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プロローグ
生まれて初めて見たのは、かわいい双子の妹
双子の姉
血
二つの鋏
最初に背負った罪は紅い紅いカーペットを敷いたこと
ずっとずっと
私たちは一緒
暗い暗い闇の中
私たちは対の存在
リリスあってこそ
リリアあってこそ
私たちは鋏姫
鏡合わせの双子の子
夜空に咲いた
狂気に満ちた
悪の華
「咲かせようか?」
「咲かせちゃおっか?」
まったく同じ笑顔の裏に
まったく同じ狂気を潜め
手を取り合う双子の子
成りを潜めた狂気の影
初めてできたお友達
慕ってくれたかわいい妹のような子
パンを焼いてくれたその子のママ
いつも笑ってくれていたその子のパパ
親のいない私たちのお父さんお母さんだった
死んでしまった
その子が捕まった
狂気は笑いながら顔を出し
座り込んだ彼女を置いて
双子の子は自らの意思を持って
狂気に身を委ねた
最後に口から出た綺麗な言葉
純粋で子供らしい言葉
「ありがとうだよ」
「ありがとうなんだよ」