仕事とは、金を稼ぐ事である。(1)
どこか得意げなバイザーの少女。BGMにチンピラの呻き声。これなーんだ?
もう癖になった溜息を一つ、やらかしたであろう当人から報告を待つ。
「喧嘩を買った。お代はこぶし。」
「つまりは猫が仕留めた獲物を見せびらかせに来たのね。」
先ず結論を置いてから説明を始めるか。分かりやすくていい。
よく出来ました。頭をナデナデだコノヤロウ。
「で、頼んでたものは?」
返事がない。
「で?頼んでたものは?」
じっとこっちを見てくる。
こっちも目を合わせる。
沈黙が流れる。OK。返答は受け取った。
「何しに行ったんだっけ自分。」
「先生に言われて、買い物。」
「で?おまけにチンピラなんて頼んだっけ?」
「…懐は潤った。」
悪びれもせず言い切る辺り常習犯だな。それならそれで対応しよう。
「先生、頭痛い。」
「俺は頭を撫でてるだけだぞ?」
体重をかけて握りしめてもいるが。
「説明、求める。」
「ほう?何についてか一つだけ答えよう。」
考えてる考えてる。
「怒ってる、理由について…ててててていいぃぃぃぃ…」
握力を強める。
「簡単だ。」
倒れているチンピラにも、自分がやって事に対して理解していないバカ弟子にも聞こえるように言い切る。
「全員気絶させたら懐探るの面倒だろうが!!!!」