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光と風の境界  作者: 770
36/39

闇の領域と、北の女王

(^^)/

ゼゼル「そろそろラストかしらね、ダブル」


妖しく笑いながら、ゼゼルが指を鳴らす。

空中に浮かぶ二つの黒いサイコロが唸りを上げて回転した。


デンチャン「出目は…………6、4! 合計10!」


ゼゼル「あら~、もう安全圏の数字が出ちゃった」


余裕の笑み。


セリナ(10……このまま行けばゴール目前……ですが……)


セリナ「では私もダブルで。もう……ここで決めさせていただきましょう」


指先に込めた魔力と共に、サイコロを放つ。


デンチャン「出目は…………4、1! 合計5!」


一瞬の静寂ののち、場がざわめいた。


デンチャン「ゼゼル様と同マス! 直接対決だ!!」


セリナ「なっ……!」


ゼゼル「オッケー♡ 行ってくるわね」


次の瞬間、黒い霧が床から噴き上がり、二人の姿を包み込んだ。


闇。

音も、光も、気配すらも断たれた異界。


ゼゼル「セリナ=ヴァルガ。南天のイグニス=ヴァルガの十本刀・第四位……とてもそうは見えないわね」


ねっとりとした声が、四方から同時に響く。


セリナ「人を見かけで判断すると、痛い目を見ますよ?」


ゼゼル「ごめんなさ~い。でもね、そんなチンチクリンに何ができるの?」


闇が脈打つ。


ゼゼル「“エリア7”」


セリナ「!?」


空間が一気に捻じ曲がり、セリナの周囲に半径数十メートルの“黒い円環”が形成された。

外の世界の光も、音も、完全に遮断される。


ゼゼル「私はね、領域系魔法の使い手なの。この領域の属性は“闇”。

誰にも見られず、無残に散りなさい」


セリナ「誰にも見られない……? 映像は届かないんですか?」


ゼゼル「そうなのよ~。あなたの最期は、誰にも見られず闇の中で死ぬの」


その言葉に、セリナは――微笑んだ。


セリナ「よかった。あまり、見られたくなかったんですよ」


ゼゼル「……え?」


セリナの足元から、まったく異質な魔力が湧き上がる。

水と炎、相反する二つの属性が、一つの鼓動として共鳴し始めた。


セリナ「見た目も老けて見えちゃいますし……

何より、お父様が見たらと思うと、恥ずかしくて」


ゼゼル「……あ、ぁ……?」


セリナの姿が、一瞬で歪む。

華奢な少女の輪郭がほどけ、艶やかな妖気を纏う“巫女”の姿へと変貌する。


セリナ「私が“二律の巫女”なんて呼ばれる所以は――この魔力です」


右手に炎、左手に水。

互いに決して交わるはずのない二つの力が、渦を巻くように融合していく。


セリナ「《双極融合・蒼炎輪》」


青白い水焔と紅蓮の炎が、螺旋となってゼゼルを包み込んだ。


ゼゼル「ああああああああああああああああ!!」


闇の領域そのものが悲鳴を上げる。

領域の壁が音を立てて砕け散り、黒い空間が焼き尽くされていった。


セリナ「ごめんなさい……手加減は、したんですけど……」


闇が晴れ、セリナはふらりと膝をつく。

再び魔力を抑え、本来の少女の姿へと戻っていく。


システム音声「遊技場へ転送いたします」


アリア「セリナ! 大丈夫でしたか!?」


ルミナ「よく勝ったわね! 本当に……!」


セリナ「はい……だいじょうぶでした……!」


息を切らしながらも、はっきりとそう答える。


床に転がるゼゼル。


ゼゼル「……ガ……ハ……」


レット「ハッ! 平気かよ!? ゼゼ!!」


ゼゼル「……う……うぅ……」


その身体が、またもやゆっくりと再生を始める。


ルミナ「あのダメージからでも復活するんだ……

ダメージイートって、ほんとにすごいのね……」


ゼゼル「……はぁ……はぁ……もういい……」


その瞳に、理性の色は消えていた。


ゼゼル「殺してやる!!」


レット「やめろ!! ルールには従え!!」


ゼゼル「ルールなんてどうでもいい!!

“エリア999”!!」


空間が悲鳴を上げる。

今までとは比べ物にならないほどの、どす黒い魔力が遊技場全体を覆い尽くそうとした。


レット「ばかっ! お前……!!」


ゼゼル「ああああああああああああああああああああ!!」


その瞬間。


シュリーデ「――ふっ」


たった一息。


空間に満ちた闇の領域が、まるで幻だったかのように消失した。


ゼゼル「……!?」


静まり返る遊技場。

階段の奥から、ゆっくりと足音が響く。


シュリーデ「だめじゃない。ルールは守らないと」


青いドレスに大胆なスリット。

蛇のようにうねる髪。

巨大な鉄扇を肩に担ぎ、優雅に階段を下りてくる女。


シュリーデは無造作に鉄扇を一振りし――


ゼゼルの身体は、音もなく両断された。


シュリーデ「今、この時をもって……

挑戦者の勝ち、よ」


血も煙も、すべては一瞬で霧散する。


シュリーデ「……あら?」


ゆっくりと、セリナたちの方へ視線を向ける。


シュリーデ「懐かしい魔力ね?」


その一言に、場の空気が凍りついた。

(^^)/

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