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光と風の境界  作者: 770
18/39

生涯の友と恋の宣戦布告

(^^)/

ヴェント「昼間なのに暗くね??」

ルミナ「そりゃそうでしょ、ダンジョンなんだから」

シルフィナ「出てくる魔獣も普通のダンジョンと同じだね?」

セリナ「悪魔の気配もありませんね。誰かが先に攻略したのかもしれません」


 苔むした石壁の奥、彼らはダンジョン最深部にたどり着いた。

 そこで、呻くような声が響いた。


悪魔「グ……グゲゲ……」

シルフィナ「あらら、やっぱり先客が……」

ヴェント「!?」

 刹那、ヴェントが駆け出す。


ルミナ「ヴェント!? だめっ!」


 刃が交差し、火花が散る。

 その相手は悪魔ではなく――一人の人影だった。


ヴェント「久しぶりだな! ジャン!」

ジャン「なんだ、急に襲いかかってくるから魔物かと思ったよ、ヴェント」


 銀髪をかき上げるその人物に、ヴェントは満面の笑みを向ける。

 どこか懐かしい、学園時代の空気が漂った。


ルミナ「あぁ、もう……」


ギルドにて。

宿のロビーで、4人とジャン――いや、アリア=ジャンバードが向かい合っていた。


ヴェント「ジャン、卒業授与式以来だな!」

アリア「ヴェントも相変わらずで安心したよ」

シルフィナ「誰なの?」

ルミナ「ヴェントの魔法学校時代の同級生よ。学生時代は毎日喧嘩してたの。……正確にはヴェントが一方的に襲いかかってたけどね」

セリナ「仲……悪いんですか?」

ヴェント「いや? 悪くねぇよ?」

アリア「ヴェントは私が席次一位なのをやっかんでいたんですよ」

ヴェント「やっかんではねぇよ!」

セリナ「……アリアさん、失礼ですが、あまり強そうには見えませんけど……」


 セリナの視線が自然とアリアの胸元に落ちる。


セリナ「女性ですよね?」

アリア「ええ、女ですが、それが戦闘と何か関係あります?」

ルミナ「ジャンって呼んでるのもヴェントだけよ。本名はアリア=ジャンバード。貴族の令嬢」

アリア「ヴェントだけは特別にあだ名呼びを許してるんです。……生涯の友、ですから」

セリナ「私もアリアさんって呼ばせてもらいますね」

ルミナ「で、アリアは何でダンジョンに?」

アリア「ブラックランクの特殊クエストを受けてたんです。無事昇格しました」

ヴェント「すげぇなジャン! 俺なんかやっとダイヤモンドになったとこだぞ!」

アリア「ヴェントもダイヤモンド? ふふ、短期間でそこまで……やるじゃない」


 シルフィナは黙って二人を見つめ、軽く息を吐いた。


セリナ「しかし困りましたね。近場の昇格クエスト、もう全部埋まってるみたい」

ルミナ「まぁ、ちょっと遠回りになるけど……遠方の依頼を受けるしかないわね」

アリア「先生、どうしてそんなに急ぐんです?」

ルミナ「ちょっとアリア、もう“先生”じゃないでしょ。ルミナって呼んで」

アリア「あっ、ごめんなさい」

ルミナ「私たち、北部に用があるの。そこに入るためにブラックランクが必要なのよ」

アリア「そういうことですか」

ヴェント「じゃ、明日朝から出発だな!」

アリア「ヴェント、私もついていこうか?」

セリナ「それ名案ですね! 全員ダイヤモンドですし、それなら申請も通ります!」


 その瞬間、シルフィナがカップを置いた。


シルフィナ「……名案だけど、聞きたいことが二つある」

アリア「え?」

シルフィナ「まず一つ。なんでそこまでしてくれるの? 目的は?」

アリア「私はもう目的を果たしましたから。ただ――」


 アリアは微笑み、紅茶を口に含む。


アリア「“生涯の友”が北へ行くっていうのに、放っておけるわけないでしょ?」

ヴェント「ジャン……お前、なんていいやつなんだ!」

シルフィナ「……そこなのよ」

ヴェント「え?」

シルフィナ「二つ目の質問。――ヴェントは黙っててね」


 彼女が小声で呪文を唱えた。


シルフィナ「音の精霊よ、すべての音を奪え――“サイレント”」

ヴェント『!?!?!?』

ヴェント『何も聞こえねぇ!何もしゃべれねぇ!!』


シルフィナ「アリア……あなた、ヴェントのこと好きでしょ?」

アリア「ドッキーン!? そ、そんなことはない! 私たちは生涯の友!」

シルフィナ「友達でいいの?」

アリア「!?」

シルフィナ「私はヴェントが好きだから、野営中はヴェントの隣で寝てるの」

アリア「ヴェントの……隣!?」

シルフィナ「寒い日は同じ布団に入ることもあるの」

アリア「お、おなじ……ふ、布団……!?」

セリナ「あの、ちょっと」

ルミナ「あぁ、いいの、放っといて」


 アリアの目がうるうるしてくる。


アリア「わ”だじも”! ヴェンドど! ね”だい”!!」

シルフィナ「正体現したわね。……いいわ、一番は譲らないけど、あなたには背中側で寝る権利をあげる」

アリア「シルフィナ……ねぇさん! って、なんで私が背中側なんですか!?」

シルフィナ「チッ、流れでいけると思ったのに……」

アリア「と、とにかく! 私も北部まで同行します! よろしくお願いします!」

ルミナ「よろしく、アリア」

セリナ「よろしくお願いします、アリアさん」

シルフィナ「……よろしく」

ヴェント『なんかまとまったみたいだけど、何も聞こえねぇぇ! はよ解いてくれぇ!』

(^^)/

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