1話
大は小を兼ねるのは当たり前。
小でも大を兼ねられるのがこの神様から貰った異次元アイテムボックス。
転生してくる時に神様まで持ってきちゃったけど、大丈夫かな?
「大丈夫じゃないよ!なんでいいと思ったのかな!」
「いや、だってさ…なんでも吸い込めるって聞いたらまず試したくなっちゃうじゃん」
「はぁ…神様が直接世界に干渉することはできないの…だから私がここに居ても何もできないの」
「いいじゃん。ほら、よくゲームである案内役みたいな?」
「はぁ…どちらにせよそれくらいしかできませんのでいいですが…アイテムボックスの使い方はわかりますね?」
「まぁ一回説明されているからな。念じれば開いたり閉じたりできるだけだろう?」
「簡単に言えばそうですね。それじゃまずは試してみましょう」
「試すって…?」
「後…もういますよ。モンスター」
「そういうことは早く言ってよね…」
念じる。開けと。
猪型のモンスターはアイテムボックスの中へと入れ込む。
「ふぅ…危なかったぁ」
「生き物そのまま入れちゃってどうするんですか!」
「いや、しょうがないじゃん。急に言われてもねぇ」
「これどうするんですか?」
「ふーん、なるほど。グレートボアね…。あ、いい事思いついた」
「アイテムボックスに入ったものは自動で鑑定されますが…何をしようとしてるんですか?」
「みて見ればわかるよ」
アイテムボックスを開く、そしてグレートボアを出す。
鳴き声が聞こえた瞬間、アイテムボックスを閉める。
「え…ちょ…」
「お、うまくいった。グレートボア一刀両断…?一扉両断?」
「うまく使わないと腕もげそうですね…」
「あ、そうだな。いい教訓になった」
落ちているグレートボアの下にアイテムボックスを開く。
ストンと落ちたグレートボアの半身。
「これ面白いかもな…ん?身体強化の魔石?」
「あ、レアなモンスターの核として魔法を秘めた石が落ちることがあります」
「それじゃ早速これ使って…」