないといけないわね」


 “オージウインク!”


 尾縞井さんがバックルのレバーを二回動かした瞬間、私の体が光りだした。


「な、なにこれ……?」

「む?」



 ◆



 気がつくと、私はお馬さんに掴まれていた。


「あれ? 私は……」


 二対一の接近戦を繰り広げていた尾縞井さんが、驚きの声をあげる。


「東海林がガントレット型のゲノマイザーに……。 これ、そんなこともできるの!?」


 そうだ。私、尾縞井さんと同じになったんだ……。


「お馬さん! 私を使って!」

「……わかった!」

「……あんた達がその気なら……この間見つけたこれ、使ってみなさいよ」


 そう言って尾縞井さんが投げ渡したのは、円柱状のアイテム。


「キャラスタルか。……よし!」

「に、兄さん。なんだかまずいんじゃ……」

「逃げよう!」

「待て!」

「「ひっ!」」

「ようやく、俺の新しい名前を決めたぞ。今ここに名付けよう。俺は……フェンサー・ハクバ!」

「いっ!? いったぁ……い……」


 “アイ・ワンダー・フー・ウィル・ウィン!”


 激痛を伴いながら私のスロットに「キャラスタル」が挿入された瞬間、私の中から私自身の声が響く。

 尾縞井さんと、同じように。


 “タタカワナケレバイキノコレナイ! イノチヲカケラレケンヲトレ!”


「変んんん……身!」


 お馬さん……フェンサー・ハクバが正面のレバーハンドルを左手で押し出すと、ガコンという音と共に私から変身音声らしいものが発せられた。


 “グラディエーター・アイデンティティー! ゲート・オープン!”

 “殺ッセ・殺ッセ・コロッセオォォォ!”


 私達を囲むように鉄の門が現れてそれが開いた後、フェンサー・ハクバは古代の剣闘士を思わせる戦士へと変身していた。

 なんか、不謹慎で嫌な音声だけど……。


「またの名を、仮面レイヤー……フェンサー!」

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