婚約破棄? そもそも婚約していませんが。
この世界の地図上に存在する国々は全て、神の加護を受けている。
炎の国は炎の神の加護を受け、火傷や火災に見舞われる事はない。
本の国ならば、文章で表現された創作の世界が実体のない映像として独り歩きする。
そして法の国では、書面を介した契約こそが絶対。
契約内容の書かれた紙に一度サインをすれば、人々は意図せずとも必ずその内容を守る為の行動を取ろうとする。
この加護のお陰で法の国の治安の水準は他国に比べて非常に高く、大半の国民は規律正しい振る舞いをしている。
しかし、時にこの神の加護を逆手に取り、自身の欲を満たそうとする愚者も現れる。
彼らが何の力も持たぬ市民であれば、正しい法によって捕らえられ、裁かれる。
だがその『愚者』が己の地位や権力を以て私腹を肥やす者であれば……その者を制すことは容易ではない。
ビークロフト公爵はその最たる例であった。
***
クレア・ディクソン。
伯爵家の長女の私が生まれた時、既に家の財政は大きく傾いていたという。
貴族とは名ばかりの、借金に塗れた家門。
領地経営に失敗した家族の役に立とうと、私は淑女としての勉強の他にも様々な分野を学んできた。
法律や経済、経営――そして魔法。
元々器用な方であった私は多くの結果を残し、多分野に精通した令嬢として学園や社交界でも噂されるようになった。
学園での成績でも常に首位を維持し、また勉学の中で最も興味を持っていた魔法の技術を伸ばすことも忘れなかった。
私が得意としていた魔法は偽りの景色――幻覚を見せる類のもの。
この魔法は扱える体質の者が少なく珍しい反面、影響を与える範囲や幻覚の精度を上げてしまえば簡単に他者を害することが出来てしまう。
故にこの魔法の研究や勉強については国が許可した範疇でしか許されていない。
そこで私は敢えて幻覚が発現する範囲を極めて限定的なものにする事と、同時に発現できる幻覚の数を増やす事について独自に研究をしていた。
それについて論文を出し、評価されることもあった。
私自身の抱える功績は、評価されるものだという自負がある。
学園での生活は勉学も交友関係も充実していた。
しかし……家の問題は解決せず、ある日私は泣きながら両親に謝られた。
両親は縁談の話が来たと話した。
お相手は何でも、社交界で見掛けた私の容姿や振る舞いに一目惚れしたとの事。
両親は言う。
「このままでは私達はお前を修道院へ送らなければならなくなるかもしれない」
私には弟がいた。家は男である彼が継ぐ予定だ。
嫡男の存在は家の存続の為にも重要。
よって財政難に陥っているディクソン家が万が一、家族全員を満足に養えない状況へ落ちぶれた場合、真っ先に斬り捨てられる立場にあるのは私だった。
婚約か、修道院入りか。
両親は私に選択を託した。
勿論、両親は修道院入り――子供を捨てるような事は望んでいなかった。
私だって学園での生活を手放したくはなかったし、両親が罪悪感を抱いてしまうような結末は招きたくない。
それに私だって、家の為になりたいと思い続けてきた身だ。この婚約が家の抱える問題を解決する足掛かりになるというのであれば、多少の不自由が付き纏おうとも家の為にこの身を捧げようと思った。
だから私は、縁談を持ち掛けた相手が過去に五度、婚約者を切り捨てたという悪評を持つ相手だったとしても、この婚約を受け入れた。
「ビークロフト公爵と婚約するという話は本当か」
あるパーティーで、学友であり辺境伯家の令息でもあるアルヴィンが私へ声を掛けて来た。
私は苦く笑いながら肩を竦める。
「彼の話を知らない訳ではないだろう。彼と婚約を交わした者達がその後、どうなったのかも」
勿論知っている。社交界ではあまりに有名な話だ。
ビークロフト公爵は過去に五人の令嬢と婚約を結んだことがあるが、婚姻に至ったことはない。
原因はビークロフト公爵の癇癪だ。
彼は婚約者の中に、自分の理想と乖離する点を見つけると、憤慨し、最後には必ず婚約破棄を突き付ける。
ただ、婚約という契約が白紙になるならばそれで良いのだ。
しかし恐らく、彼と交わす婚約には裏がある。
そう言い切れるのは、婚約破棄を突き付けられた令嬢たちが迎える結末が共通しているから。
婚約破棄を突き付けられた令嬢は揃ってビークロフト公爵へ泣きつき、許しを乞うが、その言葉は必ず突っぱねられてしまう。
そしてそれから数日のうちに、婚約破棄を受けた令嬢は――必ず姿を消してしまうのだ。
「五回も続く偶然などない。それでもビークロフト公爵家に調べが入らず、また彼が同じ事を繰り返すのは、公爵家が持つ権威あってのものだ」
「ええ。知っているわ」
これまで行方を晦ませた令嬢も皆、私のように家の財政難に巻き込まれた者達だった。
そして私や且つてのビークロフト公爵の婚約者が、彼の悪評を知り、彼と婚約を結ぶ危険性を理解し、それでも婚約という手段を選んだのは、家の状況がそれ程までにひっ迫したものであるからに他ならない。
かつての婚約者は皆、『自分だけはビークロフト公爵に気に入られ続けるかもしれない』未来に懸け、婚約を交わす選択を取ったのだ。
「私の家の財政は知っているでしょう? 落ちぶれた家の私や家族が選べることなんて、殆どないわ」
アルヴィンは顔を顰め、込み上げる感情をぐっとこらえてから視線を落とす。
彼は私を気に入ってくれている。恐らく、異性として。
その事に私は気付いていたし、私自身も彼と話す時間が尊いものだと感じていた。
それらの事実を彼に打ち明けなかったのは、勿論家の事があったからだ。
「……助けが必要になれば声を掛けてくれ。必ず、助けになると誓おう」
「ありがとう」
彼ならばそう言うだろうと踏んでいた。
私は微笑んで礼を言う。それから……
「では早速だけれど、情報通で人脈があるジェフリーズ辺境伯家の力を借りてもいいかしら」
淡々と、彼に求める事を列挙した。
まるで、最初から用意していたかのように。
それを聞いたアルヴィンは目を剥き、私の顔を凝視してから、してやられたと言いたげに苦く笑った。
「君、初めから俺を巻き込むつもりだったな?」
「生憎と、ただで転ぶような可愛げのある女ではないの」
私達は悪戯を考える子供のように、声を潜めて笑い合った。
それからすぐに、私はビークロフト公爵と正式に婚約した。
ビークロフト公爵は私の三十は年上で、肥満体型の更に上位互換的な体格と、脂で光を反射させる皮膚を持った殿方だ。
婚約に際していくつかの書類に互いの名前を書く機会があった。
ビークロフト公爵邸で渡された書類の内容に目を通していくと、婚約を交える際に必要となるであろう一般的な誓約とは別に、ビークロフト公爵独自に用意したらしい書類があった。
そこには甲が乙に対して持つ様々な権利について細かに書かれていたが、要約すると
・甲は乙から精神的苦痛を受けた時、婚約の破棄を申し出ることが出来る
・甲が婚約破棄を申し出た際、乙に拒否権はない
・婚約破棄成立後、乙は甲を害した罰としてその身柄は甲の支配下に置かれる事となる。
・この契約書の内容は他言してはならない
このような事が書かれていた。
なるほどと私は納得する。
元婚約者達が姿を消したのには要約の三項目目が絡んでいると見て良い。
元婚約者たちはビークロフト公爵に絶対服従する存在として、どこかに隠されているのだろう。
「ビークロフト公」
「そのような堅苦しい呼称はよせ。これから婚約を交わそうというのだ。私の事はデイミアンと呼べ」
「畏まりました、デイミアン様。お伺いしたいのですが……こちらの書面に書かれていることは、聊か公平性に欠ける内容のように思えます。こちらのみ署名を見送らせていただく事は可能でしょうか」
私が名を呼べば、ビークロフト公爵は機嫌よく笑う。
しかし直後の私の発言がその気分を台無しにしたようだ。
彼は顔を強く顰め、私を睨んだ。
「まさか、私とお前が対等な立場であると?」
「いいえ、そのような事は……」
「それにサインが出来ないというのならば、婚約は全て白紙とする。だが、その場合」
ビークロフト公爵が目を細める。
彼は、私がサインをする未来を見据えているようであった。
「お前の家の事も保障はしてやれんな」
これは脅しだ。
単に『婚約者でもない者の家に援助する事は出来ない』という風にも取れる言葉選び。
だがその裏に『お前の家がどうなってもいいのか』という言葉が紛れている事に私は気付いていた。
「……申し訳ありませんでした。婚約につきましては、謹んでお受けさせていただきたく存じます」
「理解したのならよい。さあ、早くペンを」
私は溜息を何とか堪える。
頷き、書類を手に取る。
その時、私はそれらを床へと落としてしまう。
「おいおい」
「も、申し訳ありません」
「お前は優秀な女だと聞いていたが、存外抜けているところもあるのだな。うむ、一層良い」
彼の言葉に鳥肌を立たせながら、私は床へ散った紙を集める。
その時。
集めた紙に紛れるようにして、一枚の紙が姿を現す。
幻覚魔法で透過させ、私がひっそりと持ち歩いていた紙だ。
それを紙の中へ滑り込ませ、代わりにビークロフト公爵が用意した書類の内一枚の紙を片手で捉えると、魔法で姿を消させる。
そうして紙をすり替えてから私はビークロフト公爵の前で改めて、ペンを取った。
ペンが走った先、紙に浮かぶ文字を見て彼は満足そうに頷く。
そして私がサインを終え、抜けがない事を確認してから、ビークロフト公爵もまた、全ての書類に署名する。
こうして婚約手続きの時間は終わりを迎えた。
ビークロフト公爵はとにかくスキンシップと、行動の強制や拘束が多かった。
彼は連絡もなしに家を訪れては寛いだり、デートに誘ったり、果てには学園へやって来たりもした。
彼は特に人目がある場所で私の顔や腕、腰に執拗に触れ、抱き寄せては愛を囁く。
そして私にも同じように応えるよう強要した。
私はただ無心で、彼の命令に従った。
だが、問題は起こる。
人間、生理的に拒絶してしまうような事柄というものは少なからず存在するだろう。
それを目の当たりにする日がやって来たのだ。
そして私にとってのそれは、豚の――いえ、失礼。
婚約者の口にキスをするというものだった。
ある日、夜会へ出席していた私とビークロフト公爵。
夜が更けてきた頃、私が帰宅を提案すると彼はまだ共にいたいと言い、休むならば客室へ行こうと、高貴な身分の方に用意される客室へ私を連れ込んだ。
そしてそこで彼は突然、私をソファに押し倒し、顔を寄せたのだ。
唇を窄め、目を閉じるその顔を見れば、彼が私にキスをしようとしていることくらい分かる。
それを理解した瞬間、私は本能的に近づく彼の顔を潜り抜け、回避してしまった。
勿論、ビークロフト公爵は怒り心頭で私を批判したが、一度身の危険を感じた私としてはこれ以上密室で二人きりになることが出来なかった。
適当な言い訳を早口で並べると、私はビークロフト公爵の制止を聞くことなく逃げるようにその場を去ったのだ。
きっと、過去の彼の婚約者達の中で最も彼を怒らせたのは私だったことだろう。
そしてその翌日。
学園を訪れたビークロフト公爵は廊下を歩いていた生徒を押しのけ、私の教室までやって来た。
彼はずんずんと私と距離を詰めると、私の髪を引っ掴み、自分の前へ跪かせた。
それから彼はこう怒鳴る。
「失望したぞ、クレア! お前はとんだ見込み違いだった!」
やはりこうなったかと、私は内心で溜息を吐く。
鼓膜を傷付けそうな程に大きな声を出すビークロフト公爵。
彼を見上げながら私は一応の反論を試みた。
「お言葉ですが、デイミアン様。私達が交わした契約の中に、接吻の強要を受け入れるといった類のものはありません。昨晩の事でお怒りなのであれば――」
「お前は何も分かっていないのか!? はぁ、もういい。ここまで頭の出来が悪かったとは」
ビークロフト公爵は高らかに言う。
「今、この瞬間を以て、お前に婚約破棄を言い渡す!」
シン、と辺りが静まり返る。
この場にいた者の中に、ビークロフト公爵と五人の婚約者について知らない者はいないだろう。
行方を晦ませる婚約者たち、私がその六人目となった瞬間を目の当たりにしたのだ。顔を青くさせ、言葉を失うのも当然の事だった。
そしてビークロフト公爵はというと、これまでの婚約者同様に私が泣きついて許しを請うものと思っていたのだろう。
勝ち誇ったような笑みを醜悪に浮かべ、私の反応を窺っていた。
しかし当事者である私はというと、特に反応を示す事もなく、ただ先程と同じようにビークロフト公爵を見上げるだけ。
正確には「来た」と心の中で思っていたのだが、それを表に出すことはしなかった。
「お、おい! 聞いているのか!? 婚約破棄だぞ、婚約破棄!」
恐怖の宣告であるはずの言葉を受けても無関心そうな私の反応を不思議に思ったのだろう。
ビークロフト公爵は再度同じ事を言った。
その様子が滑稽で、私の口から笑いが零れる。
「何がおかしい!?」
「失礼。いえ、全てが。もう、貴方の全てが本当におかしくて」
吹き出した笑いは誤魔化し切れず、ビークロフト公爵は更に憤る。
そんな彼をものともせず、私は一頻り笑い、漸く落ち着いてきた頃に口を開く。
「婚約破棄?」
嘲笑が滲み、僅かに声が上ずる。
私は先程のビークロフト公爵を真似るように、勝ちを確信した笑みを浮かべた。
「そもそも、婚約していませんが」
「………………は?」
教室に、私の無邪気な笑いだけが響く。
ビークロフト公爵は呆然として、それから掠れた声で言った。
「気が触れたのか……?」
「まさか」
「であれば何を出鱈目な事を……! 私達はきちんと正式な手順を踏んで書類に署名しただろう! ここは法の国! いくら口先でその事実を否定しようが、契約の強制力には逆らえないぞ!」
「私、婚約を認める書類にはサインしていませんよ?」
「…………は?」
「私が幻覚魔法を得意とする事はご存じですよね?」
何が言いたいのかわからないというように、ビークロフト公爵が私を見ている。
何も知らない彼へ、私は丁寧に事の真相を伝えた。
「ペンを少し紙から浮かせて、文字が綴られていくように見せかけることだって、得意なのですよ」
ビークロフト公爵の顔色が変わる。
それを確認しながら私は続けた。
「私達は赤の他人だったのです。ああでも、一つだけ本当にサインしたものがあります……その様子ですと、ご自身が署名した後、婚約関係の書類は一度も確認されなかったのでしょうね」
私は立ち上がり、服を整える。
それから、立っても尚、見上げるだけの身長差を持つビークロフト公爵へ向き直る。
「『婚約破棄成立後、乙は甲を害した罰としてその身柄は甲の支配下に置かれる事となる』、でしたよね?」
「ま、まさか、お前」
「婚約はしておりませんが、ビークロフト公がおっしゃった婚約破棄したいというお言葉について、認めましょう。この場で言う婚約破棄は、婚約者の関係を模した生活の終結と定義します」
私は笑顔で手を打つ。
「勿論、甲が私で乙がビークロフト公です。私はある方による協力から、あの契約書については把握しておりましたから、乙と甲という言葉を入れ替えただけの書類を用意しておりました。そして、隙を見て本物と入れ替えさせていただいた……つまり私が唯一サインし、またビークロフト公にもサインしていただいた書類は――ビークロフト公が私の支配下に下る旨の書かれた契約書の事です」
「お、おま……っ、おまえぇぇえええええっ!!」
顔の色を赤く、青くと忙しなく変えるビークロフト公爵は、感情のままに私へ拳を振り上げた。
その時だ。
私へ迫った拳は、間に入った男によって遮られる。
彼はビークロフト公爵の腕を捻り上げ、その場に組み伏してから私を見る。
「大丈夫か、クレア」
「アルヴィン。問題ないわ」
「騒ぎになってるって話を聞いて駆けつけたんだ。間に合って良かった」
床に転がったビークロフト公爵はアルヴィンから抜け出そうと身じろぎをするが、アルヴィンの姿勢が崩れる気配はない。
「ビークロフト公」
アルヴィンはビークロフト公爵を見下ろしながら彼を呼んだ。
「王宮直属の騎士団がこちらへ向かっています。クレアが手に入れた例の契約書の原本が証拠となり、貴方の罪は王宮へも明らかとなりました。どうか罪を償っていただきたい」
「く……っ、くそぉぉぉぉおおオオオッ!!」
「ビークロフト公?」
けたたましく鳴くビークロフト公爵の顔を覗き込み、私は微笑む。
「『罪を洗いざらい吐く事』、『元婚約者たちの契約を破棄し、解放する事』、『二度と悪事に手を染めない事』。お約束くださいね?」
返事はなかった。だがこの言いつけは守られるだろう。
法の国では契約こそが絶対。
私の支配下に於かれた愚者は、法の神による強制力に逆らう事ができないのだから。
王宮の騎士に連れて行かれたビークロフト公爵を見送ってから、私とアルヴィンは人気のない場所へと移動する。
私が事前に彼へ持ち掛けた頼み。それは
・ビークロフト公爵が作成した婚約用の契約書の情報入手
・クレアが証拠を入手した後、王宮へ密告する事
そして、『万が一、自分の手に負えない事が起きた時に助けに来る事』だった。
「俺が事前に聞いた話だと、王宮が動くまでは穏便に婚約者のふりをし続けるって話だったと思うけど?」
「ごめんなさい。あの人とキスは出来なかったわ」
「キス?」
きょとんとしたアルヴィンへ私は事情を説明する。
すると彼は腹を抱えて笑い出した。
「なるほどなぁ」
「笑い事ではないのよ。全く」
暫く笑い続けた彼はふと、こんな話をした。
「今回の件で、君には謝礼が出るだろう。家の件も国から支援が入るんじゃないか。大事件を解決した英雄を雑には扱えないだろうからな」
「そうなれば嬉しいわ」
「ところで、俺は助けに来いという君の無茶ぶりに応え、君は家の問題も解決する兆しが見えてきたわけだが」
彼が並べる二点には何の因果関係もないように思えた。
私が目を丸くすると、アルヴィンは不敵に笑いながら私の顔を覗き込む。
「俺とキスは出来るのか」
その言葉の真意はすぐにわかった。
そして、私に好意を持っている彼が何のアプローチもして来なかった背景に、私の家の事情を考慮してくれていた事があるという事も、私は気付いていた。
「全く、素直に言えばいいのに」
私は小さく笑いを吹き出してから、アルヴィンへ顔を近づける。
二人きりの空間で、私達は互いの気持ちを確かめるように唇を重ね合ったのだった。




