表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
光と風の境界  作者: 770
9/39

拳が交わる時

(^^)/

 朝の風が砂を舞い上げた。

 太陽はすでに高く、闘技場の熱気は昨日を上回る。

 旗が翻り、二回戦の幕が上がる。


ヴェント「いよいよ二回戦か……」

ルミナ「気を抜かないで。ここからは全部が強敵よ」

シルフィナ「水精霊たちがざわついてる……たぶん、風が荒れてるんだね」


 観客のざわめきが波のように押し寄せた。

 光の魔法で作られた天幕が空に浮かび、実況が響く。


実況「第一試合! 勇者アルディスチーム 対 黒鋼の牙!」


 闘技場中央。

 黒鋼の鎧に身を包んだ傭兵団が構えを取る。

 対するは、金色に輝く聖剣を持つ男――勇者アルディス。


アルディス「……神よ、裁きを」

ゴラン「おらぁ、任せろ!」

ヴァロフ「解析完了。敵、三人。火属性抵抗値:低」


 空が一瞬、白く閃いた。

アルディス「天使よ、下卑た者へ光の加護を......《ジャッジメント・レイ》」

 光の矢が地を貫き、黒鋼の騎士たちが次々と倒れる。

 盾も鎧も意味をなさず、聖剣が閃くたびに大地が裂けた。


実況「試合終了ッ! 勝者――勇者アルディスチーム!!!」


 観客席がどよめく。

 アルディスは一言も発さず、ただ剣を鞘に戻した。


ルミナ「……あれが“勇者”か........」

ヴェント「圧倒的すぎて、笑えるな……」

シルフィナ「まるで、神話の再演みたい」


実況「続いて第二試合――ルミナとその他チーム対《大地の盾》!」


 観客席が再び沸き立つ。

 闘技場の反対側には、巨体の男と重装の防衛陣。

 大地の魔法を扱う防御専門チーム。


ルミナ「防御特化チームね……面倒な相手」

ヴェント「なら壊すまでだろ?」

シルフィナ「焦らないで、ヴェント。私が地形を崩す」


 試合開始の鐘。


 大地が揺れ、砂が舞い上がる。

敵戦士「大地よ、我らを守り給え!《ロックウォール》!」

 分厚い岩壁が連続して立ち上がる。

ヴェント「こんなの――風でまとめて吹き飛ばす!」

 両腕を広げ、風を巻き上げた。

ヴェント「《テンペストバースト》!」

 風圧で砂と岩が弾け飛ぶが、その奥からさらに壁が出現する。


敵魔導士「砂よ!風よ!剣となり盾となり巻き起これ!《ストーンドーム》!」

 全方位を覆う岩の牢。


ルミナ「閉じこもる気ね。じゃあ、焼き切る!」

ルミナ「《ライトニング・ランス》!」

 雷の槍が連続して岩を穿つ。

 しかし、亀裂が走るだけで貫けない。


ヴェント「チッ、こいつらガチで盾しかねぇのか!」

シルフィナ「じゃあ、浸すわ」

 彼女の周囲に水が漂う。

シルフィナ「水精霊よ、流れを生み出せ――《メル・アクア》!」

 地面から水が滲み出し、岩壁を湿らせる。

ルミナ「……なるほど」

 ルミナが指を鳴らす。

ルミナ「《プラズマ・ストライク》!」

 水気を帯びた岩が一気に爆ぜた。

 雷が走り、爆風が生まれる。


ヴェント「いまだっ!」

 瓦礫の間を縫うように走り抜け、中心の戦士に突撃。

ヴェント「ストームシフト・乱舞!」

 風の刃が連続で走り、巨体の男が後退する。

敵戦士「ぐっ……ぬぅぅ……!」


 地面に倒れた男の盾が砕けた。

 審判が手を上げる。


実況「勝者――ルミナとその他チーム!!!」


ルミナ「やった~」

ヴェント「ほんと、名前なんとかしたな……」

シルフィナ「でも、見事だったよ。連携完璧」

ヴェント「風と雷と水、最強トリオだな!」

ルミナ「調子に乗らないの」


 午後の試合。

 炎のような歓声が闘技場を包む。

 ドライブ率いる《ブレイカーズ》と、炎剣のセリナ率いる《レッドファング》。


ドライブ「燃えるぜ……!」

セリナ「ふふ、燃え尽きないでよ?」


 開幕と同時に炎が舞い、拳がぶつかる。

 ドライブの打撃が空気を震わせ、セリナの紅炎が軌跡を描く。

 火花と砂煙が混じり、観客席の最前列が熱風にのけぞる。


ルミナ「やっぱり……あの人、只者じゃない」

シルフィナ「炎の制御が異常。あれ、感情で燃やしてない」

ヴェント「かっこいいなぁ、風は炎と違って見えないからなぁ」


 拳と剣が交錯するたびに、熱が上がる。

 そして――爆音。

 オグルの盾が吹き飛び、ドライブが膝をつく。

 セリナは剣を地に突き刺し、炎を収束させた。


セリナ「終わりよ。《スカーレット・ワルツ》」

 赤い花弁のような炎が咲き乱れ、ブレイカーズを包み込む。


実況「勝者――レッドファング!!!」


 歓声が轟く中、セリナはドライブに手を差し出した。

セリナ「悪くなかったわ、拳の人」

ドライブ「……燃える試合だったぜ」


 夕暮れ。

 王家チームが最後の試合に挑んだ。

 レオンハルト王と二人の王子――その一挙一動に観客が息を飲む。

 彼らの相手、《青の黎明》。若き魔導士たち。


ディルク「終わらせよう」

ニコル「はい、兄上」

 光と風が交差し、魔導士たちが一瞬で沈む。

レオンハルト「王の名の下に――《聖王斬》」

 閃光一閃。勝負は十秒で決した。


実況「勝者――王家チーム!!!」


 日が沈み、魔導幕に文字が浮かぶ。


ベスト4進出チーム

勇者アルディスチーム

ルミナとその他チーム

レッドファング

王家チーム


ヴェント「おおっ! ついに準決勝だ!」

ルミナ「当然の結果よ」

シルフィナ「次はもう遊びじゃ済まないね……」


 夜風が闘技場を通り抜けた。

 セリナの炎が風に揺れ、アルディスが空を見上げる。

 その視線が、まっすぐルミナたちを射抜いた。


(^^)/

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ