表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/2

第1の残骸

仕事が片付かなくて大草原です。

あー、早く落ち着かないかなぁ...。

「暇だ...」


私は今、すごく暇だ。


どれくらい暇かというと、味噌汁をクリームシチューにしてからオムレツに出来るぐらいだ。


今日に限って本を忘れるとはなんたる失態だ。


新幹線で東京から京都に向かっている最中なのだが、とても暇。


目的は仕事、と言っても社長がお土産を買いすぎたらしくそれを持つ人がいるそうだ。


郵送で送ればいいじゃないですかって言って見たものの手続きが面倒くさいとの事で、社長から何かと信頼されている(面倒事を押し付けられる)私が行く羽目になった。


っていうか疑問に思っていたのだが私って社員でも無いのに仕事してるっておかしくないか?


給料貰ってるしスーツ着なくていいとかで不満は無いのだが。


しばらくボーッとしているとだんだん眠くなってきた。


どうせこの新幹線京都が終点だし寝てもいいだろうということで私は意識を手放して睡魔に身を委ねた。


が、壮絶な痛みで目が醒める。


何があったのか新幹線車内は酷い有様となっていた。


他の乗客は座ったまま鉄の杭か何かに貫かれていてピクリとも動かず、床に血だまりを作っていた。


天井は無くなっていてまるで近くに爆弾が落ちたかのような赤い空をしていて、自衛隊のヘリコプターが飛び回っている。


そして私のお腹にも鉄の杭が刺さっていて椅子にまで貫通している。


自力で抜くことはできなさそうである。抜いたとしても出血多量で死ぬだろう。


こう、なんだ。


いざ死ぬと分かった時って案外落ち着いているものなんだな。


それとも非現実的な光景に脳が追いついていないだけか。


耳を澄ましてみると遠くで悲鳴や呻き声が聞こえる。


どんなに情報をかき集めても何があったかまではわからない。


悲惨な事が起きたんだろうなってことぐらいか。


なんか...寒くなってきたな...。


夏なのに、しかもまだ昼ごろなのにすごく眠い。


もしかしたらこれは夢なのかもしれない。


こんな出鱈目な事が起きるわけがないのだ。


素敵な夢の世界へと旅立とうか、おやすみ。


私は再び目を閉じた。


目がさめる頃には京都に着いていることを願って。


───────────

「おお人間よ、あの程度で死ぬとは情けない」


なんだろう、すごく馬鹿にされた気がする。


「そんな脆弱な人間には、すごい力を授けよう」


お?なんか貰えるみたいだ。有り難い。


「いやー、にしても儂が天罰の座標入力を間違えるとは思いもしなかったわい」


天罰?なにそれ怖い。


「お主は儂の天罰で巻き込まれて死んだんじゃ。本来なら軽症で済んだのだがのぅ」


もしかして左前の席に座ってた少女が対象?


「そうじゃ。あやつは同族殺しを300回行った大罪人じゃからな。天罰を落とさねばならなかったんじゃ。しかし、地球に天罰を落とすのがひさしぶりでのう。威力の調整と目標座標の入力をミスって、お主も一緒にお陀仏じゃ」


天罰の割に即死ではないんですね。


「関係ない人間を巻き込んでしまってすまなかった。お主にはチートとやらを授けて異世界に送ろう。楽しんでくれれば幸いじゃ」


最初のあれってなんだったんですか?


「んぅ?あれか。あれはただのブラックジョークじゃ気にせんでほしい。それじゃそろそろ送るぞ。儂はこれから始末書を書かねばならんからの」


あ、はい。


「そなたに我らの加護があらんことを。グッドラックじゃ」


そんな神様の一言で私の意識は再び真っ暗になった。

導入までは行けるんだ。

しかし、そこから先が忘れやすい。

ふふふふふ。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ