引っ越し
「それでね、ここはどうかな?」
アリスの提案に、双子が同意する。
騎士団に居場所を特定されたため、引っ越しを予定しているのだ。
アリスの人形たちはアリスの命令に従うので、荷物を運ぶ分には問題は全くないのだ。
しかし、引っ越す場所が問題だった。全員でいろいろ回ったあげく、(もちろん闇情報)やっと見つけたのだ。
まあ同居らしいが。
同居するやつが吸血鬼らしいが。
まぁ殺しにも協力してくれると言うし、吸血鬼の中でも高位なのでそれなりに情報ルートも持っているようだ。
じゃあここでいいか。となり、今に至る。
「これで全部だね!お姉ちゃん!」
「そうね。」
「それじゃあみんなよろしくねー?」
人形たちが荷物を持ち、森まで移動する。
同居人の迎えが来るということで待っているのだ。
一応人気のないところにいてねと言われたので(女性。まぁもちろんだが)森で待っているわけだが、そろそろ来る頃だろう。
そこに、グワリと翼を広げたブラックドラゴンが二体舞い降りる。
一体は三人用、もう一体は荷物用のようだ。
大きな体に手をかけ、跳躍して飛び乗る。
ブラックドラゴンが大きく翼を動かし、空へと舞い上がる。
そして、北に向かい始めた。
「あらぁ、かわいい子たちねぇ。私の屋敷へようこそ。」
「お世話になります。リリスです。」
「敬語なんてしなくていいわ、あなたたちは家族だもの。私ね、家族が欲しかったの。姉妹でいいわよね。
ずっと寂しかったの。私の名前はクイーンよ。高位の吸血鬼は名前がないの。私はクイーンって呼ばれてるのよ。」
「じゃあよろしく、クイーンお姉ちゃん!」
「よろしくねー、クイーン姉!」
「よろしく、姉さん・・・姉って呼ぶことなかったから恥ずかしい・・・///」
かくして、引っ越しは完了し、新たな家族が増えたのだった。
短い・・・