表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
満月の夜に剣は燃ゆる  作者: 大豆
1/21

プロローグ

完全に日が落ちた闇夜。


周りを山に囲まれた盆地。


轟々と辺り一面を燃やす炎。


瓦礫と化した家屋。


血を流して動かない人々。



そんな中、一人の少年が呆然と立ち尽くしていた。


「なんだ……これ……。……夢……?」


少年の目の前には一人の女性が倒れていた。

その姿を見つけた少年は、ふらつく足で近づくと、力なくしゃがみ込んだ。


「嘘……だろ……」


その女性は腰から下が瓦礫の下敷きになっており、元々白かったであろう服は真っ赤に染め上げられていた。


「起きてよ……」


少年は女性を起こそうと体を揺する。

すでにその体は氷のように冷たく動かなくなっていた。

少年の手にべっとりと鮮やかな血が付く。


生暖かい嫌な感触を感じた手をゆっくりと見る。


その瞬間、少年の中で何かが壊れた。


「―――――――!」


言葉にならない叫びが腹の底から溢れ出す。




辺りを暗闇が囲む火の中、少年の悲しい叫喚だけが響き渡っていた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ