4話
「ってことでこのサクヤチョウって言うのがいいみたいなんだけど…良さそう?」
「見た目は…まぁ合格点ですね」
「最悪魂を入れ替えれば問題は無いんでしょう?」
「そうですが…あまり生殺はしたくありませんね」
「そっか…でもとりあえず早めに捕まえに行こうか」
「そうですね」
「相変わらず一人で喋っているように見えるんだろうしね」
―
「北東ってどっち?」
「意外と方向音痴だったりしますか?」
「地図があればわかるんだけど…初めての土地だと感覚があやふやだからね」
「先行します」
「頼んだ」
―
「幻惑の森…幻影の魔法と錯覚の魔法が一帯にかけられています」
「魔法がかかっているってことは術者もいるのか?」
「そうですね。ですが、常に移動しているため、難しいと思います」
「一応魔法の影響も効かないのか」
「ええ、効果は私には効きません」
「めっちゃ有利だけど…これ魂入ったら機能しないってことある?」
「大いにありますね。現在はこの世界に不干渉と言うのが掟でこの世界に干渉できるなら他の攻撃、魔法の関係は受けることになります」
「そうか…それは捕まえても外に出る方法が少ないな」
「身だけ捕まえておいて外で離せばいいかと」
「ああ、なるほど」
「ちょっとやばいかもしれませんね」
「何?」
「おそらく一人で喋っていることを不審に思ったのか一人こちらへ向かってきます」
「人か?」
「…耳長属、エルフです」
―
「あの人間…この森に入ってからずっと一人で喋っている…」
「昏倒せずにずっと一定方向を進んでいる…」
「よくわからないが…」
「ちょっと様子見てくる」
「気をつけろよ」